TSロリ兄はたんこぶつくりました
TSロリ兄は二話目ができました。おい、気長に待ってって言ったのだれだったよ。
むくり。
一体俺が二度寝をはじめてからどれだけ経ったかはわからないが、起きた。まぁ、起きるときは普通に起きるのがにんけだろうから、当然っちゃ当然か。まぁ、いつも通りに二度寝から覚めたってことだ。
「ぁー、いま、なんじぃ・・・?」
枕元の目ざまし時計に手を伸ばす。デジタルではないので、ひんやり冷たい金属の感触が手に伝わってきた。鳴らすとただただうるさいだけなんだけどね。だってジリリリリ!ってかんじの大音量が鳴るからさ。母に『うるさいからやめなさい』と言われて以来妹が(いやそうな口調で)起こしにくるようになったため、ただの時計と化している。
「ん〜?くじ・・・え、は?9時?9時!?嘘だろおい!?」
大遅刻だぞおいおいおい!もう一限の授業はじまってんじゃん!
慌てて跳ね起きながらベッドから飛び出・・・ようとして。
ドンッ!
「ふぎゃあ!」
いっそ綺麗なまでに、床に頭からダイブした。足に何かが引っかかったらしく、それでもつれてこけてしまった。
態勢を直して頭のてっぺんをさする。なんかボコって膨らんでる気がする。すごい痛い。めっちゃ頭に響く。・・・でも、顔面じゃなくてよかったわ。顔面強打とかシャレにならへんわ。
「大丈夫ー?すごい音したけどー」
もうノックさえしなくなった妹が無遠慮に侵入してきた。
「わー、随分おっきいのつくったねぇお兄」
は?おっきいって・・・まさかそんなにアレがデカくなってたのか!?
「ウソだろ?え、い、一体どれ位・・・?」
「う〜ん・・・マンガで見るようなサイズ?」
「なっ・・・!?」
現実を直視したくないがために視線は動かさないが、どうやらかなりやばいっぽい。
「ど、どうやっておさめよう・・・」
「え?さすってればいいんじゃない?」
「さする!?ここで!?」
「え、それとも薬塗っとく?」
「は?薬でなにすんの?」
「たんこぶに塗っとけば痛みやわらぐかなーって」
「っ!?あ、ああ!たんこぶ、たんこぶね!」
「どしたの兄」
「あはは、いや、なんでもない」
言えねぇ。いつも通り起きたと思ってしまっていたために、おっきいのとやらを、その・・・男子のアレと勘違いしてた。そうじゃん今の俺幼女じゃんあんなんついてないじゃん。こんな勘違いしてたとか恥ずかしすぎて言えるわけねぇだろ。
「・・・穴があったら入りたい」
「頭隠してなんとやらじゃなくてたんこぶ隠してなんとやらってこと?」
「ハハハ・・・」
「って!そんなことより高校!やばい、遅刻遅刻、ぅ?え、どうしよこれ。学校行けねぇじゃん・・・」
「そーだねー・・・とりあえず、欠席の連絡したら?」
「あ、おう。そうだな、うん」
普段はちょっとおバカキャラ寄りの妹の方が冷静だったことに多少のショックを覚えつつ、充電器に繋いだままのスマホを手に取る。今の時代は便利になったもので、簡単に欠席の連絡ができるようになっていた。小学生の頃はわざわざ電話が必要だったのが懐かしい。
入学式の日に配布されたQRコードの紙を持ってきてスマホに読み取らせ、入力フォームを開く。ふむふむ、まずは学年組番号、と。1年の・・・・・・・・・うし。次は名前、と。亜方乃 創司、と。うんOKだな。次、理由か。うーん・・・
「なぁ、理由ってどうしたらいいと思う?」
「・・・とりあえず体調不良にしといたら?」
「まぁ、それが妥当か」
体調不良のためっと。
その後、残りの細かい回答欄を埋めて、送信ボタンをタップする。
「ふぅ、学校の方はなんとかなったか・・・って、アレ?なんでお前学校行ってないの!?」
今更気付いた。妹は中学生である。つまり、ばっちり学校の日なのだ。え、なぜに?
「母さんから兄の面倒見といてって言われた。だから仕方なく」
「母さんは?」
「仕事」
おいこら母上。息子の一大事でも仕事優先たぁ恐れ入るぜ。
「というわけで、兄」
「なんだね妹よ」
「・・・はやく準備して」
「え?」
「病院行くよ」
「ふ、服は―――――――」
「コレ着ろ」
「ア、ハイ」
妹の眼力に屈しました。怖いです、はい。
ちなみに、いつの間にか用意されていた俺用の服は、ちゃんと女児用のやつだった。
いや、ちょっと待って?今からコレ着るの?マジで?嘘だろ?え、いやホントに待ってそれはいくらなんでも頼むからぁーーーーーーーーー!?
一話で何気に鍵かっこ内の一文字目を縦読みするとおはようになるところをつくったことに気付いてくれた方はいらっしゃるのかな・・・
評価等、よろしければお願いします!