決意の答え。
クリスの腹黒さ満載な話となっています!楽しんで頂けたらな。と思います!
近ずいてきたのは国王陛下と女王陛下だった。
「父上、母上!?」
クリスは驚いたような顔をしたあと、後ずさる。
「つっ…。誰だ。呼んだのは。」
クリスは誰が国王陛下と女王陛下を呼んだのか、問いかける。
「私ですわ。」
凛とする声でシアリカが言った。
「そんなっ…。お前ごときが王族に…。」
クリスはもう偽物の笑みを浮かべることも忘れ、怒りを顕にした顔で言う。
「クリス。お前には失望した。ついてこい。」
そう言ってクリスを会場から出そうとするが、
「誰が従うか!」
だが、クリスは頑として譲らない。
「抑えろ。」
国王陛下が、聞いたこともないような低い声で告げる。
「嫌だ。リーナは俺が好きなんだよ!シアリカは虐めをして…。」
騎士に抑えられながらクリスは会場を出ていく。騎士に連れていかれながらも、彼は独り言のように呟き続ける。なんだか、
とても嫌な思いをするような言葉を発しながら、会場から去っていった。女王陛下が去り際に、
「ごめんなさいね。しっかりと常識を教えておくから。どうぞ許してね。」
そう言って女王陛下はウィンクした。なんだかそのウィンクに嫌な予感を覚えつつも、まぁ。当然だろうと思って深く考えないようにした。
騎士に抑えられ、会場の外へ連れていかれる。
「離せよ。おいっ!王族の命令が聞けないのか?」
どんなに叫んでも騎士は表情ひとつ変えることも無く寮棟の近くの応接室へと連れていかれる。
「クリス。なにがあったのかね?」
「はい。リーナと俺は婚約したかったのですが、シアリカが邪魔だったので、排除しようと、シアリカと仲が良かったグリス令嬢達を脅し、虐めるよう仕向けました。大体はそのような感じです。」
俺は隠しても無駄だと全て言った。
「それだけで?リーナ嬢とシアリカ嬢を虐めたのかい?」
父上がそう問いかける。
「いいえ。リーナは虐めていませんよ?」
実際。俺はリーナを虐めていない。虐めたのはグリス令嬢達だ。
「俺は悪くないですよ?」
鼻で笑って答えてしまった俺に父上は
「お前は。本当に失望した。己の欲望のために権力を振りかざすなど、王族の恥さらしだ。」
「そうですかね?」
意味がわからず首を傾げていると、
「もう。あなたは王族ではありません。」
母上に頬を叩かれた。痛みに思わず頬を抑えると、
「常識というものを知りなさい。」
そう言って2人は部屋の鍵を閉め、部屋を出ていった。
俺は2人の出ていった扉を見つめることしか出来なかった。
「シアリカ!おはよう。」
「おはようございますわ!リーナ」
翌日。私たちは並んで寮棟の出口に向かって歩く。
「あの後は何も無かった?シアリカ。」
「ええ。特になかったですわ。」
「良かったぁ…。クリスが仕返しに来たらと思ってしまって。」
そして、出口までたどり着くと、
「行きましょうか。」
「そうね!」
シアリカと2人話しながら、私たちは出口を通った。学園の外に出ると、私達はスイーツ店に向かった。
「ここ、有名なのよね!」
「そうなのよね〜とっても行きたかったのよ!」
シアリカは目を輝かせてスイーツ店のショーケースを覗いている。
私達は学園で休日にスイーツ店へ行こうと話していたのだ。本当は昨日に行くつもりだったけれど、会場へ行くことになってしまって、行けなかったのだ。楽しみにしていたスイーツ店に行けなくなって、私達2人は不機嫌だったのだ。だから…。あんなに怒ってしまった!…。そういうことにしておく。
「どれにする?シアリカ」
「うーん。いちごとブドウのパフェも美味しそうね…。でもこっちも…。」
シアリカが悩んでいる間に私もメニューも見てみる。
・いちごパープレア
・チョコレートとイチゴのパフェ
・スイーツスペシャル
…。
最後のなんだか前世でいう、店長のきまぐれの様なメニューがあった。気になったので注文することにして、
「シアリカ…。決まった?」
「うーん…。」
まだ悩んでいるようなので、他に美味しそうなものを進めてみる。
「これはどう?」
「マスカットパフェ…。いいわね!」
そして。私はスイーツスペシャル、シアリカはマスカットパフェを頼んだ。
「わぁあ。美味しそうね!」
シアリカは暫くしてきた、マスカットパフェに目を輝かせる。
「リーナのはまだなのかしらね。」
「ええ。そうね…。」
そんなことを話していると、
「お待たせしました。」
私の頼んだメニューがきた。
「わぁあ!」
思わず、先程のシアリカのように驚きの声を上げてしまう。
運ばれてきたパフェには、イチゴがたくさん入っていて、その上に蓋をするようにクリームが乗っていてその上にチェリーが乗っていた。
「きっ…。綺麗!!」
私が感想を言う前にシアリカが乗り出してきた。
「食べる?」
あまりの乗り出しように私が尋ねると、シアリカはこくこく頷いていた。
「シアリカって食べるのが好きなのね。」
小皿を貰ってきて、シアリカに分けているときに訪ねてみると、シアリカは照れたように
「そうなの。小さい頃から大好きでね!」
「そうだったのね!」
学園の外に出ると、私達はスイーツ店に向かった。
「ここ、有名なのよね!」
「そうなのよね〜とっても行きたかったのよ!」
シアリカは目を輝かせてスイーツ店のショーケースを覗いている。
