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2話 新たな世界

 ノエルの突然の告白に驚き少しの間は何も話せなかった。だが時間が経ち話を理解してくると改めて先ほどの話がどの様な意味を持つのかを理解し、嬉しさと共に戸惑いを覚え始めた。

いやいや急にそんな話をされても・・・・・

また戸惑い始めているが、まずはなぜそんな話になったのか理由を聞こう。

「どうして俺と結婚したいと思ったんだ。」

「最初は悠斗さんをアルデヒドにお呼びする前に人となりを確認するために商店街で初めて会ってからなぜか胸が段々と熱くなってしまって、その時はまだ何なのかは分かりませんでした。ですが悠斗さんが私を庇って死にそうになっているのを見て胸がとっても苦しくなって、その時に私が今恋をしていて貴方が好きだって知って結婚して一緒に生きていきたいって思ったんです。

私自身もこんな気持ちになるなんて思わなかったのでビックリしました。」

ノエルの声と眼差しで理解した。冗談でもなんでもなく間違いなく本気だ。

なぜそこまで断言できるかは自分では分からないがそう思ってしまったのだ。

ノエルは俺の事が本当に好きでそれで今、俺に真剣に話をしているんだ。

ならば俺がすべきことは……

「俺もだ……俺もノエルの事が気になっていて今ノエルから告白されて恥ずかしながら分かったよ。俺も君の事が好きだってことが。良ければ俺と一緒に来てはくれないか?」

俺も覚悟を決めて自分の中の気持ちを精一杯伝えるだけだ!

何も気にする事は無い。

何かしら問題があるかもしれないが、そういうのは後で考えればいい。

「……はい!ぜひ…是非一緒に行かせてください!」

良かった。…あっそうだ!

「ノエル。一緒についてくるんだったら創造神の仕事はどうするんだ。」

「問題ありません!これからの仕事は後任に任せます。幸い今やっている仕事は下界の監視ぐらいですからね。

ですが流石に難しかったり、緊急性の高い件等は私が担当するんですけどね。」

案外、創造神も暇なんだな。

「思ったよりも脱線し過ぎたのでそれでは話の続きに入らせてもらいます。悠斗さんには私のため込んでいた神としての力である神力を受け取ってもらい、神になってもらいたいのです。」

そう言ってノエルは右手に眩く白に輝く光球を生み出した。

その光球からは神力というものを知らない俺でも分かる程の圧力を感じた。

明らかに俺に渡していけない様に感じるのだが。

「えっ俺が神になるってどういう事なんだ?流石に話が進みすぎな気もするんだけど‥‥‥」

「そうですね‥‥‥ですが悠斗さんに神になってもらう事が私がお願いしたい事です。」

神様になる事がお願いしたい事ってどういう事なんんだ?

「この世界のはるか昔には戦神グドラニス、魔術神アストル、海神トルマリン、天神サラゾーラ、豊穣神メルディ―ナ、冥神ニーズドル、創造神ノエルの大神七柱が存在していました。

世界にあだなす敵もいなく平和な時を過ごしていく下界を眺めながらも時を過ごしていました。

ですが二万年前に下界に外界からの侵略者が現れたのです。

その者らを率いるの名は腐食邪神ガリグデニス、目的は世界を己の司どる腐食によって滅ぼす事で世界中は滅びへと向かって行く様に思えました。

ですがそれを神々が黙って見ているだけな訳がありません。

この世界を守るためにために豊穣神、創造神を残して戦神、魔術神、海神、天神、冥神の五柱が世界を守るために邪神と相対しました。

ですがいくら世界に君臨する神々とはいえ今まで平和の中で過ごしていたので実戦の経験が少なく、邪神は様々な世界を滅ぼすに当たって力を蓄えていたらしく四対一でも激戦となりその上で海神を除いた四柱が相打ちとなり滅びる事にはなりましたがこの世界は滅ぼされるのを免れました。

残った私達三柱は、結果的に半分以上腐食の力で滅びかけていた世界を修復しながら世界を再興し、それと共に下界の営みを取り戻すためにこの二十万年間頑張ってきました。」

どうやら神様の半数以上が二万年前に滅びてしまっていたらしい。確かにそれなら他の世界の人間を連れて来てまでやろうとする事だな。

「俺を呼んだ理由も分かったし、それだけの理由があるなら例えノエル以外の二柱が俺を故意に死なせたのだとしても怒ったりはしないけど、どうして俺が神様になる話になっているのかを聞きたいんだけど。」

「それでしたら、簡単に言うと悠斗さんの魂がこの世界ととっても相性がいいのです。

それはこの世界の神様になれるぐらいに。

優斗さんもここに来てから心当たりはありませんか?」

確かにここには初めてくるはずなのにまるで本来ここが自分が居るべき場所であるかのようにとても落ち着く。

これが相性がいいという事なのか?

