夜の道を
すいません。前話にクリスについての閑話1話を追加到致しました。そちらを見ていただければ、今回の話の辻褄が会うかと思います。お手数かと思いますが、見ていない人は見てください。お願いします。
それからは何事もない、シアリカという親友が居る、楽しい日常を送っていた。
私がシナリオ外の行動を、シアリカと仲良くするなど繰り返していたからか、悪役令嬢断罪イベントが学園卒業まじかだったはずだが、学園の卒業の3ヶ月前くらいまでに縮まっていた。
シアリカが何故こんなにもゲームと違うのか疑問に思うけれど、私は、この世界の1人の親友として、接することにしてそのことは考えないようにした。
そして…。あれからクリスとは会っていない。学園も休んでいるようで、寮でも、学園でも会えない状況となっていた。
『私は親友を傷つける、道具みたいに使う奴なんて、好きじゃない!』
思い出して、なんだか、変な言葉だったか、やシアリカに急に親友と言ってしまったという、言ったあとも味わった恥ずかしさが込み上げてくる。
慌ててそれかけた思考を戻す。私があの後、寮の部屋に戻って考えていたこと、そのひとつはたとえ、クリスがシアリカを傷つけたんだとしても、私を「好き」と言ってくれたことに感情的になってしまったとはいえ、あの返しは良くなかったと思った。
そして、最終的に出した結論は学園で会ったら謝ろうということだった。
なのに…。あれから2ヶ月。クリスには会えていない。
どうしたのだろう。私のせいかな…。という暗い考えが、私の心を暗くさせる。
「はぁ…。」
思い出して溜息を吐くと、
「何よ。どうしたの?」
シアリカがどこか心配そうな声色で聞いてきてくれた。私は
「大丈夫よ。」
と答えると、シアリカが不満そうな顔で、
「全然そうじゃないわ。」
と言った。やっぱり、シアリカは分かるのかなと思ってしまう。
それに少し嬉しく思いながら、考えていることが分かりやすいのかもしれないという事も考えしまい、恥ずかしくなる。
「何かあったのよね。話してみて。」
私は先程の会話の後、カフェテリアでシアリカと事情を話すため、食事もすることになった。
「ええとね…。」
私は説明が下手だ。それは前世からで、国語の授業が苦手だったのも原因だったのだろうが、私は説明や言葉選びが下手だった。
初めは改善しようと家族の前で説明の練習をしたりとしていたが、全く上達の見込みがないので、もう開き直ってこのまま、下手のままでいることにしたのだ。
それが今仇となって、うまくシアリカに説明できず、少し時間がかかってしまった。
「そうなのね…。」
それでもシアリカは急かさず聞いてくれた。
「私が言うのはなんだか変だと思うけれど、あの王子最低だからもう近づかないほうがいいわ。」
「えぇ…。」
「皆さんもそう思いますわよね。」
シアリカがそう言うと、皆口々に
「そうね。」
「そうだな。」
と皆が口にしだした。
「そうですか。うん…。そうですね!皆さん、ありがとうございます!」
確かにその通り…。なのだろうか。もしかしたら、シアリカを傷つけた事に後悔して、寮の部屋に篭っていたりするのかもしれない。本当に、何もしなくていいのだろうか。私の疑問は残っただけだった。
「おはようございます。リーナ」
「おはよう。シアリカ」
今日も同じ教室に続く寮の道を歩いていく。教室へ向かう道は男子の寮の前も通るので、そこで私は1度。立ち止まる。
「ごめんなさい。先に行っていてくれるかしら…。忘れ物をしてしまって。」
「わかりましたわ。リーナ。」
シアリカは快く受け入れてくれた。私はその事に少し申し訳なさを感じながらも、シアリカの背中を見送ったあと、私は男子寮への道を歩いてく。そして、1つの扉の前で立ち止まる。ノックをしても、返事がない。
「リーナです。」
試しに名前を名乗ってみると、
「どうしたの?」
と声が聞こえてくる。その声にいつもとは違うような若干の違和感を感じながらも、要件を話す。
「クリス。最近会えていなかったから…。学園も休んでいて、どうしたのかな。と思って。」
「あぁ。その事か。」
「大丈夫?」
クリスはなんでもない事のように答えるけれど、2ヶ月も休むだなんて、相当な事があったのだろう。もしかしたら私のせいかもしれないと思う所もある。そのため、今日止められたとはいえ、ほっとけず、来てしまったのだ。
「大丈夫だよ。リーナには問題は無いから…。」
クリスの私には問題がないというその言葉にも違和感を覚えた。
「ほら。もう行かないと遅刻になってしまうよ。」
クリスは優しく、ドア越しに話しかけてくれた。その言葉に時計を見れば残り3分で遅刻になってしまう時刻だ。
「いけない!クリス、何かあったら言ってね。」
それだけ残して、私は男子寮を後にした。
「間に合った〜。」
私が自分の席で安堵のため息を漏らしていると、シアリカが
「良かったわね。忘れ物は持ってこれた?」
「ええ。どうにか持ってこれたわ。」
私が答えるとシアリカはほっとしたような顔をしてくれた。
「ありがとう。」
初めはシアリカにはなるべく近づかないようにと、きっとゲームと同じ、性格が悪いんだろうな。と思って近づかないようにしていた。
私は最初の頃に思い出したゲームでのシアリカについて思い出す。
『リーナ様。私の婚約者にあまり触らないでくださる?』
『まぁ。やめて下さる?私はいじめなどしていなくてよ。そのような事をして何になるの?』
『何をしているのですか。リーナ様。私の婚約者とダンスなど…。この国では婚約者がいる方とダンスとは良くないですわよ。』
今、思い返してみると、主人公、リーナとクリスがおかしかったように思える。シアリカは当然のこと、国での貴族のルールを教えていただけで、何もしていない。だけれど、それに比べて今は私だけれどリーナは、目の前の恋に夢中で何も周りのことを考えていない選択肢などしか無かったように思えた。クリスも同じような感じだ。それは製作者の意図なのか、それは分からないが、ここはゲームではなく、現実の世界だ。
たとえゲームのシアリカが少しキツかったとしても、シアリカはこの世界の人間でしっかりと意志を持っている。クリスだって同じで、たとえシナリオに基本的な性格などは決まっていた時でも、彼もこの世界の1人の人間できちんと感情などもあるのだ。リーナと結ばれる関係にあろうとも、彼の考えと私の考えがあっていなければ私はクリスと向き合えない。
その事実は変わらなくて、その事実があっても、私は変わらず、1人の人間として接しようと考えていた。私が記憶を思い出して最初の頃に思いを馳せていると、
「何ぼーっとしているの?」
と、声をかけられた。声の主はシアリカで、
「きちんと講義を聞いていたの?」
と、少し不機嫌そうな声で言った。
「あ。」
私は自分のノートと、時計を見て固まる。
もう講義は終わっていて、午後の講義にはいるため、食堂へ向かう人たちがいた。
時間はそこそこ経っているようだが、ノートは空白。何も書いていない。
「やっぱりね…。」
シアリカは呆れながらも自分のノートを見せてくれた。
「ありがとうぅ…。」
私はその事にとても感謝したのだった。
夜。私は部屋の前にあった手紙に書かれていた通り、人通りの少ない通路を進み、カフェテリアへ出る。
「来たよ。クリス。」
「あぁ。来てくれたんだね。ありがとう。リーナ。」
彼。クリスはそう答えると、いつも見なれていた優しい笑顔を向けてくれた。