私達は学園で休日にスイーツ店へ行こうと話していたのだ。本当は昨日に行くつもりだったけれど、会場へ行くことになってしまって、行けなかったのだ。楽しみにしていたスイーツ店に行けなくなって、私達2人は不機嫌だったのだ。だから…。あんなに怒ってしまった!…。そういうことにしておく。
「どれにする?シアリカ」
「うーん。いちごとブドウのパフェも美味しそうね…。でもこっちも…。」
シアリカが悩んでいる間に私もメニューも見てみる。
・いちごパープレア
・チョコレートとイチゴのパフェ
・スイーツスペシャル
…。
最後のなんだか前世でいう、店長のきまぐれの様なメニューがあった。気になったので注文することにして、
「シアリカ…。決まった?」
「うーん…。」
まだ悩んでいるようなので、他に美味しそうなものを進めてみる。
「これはどう?」
「マスカットパフェ…。いいわね!」
そして。私はスイーツスペシャル、シアリカはマスカットパフェを頼んだ。
「わぁあ。美味しそうね!」
シアリカは暫くしてきた、マスカットパフェに目を輝かせる。
「リーナのはまだなのかしらね。」
「ええ。そうね…。」
そんなことを話していると、
「お待たせしました。」
私の頼んだメニューがきた。
「わぁあ!」
思わず、先程のシアリカのように驚きの声を上げてしまう。
運ばれてきたパフェには、イチゴがたくさん入っていて、その上に蓋をするようにクリームが乗っていてその上にチェリーが乗っていた。
「きっ…。綺麗!!」
私が感想を言う前にシアリカが乗り出してきた。
「食べる?」
あまりの乗り出しように私が尋ねると、シアリカはこくこく頷いていた。
「シアリカって食べるのが好きなのね。」
小皿を貰ってきて、シアリカに分けているときに訪ねてみると、シアリカは照れたように
「そうなの。小さい頃から大好きでね!」
「そうだったのね!それじゃあ。私もお菓子作り始めてみようかしら…。」
すると、シアリカはまた目を輝かせたので、今度作ってみようと思った。
「楽しかったわね!」
いつになく明るい声でシアリカは言う。帰り道。私達は会話をしながら帰っていた。
しばらく歩いていくと、寮の入口が見えてくる。「またね!シアリカ」
「また明日にね。リーナ」
2人で別れ、寮への廊下を歩く。すると、誰かの怒る声が聞こえてきた。
「おい!戻せ!」
歩くにつれ段々と誰か分かってきた。その怒る声の主は、今、部屋の護衛の騎士に怒鳴っている、クリスだった。
「なんでだよ。俺は王族だ!そうだろう?」
どんなに怒鳴っていても、騎士は見向きもしない。護衛はもう、守るものはないと言うように、去っていった。
「嘘だ…。平民?意味が分からない。」
まだ未だに権力を振りかざして威張っている様なクリスに再度怒りが込み上げてきた。
「あなたも平民になればそのうち分かりますよ。クリス。」
私はその言葉だけを口に出して、寮の部屋へと戻って行った。
「リーナは俺の味方だよな?」
クリスの呟きが聞こえてきたが、私は聞かないふりをした。
「嘘だ。なんでなんだよ!」
俺は目の前に父上と母上に訴える。意味が分からない。
「お前は権力に頼るあまり、王子たるものの礼儀すら失われています。あなたは平民になって、学ぶべきです。」
「でも!俺の、国をまとめるのはどうするんだ?第2王子のデリスがいるが、体が弱くて、外にもろくに出られないんだろ?」
「デリスが無理なら妹がいるでしょう。第1王女メズリナーアに任せますよ。」
「王子以外、男児以外、国をまとめるものなどいなかった!」
どんなに叫んでも、怒っても、何も聞く耳を持たない。
そして遂には、
「部屋を出るんだ。」
言われた通り、部屋を出ると、
「このお金と今からメイドに案内させる家で、暮らしていけ。」
「は?おい!戻せ!」
「クリス。こちらでございますよ。」
メイドが様づけもせずに案内しようとしてくる。
「なんでだよ…。」
「何か言いましたか?」
「俺は王族だろう?」
目の前の護衛の騎士にしがみつく。 どんなに訴えても騎士は聞く耳を持たない。そして遂には騎士は去っていってしまう。
「あなたが平民になれば、そのうち分かりますよ。」
リーナの声が頭上から聞こえきた。その声に急いで顔を上げるとと、リーナも、既に去ってしまっていた。
「リーナは、俺の味方だよな?」
思わず声を出してしまう。だけれど、リーナは聞こえていないの振り返らずに去っていってしまった。
「おはよう。シアリカ。」
今日も同じようにいつもの廊下を歩いていく。教室に着くまでに、今日見た夢を思い出す。
「シアリカ。君は人を虐めるのかい?」
「私が何か?何もしていませんですわ。クリス様。」
「そうやってとぼけるな。証拠だってあるんだ。」
そう言って、あの日。私が見た写真と、もうひとつの、主人公をいじめているシアリカの写真を出す。
「言い逃れはできない。」
「だって…。婚約者である貴方は私に何もしてくれていなかったじゃない。」
そう言ってシアリカは泣き崩れるのだ。
そんな前世のゲームの夢だったが、なにか引っかかるものがあった。もちろん。前世でプレイしたゲームではしっかりとシアリカは、主人公を虐めていた。だけれど、このゲームでの世界と、この世界。そのクリスとの印象が違いすぎて、何か、クリスが変わってしまうような事があったのかと思ってしまう。
「どうしました?リーナ。」
考え事をしていた私にシアリカは心配そうに顔をのぞきこんでくる。私は今考えていたことを振り払うように首を振って、
「大丈夫よ。」
明るくそう伝えた。この後、何も無いことを願って。