6 初心者研修
翌日。大人しく部屋で待っていると、レビテが約束通りにやってきた。そして彼女についていくと、相変わらず暗い部屋だったが、いくらか開けた、小会議室のような空間に案内された。
ここで新人合同の説明会があるってわけなのか。まるっきり派遣とかの登録会みたいやな。
そんなことを考えていると、次から次へと自分と同じような状況、立場の人――すなわちダンジョンマスターの新人?が入室してくる。
みんな普通の人間のようだった。
いや、どう見ても人間ちゃうやろという奴もいる。
ああいうのは何て言ったらいいんや。
レビテのような獣人のような奴もいれば、おまえは完全にモンスターやろ、みたいな狂暴そうな奴もいる。
あと天使っぽい奴もいる。
あいつほぼ裸やん、寒ないんか……
だいたい人数がそろったかな、と思われたところで室内に本日の講師っぽい女(獣人)が入ってくる。すぐにそのままその女が挨拶をする。
「本日はお集まりいただきありがとうございます。それでは早速ですが講義に入りたいと思います」
数時間後。
いくつかのカリキュラムを経て本日の講義内容は終了したようだった。
ほとんど寝てしまって講義も身に付かないのではないかと思ったが、それは杞憂だった。
講義内容が意外とおもしろく、ダンジョンの管理方法も自由度が高いこと、基本的には自己責任で、成績によって賃金の給付があること、またそうして支払われた給料もまた自由に使えること――などなど、細かいルールももうけられているようだった。
さすがに短期間ですべてを把握することは難しいだろうが、新人のバックアップ体制も整っているとのことなので結構なあなあでも大丈夫なんじゃないだろうか。
それに今日の講師の女――ヤナとか名乗っていたが
――が、エロい、エロかった。
何やねんあの胸、爆乳!
全体的に妙にむっちりしてるし、こんな閉ざされた状況やから目覚めるわ、ぽっちゃり系の女に目覚めるわ!
それにしても獣人って何でみんなあんな顔整ってんねや。そういえばレビテも顔面の偏差値はバリヤバイし、今日のヤナも、それからこの教室に新人としてきてる獣人の奴らもみんなやばい。
ハーフの人たちはかっこいい、綺麗な人が多い、みたいなことが獣人にも当てはまるんかな。
あー、それにしてもそういえばやばいな。やばいやばい。何がやばいって、俺そういえばもう三十路に突入してる男やぞ。
また改めて愚痴らせて頂きますが、部屋の本棚に名探偵コナンしかないってどういうことやねん!
とりあえず新人の説明会はまだ明日も続くということだった。
適当に書類などを整理して部屋を出ていこうとしたときだった。
ずっと隣に座っていた人間の女(こいつは普通にガチの人間っぽい)から声をかけられた。
「あの、良かったらこのあと少し情報交換しませんか、ほかの人たちも交えて」
あ、そういえばもし今日の説明会を何らかのセミナーだと考えると、このあと交流会というか、飲み会みたいなものまで発生しても何もおかしないんか。
っていうか普通はじまるよな。
誰かの掛け声によって……え、今日のこの場面ではもしかして俺?
俺がみんなのこと誘ってそういう場を設けなあかんの?
バーリーが辺りを見渡しながら様子を伺っていると、雑然としている室内に再びレビテが入ってきて一言だけ言った。
「あのみなさん、今日はお疲れ様でした。これからいろいろお話あると思いますけど、みなさん共用のスペースはここしかないんで、とりあえず今日はこの部屋施錠しませんので、このあともご自由にお使いください。それではお疲れ様でした。また明日も宜しくお願いします」
めっちゃ事務的やけどナイスフォロー……バーリーはとりあえず再び自分の席に座り直した。
しかしよくわかった。
俺みたいにいきなりこの世界に連れてこられたの一人じゃないんやろ、これは確かに情報交換はせなあかんわ。




