表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
もう一人の転生者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

343/464

勝敗

「オレが寝ている間になにが起こったか教えてくれないか」


 オレの問いに妹達はめいめいに答える。

 ワカナの誘拐の件、ミカヅキとサヤに起こった出来事、そしてアツコとナナセが怪しげな地下祭壇でオレを発見した時のこと。あまりの情報量に脳内がパンクしそうだ。


 しかし、何よりも先にまずこれだけはハッキリさせておかなければならない。


「ミカヅキ、聞いてくれ」


 そうだ、オレはミカヅキに確認しなければならない。 


「なんなの、いきなり真面目な顔して」

「結局二人ともワカナは助けられなかったわけだし、今回は引き分けだな。まあ、ミカヅキが偶然その研究所のような施設を発見したのと違い、オレは推理をもとにもっと重要っぽい何かを見つけたわけだから、実質オレの勝ちという見方も出来るが、ワカナを救出できなかったのは確かだからな。うん、引き分けでいいぞ、実質オレの勝ちという考え方もあるがな」


 次の瞬間、ミカヅキの憤怒の表情が網膜に写り、ゴスンという衝撃が脳天にはしったと同時に映像がブラックアウトした。


「グガァ!!」


 痛っ!!!

 杖の、杖の角の硬い部分が、硬い部分がつむじに刺さって、あっ、血が滲んでる。

 暴力反対!!


「真剣な表情で何言い出すかと思えば、こっちの気もしらないで!!でも、いつも通りの頭の悪さで安心した。少なくとも何かに精神を乗っ取られたってことはなさそう」


 そう言い深々とため息をついたミカヅキは頬を緩めた。


「みんな、オレが眠っている間心配をかけた、すまない。ありがとう」


「謝るか礼を言うかどっちかにしなさい。それで、これからどうするの」


「まず、ワカナの誘拐の件がなんだったのか気になるな。ワカナ以外にも大量の子ども達が、それも女の子を中心に誘拐されていたんだろ?同化のための実験体として集められたにしては量が多すぎるし、人目につくことも恐れず各地で一斉に実行する意図がわからない。これじゃ、まるで目立つ事が目的だといわんばかりだ。ワカナのおかげで一緒にいた少女達は解放できたとはいっても、なにか大きな目的があってもおかしくない」


「暇だったからギルドとか酒場とか、あとちょっと人の家に勝手にお邪魔して情報収集したんだけど、冒険者ギルドが上位の冒険者を集めてコプト教団っていう始祖を信奉する邪教討伐に乗り出したらしいから、それと関係があるかもね。噂によると竜燐級冒険者が返り討ちにあったとか。どこまで本当かはわからないけど」


 サヤが世間話をするかのように際どい事を言う。


 サラッと犯罪行為の自白があった気がするが、そこは目を瞑るとして、怪しげな宗教組織が絡んでいるのであれば生贄を集めて儀式魔法を発動させようとした可能性が高い。実際ミッドガルドでは様々な敵勢力が儀式魔法により強力なモンスターを召喚したため、それを討伐するというストーリーのクエストが多かったし、この世界とミッドガルドの類似性を考慮すると同様の事件がいつ起こってもおかしくはないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