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僕の姉と妹は神様でした。  作者: ぜんざい
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プロローグ


暗闇の中、ベットの上で僕は目を覚ました。


いつもと変わらない狭い自室。いつもと変わらないベット。いつもと何も変わらないはずなのに違和感を感じた。『ゴトゴト』と自室の真上にある姉妹部屋から音がする。また姉さんか、アホ妹が何かしているのだろうとそんなことを考えながら、僕はベットから起き上がり、軽く伸びをする。ふと横目で僕のお気に入り、モアイ像を模ったデジタル時計は午前3時を差していた。LED表示してくれる時計は暗くても見えるから助かる。

「水・・・」

少し喉が渇いた。起きるにしては早いし水を飲んでからまた寝るとしよう。そんな事を考えながらベットから降りて、扉に向かって数歩離れた途端『メキメキ』と後ろから音がする、気になって僕は振り返っ・・・


『ドォガーーーーーン』


目の前に突然何かが現れた?現れたようだ......。ありえない出来事に僕は尻餅をついていた。僕のこの驚きに追い討ちをかけるようにあり得ない光景を見た。

「いった〜い!」


姉らしき人がいた。


「姉ぇーさん?」

言葉が疑問形になるのは、当たり前だ。確かに、確かに顔は姉さん。けれど服装が鮮やかな羽織りに、巫女の様な服を着ていた。何を言っているのだろうか僕は。

「姉ちゃん大丈夫〜?」

上から妹の声がする。上を見ると大きな穴が開いて二階の姉妹部屋の光が差し込んでいるようだ。真っ暗だった部屋で目の前の姉さんが見えるのだから光が射しているのは当たり前だ。あまりの出来事に上から光が差していことも穴のことにも気づいていなかったようだ。そんなことを考えていると僕の声に気づいた姉さんの表情が固まった。

「優人これはね、あのね、えっとね!」

慌てている姉さんを見ていると、少しずつ僕は落ち着きを取り戻してきた気がする。

よく見るとベットも一緒に落ちてきたようだ。実際何があったかはわからないが、多分この格好から見て、妹とコスプレをしてベットの上で、はしゃいでいたら床が抜けたのかもしれない。姉さんは基本真面目だけど、天然なのか時々変なことをすることがあるし......。でも今回は、ドジの範疇(はんちゅう)を超している気がするが。


そして、この家も木造建築で建ってから27年ぐらいだと母が言っていたのを思い出す。床も劣化していたのだろうか、父になんと伝えればいいのだろう。

確かまだローンが残ってると言っていた......。でもその前に。

「姉さん怪我してない?大丈夫?」

多分この状況に姉さんも驚いているだろうし、この高さから落ちたのだ怪我をしているかもしれない。僕は立ち上がって尻餅をついている姉さんに手を差し伸べたながら優しく声をかけた。

「え!?あっ!だ、大丈夫だよ!優人は大丈夫?」

姉さんは僕の手を取ると立ち上がりながら答えた。多分ベットがクッションがわりになったのだろう、怪我がなくてよかった。それにしても姉さんがコスプレが趣味だとは知らなかった。

「姉さんそれコスプレ?人の趣味には何も言わないけど、ちょっとはしゃぎすぎだよ、母さんと父さんにこの状況、なんて言えばいいか....」

そんなこと言いながら僕はふと疑問に思った。母さんと父さんの部屋は、僕の部屋の隣にある、あれだけ大きい音がして何故何も反応がないのだろうか。普通なら飛び起きて「どうした!」とこの部屋に乗り込んできてもおかしくない、なんで....

「....優人(ゆうと)?」


「姉ちゃんいつまで話してんの?」

僕の疑問は、妹の大きな声にかき消された。妹は上の穴から飛び降りて、姉の隣に並んだ。そして妹も姉さんと似たような格好をしている。本当に僕が考えていた様に、妹とコスプレをして遊んでいたのか。妹は結構サバサバしていて、隠しごとをあまりしない性格だ。17年間一緒にいて初めて知った事実に驚きながらも、僕は妹に注意した。

天子(あまつ)そんな所から飛び降りたら危ないだろう!」

そんな僕の言葉を無視して妹は姉さんに文句を言っていた。

「姉ちゃんいつまでやってんの?早く兄ちゃん記憶飛ばして戻ってきてよ、あともうちょっとで(めっ)し終わるんだからさ。それに追加でここも修復しなきゃだし」

はぁ。とため息をつきあがら妹は意味のわからないことを言っていた。記憶を飛ばす?滅する?妹はコスプレだけでなく厨二病に目覚めたのだろうか、もう中学三年だというのに........。

天子(あまつ)、何を言っているにかはわからないけど、まずは父さんと母さんに...」

言い切る前に、妹は僕の顔の前に手をかざし、何かを呟いたかと思うとその途端、目の前の視界が歪んで僕はその場で膝からくづれ落ち倒れた。

「ちょっとまーちゃん!いきなりそれは!?」

姉さんの驚いた様な声が聞こえる。


「だって面倒だし、こうするのが一番楽じゃん?それに大丈夫だよ」


薄れゆく意識の中で妹の声が聞こえた。



「兄ちゃんはただの人間だし」



その言葉を聞いた直後、僕の意識は途絶えた。

小説家になろう初心者、ぜんざいです。

拙い文かもしれませんが皆様の目にとまって楽しんで頂ければ幸いです。

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