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呪厄令嬢は幸運王子の【お守り】です!〜外堀陥没で溺愛ルートのできあがり〜  作者: 古森きり@書き下ろし『もふもふ第五王子』


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試練

 

 フォルティシュモ——フォルテと名乗ったバスケットは、ぱかりと口を開いてコップに入ったお水を吐き出した。


『お飲みよ! ナジェララはキミに話し相手になってほしくて、キミを死なせたくないのさ』

「あ、え、ええ。私もナジェララ様ともっとお話してみたいです」

『ウンウン! でもキミはまだまだ淑女として半人前だな! 螺旋階段の登り方もなってない! 姿勢がどんどん前屈みになっていたぞ。淑女はそんな登り方はしなーい』

「うっ! そ、それは……」


 コップ一杯のお水をいただき、再びコップをフォルテが飲み込んだあとは淑女の歩き方で階段を登るようにと言われる。

 ここにきてまさかの淑女教育!

 しかもフォルテはとても歴史に詳しい。

 貴族名鑑を暗記しているらしくて、私が問題を間違えると即座に突っ込みを入れてくる。

 さらに、特産品や土地の良し悪し、災害の歴史なども教えてくれた。

 このあたりは、魔女ナジェララの知識の面が大きい。

 歴史を見てきたナジェララの知識で、細部まで細かく解説してくれる。

 姿勢に気をつけながらしゃなりしゃなりと階段を上り続ければ、さすがの私も慣れてくるけれど、同時に勉強はなかなかきつい。

 それでも、フォルテに『キミは淑女教育を何年もサボっていたのだから』と言われるとぐうの音も出ないのよね。

 本当に、その通り過ぎて。


『さあさあ、次は外交の話だよ。隣国オージェとこの国は主に塩となにを交易で交換しているでしょうか!』

「え! えーとえーと……!」

『足並みが乱れてるよ! 優雅さが足りない! このくらい即答できなくてどうするの! ほらほら、しゃんと前を向いて! 俯かず微笑んで!』

「ひいいぃっ! は、はいいぃ!」


 ……本当に厳しすぎません?

 でも塩と……なにを?

 えーと、でも待ってね、ちゃんと教わってるはずなので。


「あ! 思い出しました! オージェ王国からは塩と塩漬けの海産物。我が国からは香水や化粧水、薬品類に石鹸、ボディクリームや香油などなど、植物由来のものが多く他国へ輸出されているんですよね」

『正解! この国クレプディター王国の女神フリーデは“花の女神”と言われていて、他の国よりも花々の育ちやすさが段違いなんだ!』


 へぇー、そうだったのね。

 さらにフォルテは『女神の祝福は他の国に行って試練を受けても授けられるよ!』とか『他の国の女神にも二つ名があり、それぞれ土地に与える影響が違うよ!』などなど王宮で教わっていなかったことも教えてくれた。

 世の中知らないことばっかりね。


「ナジェララ様はどんな女神様だったんですか?」

『女神だった頃のナジェララも“花の女神”と呼ばれていたんだ! この国は“花の女神”が守護女神として司っているからね!』

「まあ、そうなんですか」

『しかし代替わりはどうしてもしてしまうんだ。女神は恋に恋して愛を愛する、厄介な性質でね。これは他の国の女神も同じさ! そうして人間の男に惚れ込み、妊娠すると“堕落”したとされ、魔女に転換してしまう。生まれた赤子が次の女神となり、魔女と化した母が死ぬとその魂は娘が妊娠した時に生まれる——そう、次の女神となる』


 そうして循環していく“母”と“娘”。

 なんというか、因果が強いのね。


「でも、それだと魔女が二人に増えたりはしないのですか? たとえば、魔女がまだ生きている間に女神様が妊娠した時などに」

『ノンノン! 魔女が生存中に女神が妊娠したら魔女は消滅して、強制的に女神の腹の中に魂を転移されるんだ』

「ひえ……」


 魔女の扱いが! あまりにも、雑では!?

 つまり女神は必ず常に世界に存在するけれど、魔女は女神の都合で強制的に消されることもあるのか。

 まるで魔女は女神のストックのよう……。

 ナジェララ様もフリーデ様が恋をしたら、いなくなってしまう……?


『女神と魔女は顔いい男が大好きだ。試練を受けにくる男を品定めしては、その男の子どもが顔のいい男に育ちそうな時は特に強い祝福を与えると言われているぞ』

「ええ……? な、なんですか? それ……」

『イングリスト・クレプディター王子は強い祝福だ。周りの幸運を吸い取るほどに。ナジェララが言っていたことを覚えているかい? 女神フリーデは男に色目を使う半人前って』

「え……」


 そういえば……ナジェララ様は言っていた。

 ——『フリーデはあたしに似てるから、きっとあんたを欲しがるよ。あたしがその娘の父親を欲しがったのと同じように!』

 女神フリーデ様は、イングリスト様を……伴侶に望まれる?

 そんなこと、あるのだろうか?

 確かにイングリスト様は本当にお美しいけれど、祝福がそんな……男選びに使われているなんてそんなばかな。


「ホントにそんなことがあるのでしょうか?」

『ほらほら、言葉遣いが崩れ始めているぞ!』

「ひぃ! ……そ、そのようなことがあるのでしょうか?」

『姿勢も!』

「んんん」

『つらそうな顔をするのも淑女としてどうなんだー?』

「ふえええええ……!」


 試練は試練だけど試練の中身が違う気がするー!

 しかもフォルテはナジェララの魔法を送ってもらえるらしい。

 足が痛い、と感じた時にはすでに治癒されている。

 お、鬼!



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