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第三十三話 地球の在処【挿絵有り】

 この回には、挿絵が有ります。


 読者様の想像するイメージと、違ってしまうかも知れません。


 表示、非表示は選べる様ですので。


 挿絵は〈みてみん〉から、輝がお届けします。


 輝とは、僕の事で、立花耀市のイラストを描く時に使うもう一つのペンネームです。

 少女の姿。金色に輝く瞳と、竜翼、羽ばたく藤林 桜を先頭に。1対2枚の純白の羽で追う5人の天使達。


 両手ではためくスカートを押さえながら、後ろを振り返る。


(ん? 2対? そう・・・・・・か。天使長は3対6枚羽だったけど、自由に羽を減らせるんだ。それに、早い?)


 やや、抑えて飛んでいた桜に、全員が楽々と付いて来れている。


(まだ、余裕も有りそうな)


 守護天使長達が、そんな彼女に頷く。


「シャルロットが、加速の加護をエヴェリン、ラウラに授けたんです」


「シャルロットさん。ツインテールの可愛い子ですが、全天使の中で最速なんですよ♪ ソーサリースフィア(あちら)では、〈純白の姫天使〉と、人々の信仰の対象ですの」


「そう。最速だよ♪」


「はい。シャルロットさんは、もっと速く飛べますよね」


「えへへ♪」


 クリム、ソフィア、シャルロットの発言に 桜は。かつてのシャルロットの能力を思い出す。


(全力の竜人わたしと、どっちが早いのかな)


 同じ小学校の通学圏内に住んでいる。


 空を行けば、時間も短縮。あっという間にもう甲斐家、阿刀羅家の近所。


 地上に降りた。いつもと同じ住宅街の風景を、注意して眺める。


挿絵(By みてみん)


 青空も地上も、時間が止まっている。


 雲も動かない。


 目に映る写真の中の風景の様な、そこには偶々《たまたま》今、人はいない。


 桜の瞳は、金色に輝いたまま。警戒する。


(空君達の存在を感じる。大丈夫。私に付いて来ているのは天使だけ。機械神の存在は・・・・・・分からない)


 着いた。


(お姉ちゃんは、初めて私が時間停止させた時、止まってしまったけど今は)


 甲斐家の玄関先に、空、蛍、ケルベロスちゃん、ファウナ、そして、真白が待っていた。


「桜ちゃん!」


「真白お姉ちゃん。空君のお家にいたんだ。動けるの?」


「うん。空君のお家で、お料理してたら、色んな物が止まっちゃって驚いたよ。桜ちゃん。時間を止められる何て凄い!」


「う、ん?」


(んん?! 空君の家で、お料理? 私、聞いてない。今日は、それって、あれ?)


(抜け駆け?)


 緊張が解けた。


「桜さん。天使の皆」


「「「メティス様・・・・・・ですか?」」」


「うん。そうだよ」


 可愛らしい小学6年生の男の子に、視線が集まった。


「冥界神メティスの転生。甲斐 空です。クリム、シャルロット、ソフィア。それに、小さくなってるけど、エヴェリン、ラウラだね」


 素早く、綺麗な所作。礼に従いひざまずく天使達」


「甲斐 空様。お知らせします。機械神デウス・エクス・マキナが、魔従神ルシファーを手にして、地球に向かいました。ご警戒下さい」


「!」


 天使は全員メティスと旧知。クリムが代表して話す。


「来たか、デウス・エクス・マキナ・・・・・・でも、ルシファーか。ナリーンは無事なの?」


「いえ、もし無事だったとしても、かなりの重傷を」


 空と、ケルベロスちゃんが顔を伏せる。


「神姫ジークリンデは?」


「魔月〈魔王銀〉には、クラトス様とアスタルテ様が向かわれました。私の妹弟子も。悪魔王バフォメットは、私達が滅しました」


「! 僕とケルベロスちゃんが冥界神殿で過ごしたのは・・・・・・冥界で捉えた悪魔達を浄化しようとしてだったんだ。ジークリンデを縛り付ける悪魔王から、安全に解放したかったから。時間はかかるけど」


