第4話 爆発事件
またまた遅くなってしまいすみません。
自分も頑張ってるんですけど、思いついてもそれを文字におこすのがとても苦手で……。でも失踪する気はサラサラないのでスローペースで頑張ります。
前書きはこれまでに。 第4話をお楽しみください。
*誤字などありましたらご報告ください。
事件から次の日、昨日の今日で部活は全部休みになった。学校で起きた事件を日曜日に再調査することになっている。調査は時間がかかる可能性があり予備として月曜日も休みになった。
次の日………(2021年 4月29日 午前6時)
目覚まし時計の音が自分の部屋に響き渡る。それを押して止めた。それから10分が経つと「翔〜〜!!起きなさ〜い!!!!」という大きな声が家中に響き渡った。
「……ん…?」
重いまぶたを開き2階の自分の部屋から降りてくる。1階のリビングに行くと翔の父と母がテレビを見ながら朝食を食べている。
「昨日の学校のことニュースになってるな……。」
「狂乱師団って所の可能性があるんでしょ?軍や警察も対応するのは大変そうねー」
そんなことを話していると翔は2人がいるテーブルの椅子に座っていた。━━━いただきます。そう言って食べ始めると会話を始める。
「お父さんとお母さんが強いってこと昨日初めて知ったなー、」
翔は2人を見てそう言うと2人は大きなため息をついた。
「翔は昔から本当に鈍感だよな」
「ええ、私たちの正体がバレたらどれだけびっくりするのかなーって思って隠し続けて、もう約15年はたってるのよ?どれだけ鈍感なのよ……翔は」
「それはえーと……あはは(^^;」
乾いたような笑いが口からこぼれる。
「あのさー昨日話してた軍の総隊長?って言う人にお父さん電話してなかった?」
露骨に話を変えたがそれには業は反応せず、翔の疑問に応じた。
「ああ、その通りだ、軍の総隊長と電話してたんだよ。今軍が追っている組織だったからね。」
スラスラと言っているが実際は軍の総隊長と電話をしているその時点でおかしいのである。
「さ、流石元アルタークラスとプラチナクラス凄すぎて言葉が出てこないや……」
その話を聞いて苦笑いになっている翔を見て母である冥華と父である業は笑っていた。
場所:国アルター 区域??の路地裏
フードを付けている者たちが7名いた。そのフードには分かりやすく“印”がフードの左横に付いており、全員コートも来ているようである。薄暗いその路地裏で何者かを待っているような素振りである。
「はー、この路地裏で集合と言ってたやつが1番遅いとかあるか?普通」
組織名:オメガ
称号:O
コードネーム:捕食者
能力:あらゆるものを食らう能力
イライラしている様子の男に優しく声をかける女性がいた。
「大丈夫ですよー、捕食者。怪莉様はよく集合に遅れますが自分が言ったことは守りますので。」
ほんわかした雰囲気をした女性はそう答える。
組織名:メリッサ
称号:G
能力:悪夢を植え付ける能力
「……相変わらずだなメリッサ、お前はそういう雰囲気を出しているが実際は人を殺したいだけだろ。」
呆れたように答えた捕食者と呼ばれる男が言うと、メリッサと呼ばれる女性は狂気を感じる笑顔で「━━━もちろんでございます。」そういう言うとこの場は静まり返った。そのまま沈黙が続くと路地裏の入口から足音が聞こえる。7名は臨戦態勢に入るがその顔を見るや安心したように臨戦態勢を解除した。
「わっはっはっ!!すまん遅れた!!!」
その元気な声が路地裏に響き渡ると7名のうち3人が焦り7名のうち3名が呆れていて、残りの1人が殺気を出しながらその男を睨んでいた。
組織名:怪莉
称号:Q
能力:怪力を持つ能力
「お前いい加減にしろよ、お前が作戦考えたんだろ?予定から7分はオーバーしているが?」
殺気をたてている男がそう言うとさっきまで能天気だった男がこちらを見た。
「すまぬな!少し遅れてしまった。このとおりだ!許してくれ。干夜」
頭を下げる怪莉に睨む干夜。
「その名で呼ぶな怪莉、次言ったら殺す」
殺気がさっきよりも増したことでこの場にいる者8名中5名は少し怖気づいている。
「………まあいい、この作戦に利用するやつはもう雅狩に行っているのか?」
「ああもう1週間前から下準備をして貰っているぞ!!」
大きな声で反応する怪莉を睨みつつ「━━めんどくせぇ」と言った。だが気持ちを切り替え後ろを振り向く。
「よし、ムアイ、ラーサ、メリッサ、鎮魂奏者、調節者、捕食者怪莉、最後の作戦を確認する。」
