14 これから
今月の成績表を見ながらバーリーは思った。
いや税金はないわ。
その代わりに手数料みたいなんが引かれてる。これは確か研修でも教えてもらったな。
あくまでもこのダンジョンの管轄はこちらのものになるから、いってみればあがりみたいなものをいただいておりますよ、と。
しかしその額もしれている。
売り上げの半分くらいもっていかれるのかとも思ったが、せいぜい20%くらいか。
これは利益から20%引かれるということ?
じゃやっぱほぼ税金みたいなもんか?
バーリーは段々頭がこんがらがってきた。
だから俺はフリーターやっていってるやんけ。普通のサラリーマンですらないんや。
数字のことはよくわからん……
ただ成績表を改めてみてみて思うこともある。
こんなに適当にやって数字がプラスになっているということはマジでどういうことなのか。
単純にすごくラッキーだったとか?
たとえばダンジョン自体に何か数字がプラスになるようなオプションがついているとか、仕入れたモンスターの組み合わせに相乗効果があり、手に入れられる経験値に何かしらの係数がかかるようになっていたとか?
だが何となく思うに……適当なやり方でも数字を出せるのなら、俺の役目いる?
いやマジマジ。
これってホンマに俺がやらなあかんことなのか?
つまり俺はこういうことがいいたい。
ホンマにモンスターを仕入れて補充するだけなら、そんなものは機械的に、誰かが一気に統括してやってしまえばええやないか、ということである。
この世界にAIなるものがあるのかわからないが、この活動こそガチでプログラミングでも何でも組んで適当にぼうっと画面を眺めるだけの仕事にしたらええやないか。
なんでそれをしやへんねや。
それをしやんと、私ここのエリアマネージャーのレビテです、とか、講師を勤めさせていただきますヤナです、とか。
あいつら何を言うとんねん。
そんな挨拶する暇あったら、お前らで一気にダンジョンを管理したらええやんけ。
まあ……と、バーリーはここまで考えて、でもそうしていないということは、そうできない理由みたいなものがあるんでしょうね、と思い至る。
なかなかにことを荒げないタイプの男である。
さすがこの世界にきてからやる気がない、やる気がないと嘆いているだけのことはある。
バーリーは成績表から一旦目を放して、
とりあえず、これから俺が何をすべきかということを考えなあかんやろな。
ソフィアに連絡して、彼女の結果と、あと彼女ならばほかの同期の奴等の成績も知っているだろう。教えてもらっていろいろ検証してみよう。
あとは……何や?
もう一回レビテに連絡してみるか?今回出た成績のことを相談する体で、ダンジョンのことをもっと掘り下げて彼女にきいてみていいかもしれない。
そこでまた何となく彼女の目を返答に違和感を覚えるならば、俺はもう正直今回のこの数字を信じる気になれないかもしれない。
いや、もう今の時点でもっとこの数字を鼻で笑うべきなのかも。
だってこんなことなら、ホントになぜいちいち各ダンジョンに一人以上のダンジョンマスターなるポストを用意しているのかわからない。
うまくいっているように見せかけて、あいつらは何を考えているのか、もしかしたら思いがけないタイミングでこちらにとんでもない手のひら返しを仕掛けてくる可能性もある。
やっぱりここから出ることを考えるべきなのか?
外の世界はどうなっているんだ?
でもどうやって?
ってか俺のダンジョンの地図はどうなったんや。
冒険者用の装備品って、俺でも買えるんかな……




