7話 少女と猪
今回は未更新期間が伸びすぎていたので急いで更新したので短めです。
続きは早めに投稿しようと思います。
声を聴いて嫌な予感がして家を出て走っていると段々と声が普通に聞こえてきた。
その声は叫び声や悲鳴を聴くに間に合いそうにはないが急いで声の聞こえた場所に急行すると五人に騎士が血を流して倒れていた。
「やっぱり間に合わなかったか。」
その惨劇を見てこれからどうするかを考えていると死体の下の血だまりから足跡が森の中まで続いていた。
「この足跡がこの惨劇の犯人の物じゃないかなと思うんだけど、この様子だと巣に帰ったか生き残りを追っているかのどちらかかな。」
「そうですね、どちらにしろ急いで追ったほうが良さげですね。」
ノエルの意見には自分の賛成なのですぐさま犯人を追って足跡が続く方へと走っていった。
走りつつ辺りを見回していると周りの木々の枝や幹などが折れており背丈が大体二m以上はあると思う。
「足跡からしてボアー系だと思いますが悠斗さんが倒したジェットタックルボアーよりも大きいですね。」
「この森にはこんな大きさの猪っているのか?」
この森に棲んでまだ数日だが、こんな大きさの猪をここで見たことはないのだが何かあったのか?
「そうですね。突然変異とかでしょうか。そしたら危ないのですか……」
すると目の前で鎧を着た人が二mはある猪に吹き飛ばされるのが見えた。
一瞬死んでしまったのかと思ったが生きているようだ。
「どうかしたんですか。」
心配になったノエルが聞いてくるが猪がいつからいたのか分からない少女に止めを刺そうとしている様子を見ると話をしている暇は無さそうな感じだ。なので「少し行ってくる。」とだけ声をかけて両手を地面につけてクラウチングスタートの要領で走り出した。
少しでも速くなるかなと咄嗟に思いやっただけだが、流石は陸上でよく使われる走り出す方法だなと思いつつも猪と少女との間に割り込んで猪へと左手を構えた。
『聖楯の障壁』
上位の防壁魔法を展開すると猪は淡い水色に輝く盾にぶつかりその後は何回もぶつかっては来るが前に進めないという事実を理解したくないのか体を屈めつつも俺に向かって唸っていた。
そういう俺はというと飛び出して守ったはいいがこれからどうしようかと考えていた。
猪は前から攻撃するのを止め外回りで攻撃をしてくる様だ。
どうしよう…どうしよう…どうしよう……………………
そうだなぁ…………そうだ。
こういう時こそ落ち着いて。いつも家を襲ってくる猪にしていた事をやればいいんだ。
俺は『聖楯の障壁』を解除して腰に差しておいた刀を抜き、刃先が横を向くように腰の高さに両手で握り構えた。さらに念のため《スキル模倣》で《上級剣術》と《身体強化》を取っておいた。
途端に頭の中には様々な点での戦い方や身のこなし方、攻撃時の間合いなどの情報が入ってきた。更に体に魔力を巡らすと全身中に力がみなぎって来た。
その間にデカ猪は十分距離を離したらしく何回も後ろ脚を後ろへ蹴る仕草をしていて今すぐにでも襲ってきそうな感じがした。
僅かな予備動作も見逃したくはなかったので追加で《五感強化》を習得してその時を待った。
《五感強化》によって遅く、そして広くなった世界の中で俺は只々その時を待った。
そしてその時は突然、訪れた。
猪はさっきまでよりも力強く後ろ足を蹴りだして物凄い速度で突進を仕掛けてきた。
その突進は『聖楯の障壁』に対してしていたものよりも何倍も力強く早かった。
だが元々全部のステータスがSSSな上に《五感強化》をつけていた俺は簡単にその姿をその目で捉えていた。
そして俺はその突進に合わせて勢いよく前に踏み出した。
そして互いが交差するよりも早く刀を横に薙ぎ払った
元々の身体能力に《身体強化》を重ねた突撃はライトニングタックルボアーの突進よりも早く、その速さを載せて《上級剣術》によって導かれた場所に《五感強化》に補われつつ、その一点に正確に払われた一閃は避けよう…いや、気づきようが無くライトニングタックルボアーは何もできずそのまま切られた。
一瞬の出来事だった。
お互いがすれ違った僅かな時間に決着がついた。
俺は踏み出した地点から10ⅿ先の所で刀を振り切った状態で立っていた。
刀身を見ると猪を切ったはずなのに切った速さが速すぎて刀身に一切血が付いていないので軽くふき取って鞘に納めた。
猪の方は俺を仕留めきれなかった為かもう一度突進をしようとしたが体に力が入らず勢い良くズザザザザザァァァぁぁぁと音をたてながら滑って止まったと思ったら横に倒れその巨体が上半分と下半分が分かれて床について、その周りに沢山の血が周りに広がり血だまりになっていた。
「切りごたえないな。今度は100年ぐらい鍛錬してきてから出直してこい。」
こうして俺の異世界で初めての戦闘らしい戦闘は俺の圧勝で終わった。
六話と前の七話の間の投稿していなかった話です。
前の七話は八話として投稿し直します。
戦闘シーンはもう少しうまく書けるようになりたいですね。