「「「 了 」」」
組織名:ムアイ
称号:A
能力:触った物を重くする能力
組織名:ラーサ
称号:B
能力:音を消す能力
組織名:礼斗
コードネーム:鎮魂曲者
称号:L
能力:死者を音によって操る能力
組織名:アンチ
コードネーム:調節者
称号:M
能力:力を調節する能力
今まで無口で喋りもしなかったもの達も反応し作戦を確認し始める。喋らなかった者達の考え、ムアイはこの場のメンツに圧倒され、ラーサは任務以外のことは喋らない、鎮魂曲者は頭の中で曲を演奏、調節者は自分の武器の調整の為である。
そして話し合いは終わる。怪莉が立ち上がり、
「ということで2区の田舎町、雅狩町で午後6時半に作戦開始だ!!!」
能天気に大きな声を出して言うと、「━━━了」といい他の者たちは最後の準備の為その路地裏を抜け、腕に付いている時計を触ると着ていたフードやコートは消え、その人にあった服装や街の雰囲気に馴染む格好と変わった。世界の光に蔓延り、世界の闇を支配する大組織、それが狂乱師団。今軍が追っている最重要警戒組織である。
場所:雅狩町
午後6時30分
辺りは暗くなり始めていた。住宅街ら辺には電灯が付いているが住宅街から離れて森方面に行くと電灯は少なくなっている。どんどんと近未来化している西側、例えば住宅街ら辺である所は高速道路など色々なものが増えていっているがその逆で東側は自然溢れる山々が多くある場所である。そんな町を窓から見ている翔は夜ご飯が近づいていることに気づき、階段を降りる。そしてリビングに着くと料理を作っている冥華と水色のビー玉のような物を持っている業。
「お父さん何それ」
「これは転移珠というものだ、軍の総隊長に昔貰ったものでな、自分の頭でイメージした場所を指定してこの転移珠に記憶させるらしい。それを壊すとその指定した場所に移動することができる代物だ。まあ行ったことある場所だけだがな。」
そういうと自慢するように翔に見せつけてくる業に冥華が「━━━意地悪しない!」と言うと業は静かなになった。
「なんでそんなの持ってるの?」
疑問を業に聞く翔
「ああそれはな」
そういいかけるとリビングの窓が吹き飛んだ。爆発によるもので、爆風が発生し、その窓のガラスが翔の頬を掠めた。
「翔!!!」
そう業が叫び、翔を守るように翔の場所まで近づいてくる。 爆発は止まらず凄い爆音が鳴り響き、建物が壊れ始める。2階が完全に崩れ上から落ちてくる建物を業は両手で支えている。冥華も上から落ちた建物を両手で支えている。すると業が落ちてきた建物を片手で支え直すとポケットから何かを取り出した。ビー玉のような形をしているさっきの転移珠というものだった。それを右手で持ち投げようとした時業は静かに言った。
「生きて会えたらいいな。」
「それってどういう」
翔がそう言いかけた時、一瞬でどこかに消えてしまった………
翔が消えたことを確認すると業は両手に支え直し両腕に力が入る。
「「ぶっ飛べ!!!!!!」」
そう叫ぶと業と冥華にさっきよりも力が入り上の建物を斜め方向に吹き飛ばした。
「力衰えてんな。」
「まあ最近トレーニングしてないし、能力渡しちゃったしね。」
「まあそうだけどよ」
業がため息をつき、冥華がクスッと笑う。そういった会話をした後周りを見た。住宅街の建物は吹き飛んでいたり、燃えていたり、地獄のような光景が広がっている。業と冥華もその光景を見るとさっきの優しい顔からいっぺん真顔に変わった。
「救出活動だ、バラバラで行くぞ。」
「分かってます。」
そう淡々と言って2人はその場をあとにした・・・
「ここは?!?!」
翔は辺りを見渡すとそこは公園である。そしてその公園は翔が何度も何度も来ていた。東雅狩公園という山の中の公園で、住宅街まで歩いて1時間、走って20分ぐらいである。あまり高い山ではない為、良く心や弥里、楓などと一緒に来ている場所である。
「くっそ、さっさと戻らないと……っ!!!何が起きてんだよ!!!」
公園をダッシュで出て、その山を降りながら叫ぶのだった。
無我夢中で走って走って走り続けると流石に山を全力ダッシュで10分以上下るとに足にきたのか翔は止まってしまった。呼吸は荒く、今にも倒れそうにフラフラとしている。辺りを見渡すと道中は暗くなりもうほとんど見えない、遠目から町の様子は火の海のような状態になっており建物はその業火によって崩れていっている。
