4話 新たな世界での生活
流石は創造神様が持つチートスキル、魔力で作れること自体が凄いのだが切れ味とか威力とかがやばい。
一通り外で刀の使い心地の確認をしていると昼時になった為、家に戻って昼ご飯を食べる事になった。
いつも家でしていたように料理を作ろうとすると、『食事を作るのは妻である私に任せてください。』とノエルが自身たっぷりに言っていたので任せて休むことにした。
すると数分も経たない内になじみ深く、懐かしい香りがキッチンから漂ってきた。
これ以上ご飯の事を考えるとさらにお腹が空きそうだ。
そう思って改めさっきまれ使っていた鞘から出して見てみると黒色を基調とした刀は闇があれば溶け込んでいきそうなほどの黒さだ。だがその色に反して確かにそこに有ると思わせてくれる。そんな存在感を出しており刀本来の美しさも相まって自分で生み出した物とは思えなくもう一度見惚れさせてしまうのには十分だった。
何回も使っていたので何処かに刃こぼれなどがないかと確認するがどうやら素人目では特に傷はない様だ。
そんな様子を見ていたノエルが一旦料理を作る手を止めてリビングの俺が座る椅子の隣に座って俺の手にある刀を見てきた。
「これが悠斗さんか私のスキルを使って創造した武器ですか。確かその武器の名前は刀でしたね。使ったことはあるんですか。」
突然声をかけられ驚いてしまったが声をかけてきたのがノエルだと分かると俺は落ち着きてその質問に答えた。
「あっあぁ、そうだなぁ、本物の刀は使ったことはないけど小さい頃に剣術は習った事はあるからな。後でしっかりと戦えるか試してみたいな。」
「そうですね。ですが今は昼ご飯を食べるのが得策だと思います。」
「もうできたのか。早いな。」
「今回は前もって用意しておいたので後は盛り付ければ完成ですよ。」
「そうだな。じゃあご飯にするか。」
「はい!」
この世界で生きていく為に必要な武器も調達できたのでノエルの提案で異世界で初めての食事を取ることにした。
ご飯だというので刀などの食事には関係ない物を片付けて待っていた。
「どうぞ、ノエルの特製カレーです。」
「おぉ。」
そしてノエルによって目の前に持ってこられたのは疑う事の出来ないほどの立派なカレーが湯気を出しながら運ばれてきた。
更に普通のカレーとは違い黄土色に近い色をした本場のチキンカレーだった。
一緒に持ってこられたご飯の代わりの程よく焼けたナンも用意されているので間違いなく本場のカレーだ。
「凄いな。こんなに手間のかかったカレーは普通の家では食べられないよ。」
「良かったです。頑張って料理の勉強をしたかいがありました。これからも色々な料理も作っていきたいので楽しみにして下さいね。」
それは楽しみだなと思っていたが一つ疑問に思った。
「このカレーを作るのに使った香辛料はこの世界で採れるものなのか?」
「いいえ、地球の香辛料はないので私のスキル《物品創造》で生み出した地球の香辛料ですよ。ストックも沢山ありますよ。」
スキルと聞いたので《スキル模倣》で調べてみると確かにあった。
試しに名前に触れると
―――――――
物品創造
食料や硬材等のアイテムを生み出すスキル。
職業【創造神】で得られるユニークスキル。
模倣しますか?
・YES ・NO
―――――――
という表記が出てきた。
どうやら創造神のスキルは《??創造》という感じで??に創造できる物の分類が付くらしい。
《物品創造》は《武具創造》とは違うカテゴリーなんだなと思いつつも試しにYESを押してみると
『スキル《物品創造》を模倣し、獲得しました。』
と出てきてステータスのユニークスキルの中に新たに追加された。
「なるほど。こんな感じかな?」
と試しに今欲しいガラスのコップに入った水を創造して《物品創造》を使うと手に創造した通りの水入りコップが現れた。
その様子を見たノエルは感心したように声を上げた。
「流石は最高神ですね。私のユニークスキルをそんなにも簡単に使うなんて。」
俺のユニークスキル《スキル模倣》を知っているはずのノエルが驚いていた。
だが直ぐに確かに想像していなかったことが目の前で起こったら確かに驚くなと思った。
そんなちょっとした出来事もありつつノエルとの初めての食事は楽しく過ぎていった。
次の日、ドンッドンッと何かがぶつかる重い音が外から聞こえてきた。
その音で俺は目が覚めてしまった。
「こんな朝っぱらから何なんだ。」
そんな事を呟きながら窓から外を見てみると森の方角から図体のでかい猪が何匹かが家に突進を繰り返してきていた。
だがどう見ても家にぶつかる前に何かにぶつかって止まっていた。
「私の張った防御結界を破れていないみたいですね。」
いつの間にか隣に来ていたパジャマ姿のノエルがそんな事を言った。
「防御結界なんてものを張っていたのか。」
「はい、防御手段としては一番確実ですからね。」
この世界では家に防御結界を張らないといけないみたいだ。物騒すぎるな。
「町の中なら大丈夫ですがこの家ではそんなものはありませんからね。自分の身は自分自身で守れというものです。」
「ここにまで結界を張るっていうのは大変そうだからな。だが創造神はそういう魔法も使えるのか?」
「元々は持っていませんでしたが下界に降りる際に必要だと思ったので私に対してギフトを授けて使えるようにしました。」
なるほど、そういう事ならわかるんだが、完全に猪の存在が空気になっていた。
あの猪に《鑑定》をしてみると名前はジェットタックルボアーと言い脅威なのは今行われている突進で石造りの城壁ですら壊してしまうほどの威力らしい。
だが今はノエルの結界で完全に止められていた。
流石は創造神、強すぎる。
「で、あの猪はどう知ればいいんだ?」
「ここでは魔獣等に襲われたらその魔獣を倒してしまっても問題ないありません。」
そうか。なら倒してみようとは思ったんだが、どうやって倒そうかな?
2019/2/20 内容変更