「それが一番神様になりやすい条件なんです。何故ならこの世界との相性がいいという事はそれだけこの世界の力を自分の一部の様に扱えるという事なのですから。

後は神様の力は世界の一部を操れる程強力な分その力と馴染めないとのまれてしまいますから。

安心してください。悠斗さんの相性は私よりもいいので悪い事にはならないと思います。」

成程、俺の魂はこの世界限定で神の力を受け止められるという事なのか。

「分かった。それに創造神の夫になるなら俺も神様ぐらいにはならないとな。」

自分の話で俺を不安にさせたかもと思っているように感じるノエルを安心させるためにそう返すと一息程の時間の後に顔を赤くして俯いてしまった。

その様子を見て可愛いと思ったが言ったら不機嫌になるかもしれないので口にはしないようにする。

「それでその力を受け取るには俺はどうすればいいんだ?」

「それはいたって簡単です。この光球に触れていただければいいですよ。

これは神様候補に与えるために用意していた世界の力なので気にせず取り込んじゃってください!」

まるで飲み物を一気飲みする様に勧めるかのように神の力を勧めるノエルに苦笑いを返しなからも覚悟を決めて光球に触れた。

すると光球の光が触れた手から全て俺の中に入ってくる。それと同時に部屋の床が眩く輝いてその光も俺の全身に吸い込まれるように消えていった。

その間俺は全身を誰かに抱きしめられる様な優しい温かさを感じていた。

「凄い輝きでしたね。どんなステータスになっているのか気になりますがきっとこれはいい事の前触れですよ!

それでは要件は済ませましたので早速下界に降りましょう。」

そう言って部屋の壁らしき場所に飛井らを出現させたノエルを俺は慌てて止める。

「ちょっと待ってくれ!まだこの世界についての話を聞いてないし、このまま俺が下界に降りたらまずいだろう。」

今の俺がどうなってるかは分からないが神の力を持つ人間が下界に降りるとどうなるのかという予想は容易につく。

「すいません。急ぎ過ぎていましたね。力なら自分の体の表面を先ほど触れた様な光で包むようにすれば力が漏れ出す事は無いと思います。後はこの世界についてですが今の優斗さんならこの世界の情報や知識程度なら直ぐに調べれると思いますよ。」

そう言われて試しに基本的な知識を調べようとしたら頭の中に膨大な知識がまるで濁流の様に襲ってきたので慌てて知識漁りを中止した。

「だっ大丈夫ですか!」

突然の事で驚いて冷や汗をかいた俺を見て心配になったのか声をかけてくるノエルに「大丈夫だ」と伝えながら次はもっと情報を絞ろうと心に決めた。

「まぁ後はプレゼントぐらいですがそれは向こうに着いてからのお楽しみです。では行きましょうか。」

そう言ってノエルは俺の手を握って自分が出した扉へと歩いて行った。その時に一瞬だが見せた彼女の笑顔は俺をもう一度惚れ直させるのには十分すぎるものだった。

「あぁ、行こうか。新しい世界へ…」

そしてノエルに手を引かれるまま扉をくぐると視界の全てがまた眩く輝いた。



輝きが収まり視界が晴れてくると目の前には一面の草原が広がっており、視界の端には地球でもよく見るような木々が生えている森が見える。

どうやら自然に囲まれた綺麗な場所らしい。

「ここがその新しい世界か…」

「はい、ここが私の造った世界『アルデヒド』です。」

改めて見ても美しい草原と森が広がっていたのだが…

「この家は何だ。誰か住んでいるのか?」

今俺の目の前には二階建て西洋造りの一軒家が建っていた。

屋根は赤色で一階は家を囲むように建てられた塀で見えないが二階にはベランダか見え、

素人目でも一目見ただけでも立派なつくりをしているように見える。

「いいえ、これは私からのプレゼントで私と悠斗さんが住むお家です。」

まさかプレゼントでこんな立派な家が渡されるとは思わなかったぞ。

「嬉しいが本当に住んでもいいのか?」

「大丈夫です。近くの町で売られていた物件で私の名義で購入しましたから。」

「それならいいんだが。」

流石にいくら神様でもこういう時は正規の手順をふむんだな。

取り合えずは疑問も解決したので家に入る事にした。

今日?は色々とあって疲れたから家の中でゆっくりと休みたいな。

中に入ってみると家の造りはしっかりしていて家具や台所、お風呂なども綺麗にされていた。

「なんか住むのが勿体ないぐらいのいい家だな。」

「良かったです。後、台所やお風呂場、トイレは悠斗さんが使われていたのに変えていますから不便はしないと思います。」

「何から何までありがとうな。」

「いえいえ、これが得意分野ですから。」

一通り見終わってリビングの椅子に座って休みながら《無限収納》を漁っていると紐で縛られている巻物みたいな物を見つけた。

「これは何だ?何か書かれている物みたいだが。」

「それはステータスロールですね。それに自分の能力値やスキル等の個人情報が書かれています。」

「なるほど。これで自分に何が出来るのかが分かるのか。」

開いてみてみると

――――――――

 ユウト シノザキ  男  17歳

職業 魔法剣士

魔力  B

攻撃力 A

防御力 C

素早さ A

知力  B

スキル 家事LV.5、修理LV.5、鍛冶LV.3

戦闘スキル 剣術LV.MAX、剣技LV.MAX、瞬剣術LV.3、瞬剣技LV.2魔法剣術LV.2、魔法剣技LV.1、体術LV.9、格闘術LV.6、気配探知LV.4、感覚強化LV.3、思考加速LV.2、限界突破LV.1

魔法スキル 詠唱短縮LV.MAX、魔法付与LV.3、火魔法LV.7、雷魔法LV.MAX、雷撃魔法LV.1、強化魔法LV.4

称号 剣と魔法に選ばれた者、速き剣士、生活熟練者

加護 なし

裏ステータスへ

――――――――

そこそこ強いステータスだ。予想ではあるが普通にこの世界で生きていけそうな感じはする。だけど最後の裏ステータスっていうのが気になる。

試しにその文字に触れてみるとさっきまで見ていたステータスがまるごと変わってしまった。

「えっ………」

そして新しく表れたステータスの職業の欄を見てみるとそこには



職業 最高神(神格序列.unknown)



そう書かれていた。


2019/2/14 内容の更新

2020/2/22 内容の大幅変更

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