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いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
もう一人の転生者

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あの日の記憶

「でも、よかった、あなたが悪い人じゃなかったらと思うと怖かったの。あなたが正義の味方で、悪いことをした人を懲らしめただけだって言われたら、どうすればいいかわからなかったから。よかった、あなたを殺すことが正しいことで」


「………おい、ガキ、冗談でも笑えないね、殺すっていったのかい、このアルシラ様を、お前が」


「大丈夫、なるべく楽にしてあげる、すぐに済むから」


「質問に答えろって言ってんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 なにも分かってないガキの癖に調子に乗りやがって、まずは足首をへし折ってやる。指先を動かす。人は死ぬ。簡単な話だ。そして、力を少し弱めれば折れるだけで済む。

 か弱いガキは練習台にちょうどいい。


 いたぶって、いたぶって、いたぶって、いたぶって、一秒でも長く生きられるように細心の注意を払う。貴族から金を巻き上げるのに役に立つスキルだ。


 この世のなか悟ったみたいな顔してるガキが「もう殺してください!!」そう泣きながら額を地面に擦りつける姿が楽しみじゃないか。


 ………………なんだ?


 おかしい、もう発動しているはずだ。どうしてガキの足が無事なんだ、へし折れない。


 もう一度指を動かす。

 ガキの後ろの木が折れ曲がり、倒れる。

 何も問題はない、出力も、精度も、すべてが桁違いだ。


 ふんっ、始祖のなったばかりで、まだ力の制御が上手くいってないみたいだね。


「まずは足からだ」


 指先に力を込める。何も起きない。

 いや、起きている。

 空間が歪み、収縮し、折れ曲がる、目に見えない時空の変遷がこの瞳には見えている。


 なのに、どうしてこのガキだけが影響を受けない!!なんでこのアルシラ様の魔法が効かない!!!


「時空間魔法だね、これで殺したんだ、たくさん。教えて。死ぬ前には皆どんな言葉を残すの?あの二人はどんな言葉を言ってた?教えて?知りたいの、とっても。知らなきゃならない気がするの」


「うるせえ、黙ってろ!!!!!!!」


 練習台なんてのはどうでもいい、本気で、一撃で身体を真っ二つに引きちぎってやる。そうだ、両手をこうして交差すれば、古竜であろう耐えることは出来ない。ミザイも、オートアルマも、ユウミも、アツコも、エルダも………………エルダ?誰の事だ??いや、確かに知ってるんだ、私はその名を。


 ちっ、今は余計なことを考えるな。アルシラ様は始祖になったんだ、誰も馬鹿に出来ない、誰も勝てない、最強になったんだ。


「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ねぇ!!!!!!!」


 地面が抉れ、木々は倒れ、時空が歪む。

 だが、ガキは傷ひとつ負わない、呼吸すら乱れない。


「どうしてだ、なんで死なねえ、どうして生きてる!!!!」


「ねえ、教えて、どうしてあなたは殺すの、殺す時なにを考えているの?」


 おかしい、なんだ、いつからアイツの周りにあんなのが浮いてやがった。


 金色の剣、いや槍か!?

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