1話 再会
話の内容が分かりずらかったので2020/2/03に内容を大幅に変更しました。
予定では2,3か月ほどかけて読みやすいように書き直していく予定なので、よろしくお願いします。
目を覚ました俺は真っ暗な世界にいた。
ここは何処なんだ。たしか俺はオッサンの包丁からノエルを庇ったんだったっけ。突き飛ばしちゃったが怪我はしてないかな。
そんな事を考えつつも周りを見渡すとアニメなどでよく見る人魂の様な物が右から左へと進んでいた。
この光景を見て最後の記憶を思い出せばおのずと今いる所が何処なのか、あの後どうなったのか理解した。
(死んじゃったのかぁ…まあ、胸に包丁を一突きだもんな。そりゃ死ぬよ。)
まさか自分がこんなにもあっさりと死んでしまうとは思わなかったな。
だけど過ぎたことは忘れて今の俺はどうなっててどうすればいいのかってことだな
確認したら案の定手や足どころが体すらない様だ。
まぁ周りが人魂の時点で予想や出来たが。
何をすればいいのか分からないから取り合えずこの人(魂)の列に並ぶとするか。
そう考えながら並ぶ事一時間なのかあるいは一日以上経っているのかは、時間を知るすべを持たない今はどれだけ経ったかは分からない。
相も変わらずこの行列の終わりが見えなくて逆に後ろにも最後尾が見えないほど沢山の霊が並んでいるのを見て。
幸い俺の人魂の体は歩く疲れはないみたいだが退屈ではあった。そんな感じで駄々歩いていた時に突然目の前の景色に変化が起きた。
「今度は何なんだ………?」
視界の下側が急に眩しくなり始めたので下側へ視線?を向けると自分の体?が突然輝きだして瞬く間に全身が輝き始めた。そしてその輝きは段々と大きくなって上へと延びていってまるで柱のようになると自分の体がその中を登っていくような浮遊感が襲って来た。
そして先程よりも激しい発光を最後に先ほどまでと違って視界が真っ暗になってそのまま意識も途切れた。
相当の疲労を貯めていた次の日の寝起きの様な怠さの中で目を覚ました。
すると目の前にさっきまでとはまた違い、今度は視界のすべてが白い空間の中で床のような場所で自分は寝ていたらしい。
取り合えず体を起こそうと手をつこうとして視界に入った腕を見て慌てて飛び起きて全身を見渡した。
視界には死んだときに身に着けていた服を着た俺の体が入った。
「………っ!一体何だったんだ手に足もあるし…体が元に戻ったのか。」
見ただけで実際に自分の体か分からないが肉体が戻った事に少し驚きはしたがさっきまでずっと歩いていたあの場所もそうだがこの場所が何処なのかがさっぱり見当もつかない。
自分以外に誰かいないのか辺りを見渡すが人一人いない所が物一つも見つけられなかった。
しょうがないのでさっきまでの様に取り合えず前へ歩いて行こうと思い、一歩を踏み出そうとした。
「悠斗さん。」
後ろから聞こえた自分の名前を呼ぶ少女の様な声に、後ろへ振り向いた。
すると目の前にはさっき見渡した際には無かったはずの洋風の部屋とその部屋の中で佇む1人の少女が現れた。
「何で君がここに……。」
その子は俺が前世の最後に体を張って助けた少女、ノエルだった。
「お久しぶりですね。悠斗さん。改めて自己紹介をさせてもらいます。私はノエルと言います。」
戸惑っていたがその戸惑いを抑えて今一番聞きたい事を問う事にした。
「もしかして君も死んでしまったのか……。怖くはなかったか……。だったら守り切れなくてごめん‥‥‥。」
それは今いる未知の場所でも、目の前の少女の正体でも、はたまた今自分の置かれている状況でもなく死ぬ前の少しの間一緒にいた少女、ノエルの事を心配する様な言葉だった。
「いいえ‥‥‥私は‥‥‥大丈夫です。私の方こそごめんなさい。‥‥‥私のせいで‥‥。」
その言葉を聞いたノエルも涙を流しながら謝りだした。
その様子を見た俺はいてもたってもいられず咄嗟に抱きしめてしまった。
ついつい泣き虫だった妹によくしていた為ついやってしまったなと昔の事を思い出していた。ノエルは最初驚いていたようだが落ち着いてくると安心したのかさっきよりも激しく泣き出してしまったので気が済むまで泣かせてあげることにした。
「すみません、急に泣き始めてしまって。こういう事が初めてなのでどうすればいいのか分からなくて…」
「いいよ、そんな事は。悲しい時とかの泣きたい時は好きなだけ泣いてしまえば心も落ち着くしね。」
別にただ泣き続けるだけとかウソ泣きはいけないと思うが泣きたいような時は泣いてしまう方がすっきりしていい。