「皆……大丈夫なのか?」
苦しそうな顔をしながらゲホゲホと咳き込む翔。自分の家族や友達を失う訳にはいかない。その一心で走り続けようとするが翔の身体はいうことを聞かず動けない。
「はぁー、はぁー、はぁー」
息を吸い呼吸を整え下を向いていた顔を上に上げると前から声がした。その声はよく聞いている、声で1人は男、もう1人は女の子の声だった。段々と顔が見えてきた。心と楓だった。心はやっと見つけたかのような安心した顔になっている。だがその心の背中に乗っていた楓の顔が涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。楓は呼吸を荒らげていた。
「お前なんでこんな所にいんだよ!!」
心が呼吸を荒くしながら言うと、その訳を心に説明する。楓は泣いていた為、後で説明することになった。楓は呼吸を整え、涙や鼻水を拭いている。10分すると楓も落ち着いてきた。楓がなんで泣いているのか、翔がなんでここにいるのか、心はどうして楓を抱えていたのか、ということをみんなで話した。楓は家の中にいた時、爆発が起きた。その時に建物が崩壊した結果お母さんとお父さんが楓を庇い死んでしまったらしい。自分が外で泣き崩れていた時に心が来て自分を背負い、ここまで連れてきてくれたらしい。
「……嘘だろ?なんで楓の両親が死なないといけないんだよ!!!」
「……俺も信じられないよ。だけど今現実として起こってるんだ。翔も見たんだろ?爆発して自分の家が崩壊したのを……」
「っ………」
心にそう言われ、顔を顰め拳を強く握った。それが悔しさからなのか、怒りからなのか翔自身も理解できなかった。
今はそんなことを考える暇はないと必死に思考を切り替える。
「なんで心はそこを通ったんだ?」
心は重い口を開いた。心自身あまり話したくないのだろう。
「・・・それはな俺のお母さんは家に居て、お父さんはゴミ捨てに、俺は犬の散歩に行ってたんだけどその時に爆発が起きたんだ。そして………」
心がそう言おうとすると心までポロポロと涙がでてしまった。
その姿を見た翔は理解してしまった、心の愛犬、紅丸が爆発に巻き込まれ死んでしまったのだということに……。両者の事情を聞き暗い表情になる3人。沈黙が続くと、涙を拭いた心が喋り始める。
「・・俺達が動くことによって助けられる命があるかもしれない。過去は悔やんでも戻ってこない、だから現在ある命を助けるんだ。」
決意を決めた心と言葉に頷く翔と楓。だが翔はある言葉を発した。
「楓は待っとけ」
「なっ、なんで!!」
「お前の能力は戦闘系の能力じゃない。【花言葉の力を扱う能力】とか言ってただろ?だからさこの場に来た人の怪我を治してあげて欲しいんだ。お前の能力でさ」
翔にそう言われた楓は自分も行くとは言えなかった。そして「分かりました」と言いここに残ることになった。だが心は知っている。何故楓と一緒に行かないか。理由は1つ、この中で1番精神的にきているのは楓だということに気づいているから。頑張って笑おうとしても出た笑みは引きつっている。そんな精神的に不安定な楓を連れていく訳にはいかないからこそこのようなことを頼んだと心は分かっている。
「翔さん……心さん……絶対に帰ってきてくださいね!!!」
「「ああ!!」」
翔と心は楓に別れを告げそこから走り出す。
「お父さん、お母さん、弥里。皆無事でいてくれよ?!」
翔はそう言ってその業火で燃える町に向かって走り出すのだった。この後に待っているものも知らず………
どうも山下 海です。
今回は第4話を見ていただきありがとうございます。
前回もお話した通り、作中ではあまり説明されていないことについて解説していきたいと思います。今回は1つです。
今回解説するのは狂乱師団についてです。前回や前々回に登場した組織ですが今回の4話では結構な数の狂乱師団のメンバーが出てきました。その狂乱師団の称号について解説します。少しですが……。狂乱師団では称号がA〜ZまでありそれがZに近づいていくと位が高くなります。そしてその称号は層で分かれていてA〜Iまでが下層部。J〜Pが中層部。Q〜Vが上層部。W〜Zが最上層部となります。中層部には今回出てきたコードネームというものがあります。このコードネームは能力から取ってきているものなんですよねー。この狂乱師団という組織がこれから物語にどのように関係してくるか見ものですね。
それでは次回もお楽しみにー