2 エリアマネージャー
レビテと名乗る人物は言った。「あの私ここらへんのダンジョンを管理させてもらっているものなんですよ、開けてもらえませんか? ちょっとお話がしたいんですけど」
「え、なんですって?」
バーリーは言った。
いきなり知らない人が部屋に訪ねてきたのである。
レビテって誰やねん。
そんなん知らん人をいきなり部屋の中に入れるわけないやん。
さっきのウサギみたいなやつみたいに、急に襲い掛かられへんという保証はないやん。
こんなことを彼は思ったのであった。
なので、部屋の扉はいずれ開けるにしても、なるべくこの女(声の高さは女っぽかった)から自分の欲しい情報を引き出さなければならないことだろう。
バーリーは言った。「まず名前を言ってもらえませんかね。自分の名前を言うのは当然のことだと思いますよ」
「名前ですか?ええ、ですから名前はレビテです」
レビテね。
なるほどね。
バーリーは思った。
そやった!この女の名前はレビテっていうんやった。知ってた。ごめん、それはもう知ってたわ。
いや違うやん。
なんていうん、緊張?緊張みたいなんってやっぱあるやん?
だって考えてみ?
俺もいきなりこの状況やで?いきなり知らんとこで目が覚めてしまって、精神が混乱の極みに達してしまってるに決まってるやん。
達さずにはいられへんやん。
だからこういうミスも起こるって。
バーリーは気を取り直し質問続ける。「じゃあ何をなさっている人なんですか?」
「ですからここらへんのダンジョンを管理させてもらってます、エリアマネージャーですけど」
そういえばそんなこと言ってたな。
そんなことも言ってた。
でもこれはさ。
これは答えを聞いても、は?みたいな感じでしょ。
なになに?
ダンジョンを管理させてもらってるって何?
ってかそもそもダンジョンってどゆこと?
バーリーが黙っていると、扉の向こうでレビテが話始めた。「あの、ホントにもう開けてもらっていいですか?ここ時間取るところじゃないんで」
「でも知らない人なのにそんなすぐに扉を開けられるわけないじゃないですか?」
「あなたここに転移されてきたんですよ?」レビテが言う。「普通そんな立場に置かれたら、早くこの世界の情報が欲しくなりませんかね?こうやって今の私みたいに話しかけてきてくれる人がいたら、すぐ心を開くもんじゃありません?」
「さっきウサギみたいな大きさの動物に噛まれたんですよね」
「それはお気の毒に」
「だから今ちょっと警戒心高ぶってるんです」
バーリーは自分で発言したにも関わらず、警戒心って高ぶるもんやったっけと思いながら、「なんかもっと僕のことを安心させて欲しいんですよね」
ガチャガチャとドアノブが鳴り、扉が外側から開けられた。
「え?」
バーリーがドアから離れて今目の前で起こった出来事に驚いていると、扉を開けて姿を表したレビテが言った。
「あの、ホントにもうここは時間取るところじゃないんでないんで。私ここのマネージャーなんで。普通にカギとか持ってますんで」
「それやったらそやって先言ってくださいよ」
「うわ、名探偵コナン散乱してる!この人読んだ漫画を本棚に戻さないで新しい漫画を手に取るタイプの人!」




