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能力世界(スキルワールド)  作者: 山下 海
始まりノ章 絶望編
3/17

第1話 ある事件の1日前



大昔にこの星は光に包まれた。

その結果、異能の力、別名【能力】というものが世界に溢れてしまうようになった。人々の中で世界人口の約5割が能力をもっている者、能力者(スキルヒューマン)、4割が能力を持たない者、人間(ノーマル)。残りの1割は能力はないが身体能力が能力者と同じく高い、半人者(ハーフヒューマン)。という様々な人間が生まれるようになっていった。

大昔に存在していたとされる様々な種族。精霊、悪魔、妖は光に包まれてから姿を見ることはほとんど見なくなってしまった。


「翔ーー!起きなさい!」


目付きが鋭いが優しそうな女の人が大きな家に鳴り響く程の声で名前を呼ぶ。


この家は2LDKのデカさで周りの家よりも大きく一際目立っている。ここら辺の場所は住宅街になっているがこの場所からそこそこ離れた所に田んぼがありいわゆる田舎と言われるところである。

この町はそこまで広くなく住宅街を外れたら田んぼが広がるのどかなところである。

「ぁぁーーー…………ん〜〜!!」


小さな声で大きな欠伸をした後背伸びをする。

「今日………金曜日か……」


少々機嫌を悪そうにして部屋をでていく。

2階の自室から1階のリビングまでトコトコと歩いて行くと父親と母親の姿があった。

(今日は和食だな普通に嬉しいけど父さんがいるのは珍しいな、なんかあったけ?)


「「おはよう」」


お父さんとお母さんが翔の姿を見た時おはようと声をかけた


「おはようございます」


お父さんとお母さんの挨拶が終わった後続けて翔も挨拶を返した。挨拶が終わったあとテーブルに座り朝食を食べ始めた。


「お父さん…なんで今日朝からいるの?」


朝食を食べ終わりずっと疑問であった事を聞いた、今日は学校があるが今の時間は午前6時20分 時間はまだまだ余裕だ。


「今日はボランティアの活動はやらなくていいと言われたから休みだよ」


お父さんの名前は神木 業[かみきごう]という名前でお母さんは神木 冥華[かみきめいか]という。

お父さんは優しくもあり厳しくもあったがその厳しさは自分の為に言っていることは僕も分かってる。

それよりも優しい面が全然多いのだが…

━━前の仕事の癖で……

と言ってここら辺の地域の人のボランティア活動をすることが良くあることである。お父さんは昔軍人で人助けを主にしていたとお母さんから聞いた。


だからこそお父さんは仕事の癖と言ってしまうんだと思う。だがお父さんがどれほど強いのかは知らないしお父さんから軍人時代のことも聞いたことがない。もしかすると相当強いのかもしれない……


お母さんはお父さんと同じで厳しくもあって優しくもあった。怒られるととても怖いがお父さんと一緒に良くボランティア活動をしている。

お母さんも軍人をしていてそこで知り合い付き合い始めたらしい。それはお母さんが頬を赤く染めて話していたのでまああっているだろう。


お父さんとお母さんの能力は聞いたことがない。聞いても聞いても━━そんな強くない能力だから言わないと言って全然教えてくれない。そこまで弱いの?とも考えたがまあいいやと思う。

まあお父さんやお母さんのことは尊敬しているし、なりたい未来像としてしているけどね。


他愛もない会話を続けると刻一刻と時間が過ぎていき・・・


「あっやばい!!」

翔が家の時間を確認するともう既に

午前6時40分


まだ制服にも着替えていない状態だからか自分の部屋である2階まで制服や今日の時間割を確認、準備するために急いでリビングを出た…………


翔が2階に行くと2人が話し始めた。

「大きくなったな〜翔も」

「まあもう中学3年生だからねー」

時が経つのは早いもんだと2人がしみじみと思っていると真面目な声で(ごう)が問う。

「翔は能力を持っていない代わりに……想像を超える程の才能を持っているな。」

と言葉をこぼした。


「ええあの子は100年に1人の才能を持っている。」


母親として喜べばいいのかもしれないが軍人だった頃のなごりで少し将来が怖いと感じてしまう冥華である。


「まあ本人も軍人になって色々な人の手助けをしたいと言ってるみたいだから軍人だったらあの子の才能も最大限に活かすことが出来ると思うけどね。」


嬉しいそうに笑顔で翔の夢が軍人になることを言ったそして続けて

「あと少し盗み聞きしたんだけどね?」

さっきの事よりも嬉しい事なんだろうと思うほどにニコニコにして言った。


「なりたいと思う尊敬しているのはお父さんと母さんだって!」

興奮気味というか興奮している様子で業の肩を叩きながら言う

━━━━そっそうか。

ニヤニヤが止まらない様子の業を見て少し引いている冥華であったが、自分もニヤけてしまっているので言うにも言えず心の底から自慢の息子だと思う2人だった。


午前7時

「ふーギリギリセーフ!」

下から7段目の階段からドンッと大きな音をたてて着地する。

「翔!!何やってるの!!」

その階段は大きなリビングに繋がっているため父や母が目の前にいるのは当たり前のことでそんなことも忘れる程に急いでいたと思うと共に荒い階段の降り方に少し呆れた業と冥華だった。

「本当に翔貴方って子は!」

長そうな説教が始まりそうな予感を感じる翔

「だって僕、半人者(ハーフヒューマン)だし大丈夫かな〜思ったし……」

「それで怪我したらどうするの!?」

自分の母親に一喝され少々驚きつつ母親の言っていることが正しいことに何も言えずやっぱり説教が始まると思い目をつぶって待っていたら

「翔、もう時間だから言っておいで」

本当にありがとうございますお父さんと思いつつ早々と

━━━━行ってきまーす。

と言って出ていった

「ああいう所は治さないとね」

ため息をつきつつ翔を見送った。

「まあ・・・だな」

少々呆れつつ自分の妻と共に翔を見送る。



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