「悪魔達は、そのお陰でかなり弱体化していたと思います。強引な手段を採りましたが、魔王銀と、悪魔達のアクセスを封じ、悪魔王を滅した事でジークリンデ様も。魔女にされたエヴェリンとラウラは、子供化しましたが、天使に戻ったので恐らく」


「それと、色欲魔王アスモデウスも、夫ライオスが討ち取りました。魔剣覇王タナトスは、決戦時、姿を見せなかったのです」


「流石だね。先の戦いで、苦戦した四大魔王を。ソーサリースフィアはじゃあ。でも、タナトスは多分・・・・・・悪い予感もする」


「夫は・・・・・・メティス様を死なせてしまった事を、愚かだったとずっと」


 ケルベロスちゃんは、あの事が有ってから、ライオスが大っ嫌いだ。許す事は無い。


 空とケルベロスちゃんは、手を繋ぐ。


「ここは、暫くは大丈夫だよ」


「「「?」」」


「やっぱり」


 空の言葉に、クリムが何か察している。


 空とケルベロスちゃんが頷く。


「それは?」


「?」


 シャルロット、ソフィアは、分からなかった。


「地球を、移動させたのですか?」


「クラトスに聞い・・・・・・いや、気付いたんだね」


「はい。聖従神ブリジットの辿たどった航路は、私の知る航路とは違っていて。でも、この地球に着きました」


「!?」


「「「?!」」」


「地球が移動?」


「空君?」


「空様、何をしたのですか?」


 疑問を浮かべる人、天使達に、空、ケルベロスちゃん、ファウナの3人? が頷く。


「私は、空様の神威を、加護の力で増幅させたの」


「私と、6977万のアトランティス臣民はその神威を、地球と月を覆う迄に維持出来る様、祈りました」


 加護の女神ケルベロスちゃん、巫女ファウナが言うと。


「大魔法、惑星転移、衛星転移が、僕が、小学校3年生の夏休みに成功しました♪」


 壮大なスケールの話。聞いてはいるが、理解する迄に、時間がかかった。


「え?」


「あれ?」


「空君?」


 そして。


「・・・・・・こ、ここ、ここは何処!?」


 日本で教育を受けている皆は。


 地球は、天の川銀河の、太陽系に在る。


 太陽を回る惑星は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つ。


〈すいきんちかもくどってんかい〉と覚えた。


 冥王星が、惑星に数えられていた事も有ったけど、今では準惑星と呼ばれる。


 それを、常識として覚えた。


 それが?


「え? だって、何で誰も気付かなかったの? 星座は? 四季もちゃんと来てるわよ?」


 蛍が狼狽うろたえる。


「それは世界中のデータベース、人々の五感に直接干渉しているから。ここ、太陽系から134億光年彼方の原始銀河の中に地球を隠しました。太陽も、地球以外の惑星も、夜見えている星座も、実際には全く違う物になっているんですよ」


 真白、桜も混乱し始めた。


 天使達にも、甲斐 空の実力が伝わって来た。


(流石、ソーサリースフィアの創世神。その2柱が揃うとこんな事が出来る)


 神様のいるファンタジー世界かと思っていたが、SF映画の、ワープや、テレポートの様な事が、星の規模で。魔法で行われて。


「「「凄〜い!」」」


 大きな声を上げたのは、蛍、真白、桜、シャルロット。


 息子が、小学3年生の時こっそりやった事。


 まだ、出会う前の可愛らしかっただろう彼氏の偉業。


 転生した、かつて敬愛した神様の御技。


 そして、共に大魔法を成功させた巫女ファウナと、アトランティス。


 自らも、様々に人を超えた存在の彼女達でも。


(ドキドキする)


 紅潮する少女達の頬。


「だから、暫くは追って来られない。それまでに、僕達はレベルアップする」


 空の号令に、少女全員が頷いた。

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