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いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
竜のねぐら

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冒険者ランク

「こちらからも聞きたかった事があるんですがいいですか。」

「ああ、構わない。」

「ルーフェさんはさっき元冒険者だって言ってましたが、冒険者ギルドの事に詳しかったりされるんですか?冒険者ギルドは国毎に仕組みが違っていて、この国ではどうなっているか知りたかったんです。もし宜しければ、教えて貰えますか。」

「へえ、あんた方はよっぽど遠くの国から来たんだな。ここら辺の国であれば冒険者ギルドは大体同じ仕組みでやってると思うが、お国柄というか、地域で違うもんなんだな。」


 ルーフェは感心するように一人うんうんと首を縦に振る。


「ザックリと説明すると町でドラゴンのマークが書かれた建物に入って、冒険者登録をすれば準備完了だ。あとはここで飲んだくれながら依頼を待つ。それだけだな。」


 酔っぱらい式雑説明。


 わかる、酔ってると順序だてて説明するのが面倒になるんだよな〜、酒の席でエリマネに売上目標達成プランを聞かれてうまく答えられず、何度怒鳴られたことか…。


「全然わかんない、もっと詳しく教えて。」


 ミカヅキの言葉。

 失礼な物言いだが、こういう時はその率直さが頼りになる。


「美少女の頼みとあっては断れないねぇ。まあ昔のことだから若干記憶が怪しいが、流れだけ言っちまえばこうだ。まずそこのカウンターで冒険者登録をする。あんた達はチームで依頼を受けるんだろうが、登録自体は一人一人することになるぜ。まあお尋ね者でもない限り登録自体は一瞬だ。いや別にお尋ね者だから無理ってわけでもないな、別に偽名だって構いやしない。冒険者になろうなんて奴は脛に傷があるやつばかりだしな。」


 冒険者ギルドに酒場が併設されてる事で察しはついたが、やはり冒険者になるような人間はガラが悪いのか…中学生の時に友達だと思ってた同じ中学の不良にカツアゲ…当人は金を借りると表現していたが、そういうことがあって以来ヤンチャな人種は苦手なんだよな。


 ウチはアツコとミカヅキがかなりアグレッシブな性格をしているから大丈夫だと思うけど、オレも妹達の兄としてしっかりしなくては。


「私みたいなエルフや亜人でも問題ないの?」

「種族は不問だ。エルフはもちろんウェアキャットにウェアウルフ、ドワーフにハーフフットにタピットにリザードマンまでなんでもござれだぜ。」

「オークやゴブリン、ドラゴンに悪魔に天使は?」


 アツコがからかうような口調でいう。


「冗談やめてくれよ、オークやゴブリン、ドラゴンは冒険者に狩られる側だ。まあドラゴンを狩れるような冒険者はこんな田舎町にはいないけどな。ただ竜のねぐらの向こうにあるとかいうゴブリンの国では、神王の祝福を受けてない種族でも冒険者になれるた聞いたことがあるぞ。眉唾物だけどな。」

「話の腰を折ってゴメンなさい、続けて。」

「どこまで話したんだっけか…そうそう、登録が済めばまずこの識別票が渡される。これは冒険者であることを示す証明書みたいなもんだな。名前と登録された冒険者ギルド、割り当てられた番号が刻印されていて、死んだ時なんかこのタグがあれば誰か一発で分かるっている優れものだ。そういう形でお世話になりたくはないがな。冒険者にはランクがあって上から竜鱗、オリハルコン、ミスリル、白金、金、銀、銅、鉄、黒曜石、白磁の10段階に分かれている。ランクに応じて識別票の素材が違うんだが、白磁はとにかく嫌がらせかと思うくらい割れやすいから注意するといいぜ。まっ、識別票が割れる前に上のランクになれっていうギルドの余計なお節介なのかもしれないな。」

「貴方のランクは?」


 アツコが無遠慮に問う。

 こういう事を聞いても嫌味がないあたり美人は得だ。


「聞いて驚くなよ。ほら、この通りルーフェ様はミスリル級位冒険者だぜ。10年以上前にとった杵柄だがな。」

「凄いです、有名な冒険者さんだったんですね!!」


 サヤがわざとらしく驚くとルーフェは満更でもない顔をした。キャバクラに行ったら骨の髄までしゃぶり尽くされるタイプとみた。


「ミスリルってのはどれくらい凄いの?」

「お嬢ちゃんは褒めてくれないのか、厳しいねぇ。ミスリルと言えば王室や有力貴族からお抱えにするためのスカウトが来るレベルだ。自分で言うのもなんだが1万人に1人の天才ってやつだな。俺はそれで王室の騎士団に入って、なんやかんやあってエロ垂れ目の部下になって、結局10年以上経って冒険者に出戻りになったって形だ。」


 なるほど、それで周りの冒険者がルーフェのことを恐れているのか。


 ミッドガルドではレベル差による実力の違いは歴然で、10レベルも離れてしまえば1対1では勝利を得ることが難しいと言われている。

 この世界でも同じ仕組みかはわからないが、一般的に剣と魔法のファンタジー世界は一般人と強者の力の差が異常に大きい。


 強者はより強く、弱者はより弱く。


 よくよく考えてみると恐ろしい世界観だが、そうであれば周りの冒険者がルーフェを恐れる理由も納得がいく。

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