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いもうと無双は異世界転生と共に〜38才こどおじの異世界英雄譚〜  作者: 蒼い月
王女と人狼

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第一チェックポイント

「旭日の師団!!」


 オレが叫ぶと、旭日の師団が急いでふにゃふにゃな決めポーズをとる。いや、そこはすぐ反応してビシッと決められるようにしておこ!?


「キャハッ!!獲物が自分から首を差し出しに来るなんて、そういうのは愉しくないな。もっと必死に逃げ惑って、ボクを楽しませてよ」


「ユウ・リュー、遊んどる場合か。後続が迫っとる、一刻も早く打開せんと、せっかく作ったリードが台無しじゃぞ」


「キャハッ、そうだね、ボクはメインディッシュは最後まで取っておくタイプなんだ。途中で死んでボクをガッカリさせないでよね」


 相変わらずボクっ子はキャラ付け頑張ってるな、周りも協力してあげようよ、もっと。


「いくよ、ココロト!!」


「わかりました!!」


 ハーフリングの女性とドルイドの少女が同時に詠唱を始める。何をする気だ?


「風よ集いて渦をなせ『タイニィサイクロン』!!」


「木よ木よ森よ、大地の精よ、遊びにくるならその根の端を、指の先まで伸ばしておくれ『ツリールートロード』!!」


 次の瞬間、湖の中心に小型の竜巻が起き、湖底から鳥居上のゲートが垣間見える。


「イマ、ススム」


 全身鎧の大男の声に呼応するかのように銀糸に彩られたグランファレ商会の大将機が動き出したかと思うと、その車輪の下から木の根が線路のように湖底に伸び、一本の道を作る。

 か細い木の道を大将機が駆け抜け、その後ろには大将機にロープでくくりつけられたスケボーのような二枚の板に乗った有翼人とハーフリングが続く。


「なに、あれ、あんなのアリなの!?」


「戦車に乗れるのは御者含めて5人までってルールだ。ケンタウロスは護衛に含めるってことで明文化されてるが、アレは戦車に乗ってないからってセーフだって言い張るつもりなんだろうな」


 グランファレルールというやつか。まあ、実際あれがセーフでも真似できるチームが他にあると思えないが………っていうか、あれ明らかに遅くなるよね、後ろの二人無駄だよね!!


「凄い曲芸を見た気がするが奴らのおかげで道は開けたな。よしっ、後に続こう」


「待ってください」


 ナナセがオレの言葉を遮る。


「どうしてだ、みんな便乗してるぞ?早くしないと置いてかれ…」


「おいっ、なんだこれ、木が崩れて……くそぉ、水が、ケルピーが!!助けてくれ!!!」


 魔法により開かれた道は、旭日の師団が通り過ぎるや否やすぐに収束し、後続の戦車を瞬く間に飲み込んでいく。なんとか湖面に顔を出そうともがく護衛達は、湖を穢され怒り狂ったケルピーにより水底へと引きずり込まれていく。


 いや、それって死ぬやつじゃない!?大丈夫なの、本当に生きて帰れるの!?


「風魔法と土魔法の合体技…やりますね」


「私達も同じことは出来ないわけじゃないけど、この状態で魔法を使えば湖に飲み込まれた人間に被害が及ぶ………なにか別の手立てを考えないと」


「戦車ごとマジックバリアで包んじゃうとか?ワカナあったまいい~」


「悪くないけど、湖底の土は沼状になってるから、それを何とかしないと車輪が泥にとられて満足に進めないかも」


「オレに良いアイデアがある」


「バカ兄に?どんな?」


「百聞は一見に如かずだ、見ててくれ『グローリアスタワー』!!」


 オレの魔法に呼応し、湖底のゲートが地上に顔を出す。


「何やってるのバカ兄、バカ高い塔のうえにゲート移動させてどうくぐるつもりなの!?」


「ふふっ、ミカヅキ、オレの答えはこれだ『ラバーズチェーン』!!」


 指先からゲートに向かい真っすぐ魔法の鎖が伸び、柱に巻きついた途端凄まじい速度で縮む。逆バンジーの要領で戦車は一瞬でゲートをくぐり、天高く舞い上がる!!

 

 敵との距離を縮める際に使うミッドガルドお馴染みの低位魔法がここで役に立つとはな。


 こんな活用法がすぐに思いつくとは、やはりオレは天才!!


「ミカヅキ、魔法とは創造なんだ。どんなちっぽけな魔法であっても、使いかた次第では大きな武器となる。魔法の可能性は無限大、それを忘れてはいけない」

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