「やはり、私の気持ちは間違ってなかったですね。」
なんかノエルがボソッと呟いたと思ったら洋風の部屋の中に置かれている椅子へ俺に席に着くようにと促してきた。俺が座らないと話が進まないと思った俺は促されるまま席に着くとノエルは口を開いた。
「これから悠斗さんが何故ここにいるのかについて説明しようと思うのですが、
まずは私についてと今いる場所についての説明をしようと思います。
ですがその前に何か聞いておきたい事は無いですか?」
そういう事らしいから、説明よりも最初に聞いておきたい事を聞くことにしよう。
それだと聞いておきたいのは、俺がここに来るまでの経緯だな。
自分が置かれている状況の確認は話を理解するに当たって必要な事だからな。
それで、俺が記憶している中で一番今の状況に関係しているのは‥‥‥
「お言葉に甘えて聞きたいんだが、俺は君を庇って包丁で刺されたあの時にやはり死んだのか。」
「はい。貴方は刺された後に他の方が呼んでいた救急車で病院に搬送されました。ですがその日中に息を引き取りました。」
今までの断片的な情報で死んでいたんだろうなとは検討を付けてはいたが、改めて他人から死んだという事実を告げられて理解した俺はいまだに信じられなく戸惑っていた。
だがその状態は長くは続かず自分でも驚くほどの速さで気持ちや頭が落ち着くのが分かる。
だがそれは可笑しい。
俺はそんなに心は強いわけではないはずだ。だが俺の何処かではこれは俺には必要な事だったのだと納得している気持ちがあった。
今度はそのことに戸惑い、中々話が出来ずにいた。
そしてノエルは俺の心境を理解しているのか何も言わずただ静かに待ってくれていた。
そのせいか部屋には静寂が訪れていた。
「取り敢えずはだけど落ち着いたから話をしてくれてもいいよ。」
今はまだ戸惑っているんだと自分の中で結論付けて、俺が落ち着くまで待ってくれていたノエルに伝える。
「それでは私の話をさせてもらいます。悠斗さんは、亡くなった後に本来は新たな命として何もかも忘れて生まれ変わるはずでした。
ですが私の方の都合で『アルデヒド』と言う悠斗さんのいた世界とは違う世界で記憶を持ったまま生まれ変わる事になりました。
これにつきましては既に地球の方での処理は済んでいるので悠斗さんが地球に戻る事は出来ません。」
ノエルの口から語られる話に驚くが元々死んだ後は違う人物として生まれ変わるらしいし、特に問題はないかと考えた。そしてノエルは話を続ける。
「そして私に関してですが『アルデヒド』の創造神をしています。そしてここは私の神域、いわゆる私室です。悠斗さんは死んだ後に地球の死者の空間と呼ばれる死んだ者が生まれ変わる為の部屋を通っていたのを私が回収してここに連れてきたことになっています。」
……ヤバい……今までに散りばめられていた前情報で大方予想を付けてはいたが流石に人生で最後に助けた少女が神様っていうのは予想できないだろ。
「大丈夫ですか?」
混乱している俺を見てノエルが心配そうにこっちを見つめていた。
「多少混乱してはいるが問題はないから続けてくれ。」
そういうとノエルは話を続けた。
「私はアルデヒドから一番近い地球に目的に合う人物はいないかと地球に降り立って探している時に悠斗さんと出会って……それからは悠斗さんも知っているはずです。
こちらの世界に必要とはいっても私が無理やり悠斗さんを死なせたわけではありません。あくまでも探していただけです。」
「分かっている。それが目的なら別に接触する必要は無いしな。」
まあ、別に死んだとはいってもノエルは何もしていないし、逆に被害者なんだしな。問題は無いか。
「ですので悠斗さんにはこちらの世界に来て力を貸してほしいという事です。」
「分かった。どの道地球には戻れないみたいだし、ぜひお願いするよ。」
それに俺のままで新しい世界での新しい生活なんてのも悪くはないかもな。
「そっそれと……」
俺が快く返事をすると顔を赤くしたノエルが恥ずかしそうに話し始めた。
「うん?何かあるのか?」
まだ何か話す事があるのか‥‥‥‥そうか!まだ何で俺がアルデヒドに必要なのかをまだ聞いていなかったな。
「あの次に悠斗さんをこの世界に呼んだ理由なのですが、その前に話しておきたい事があるんです。」
うーーーん?分からないな。思いついた予想は違うみたいだし、他には思い付きそうにないしな‥‥‥
「あ‥‥‥あっあの!」
そう口にした後、何秒か何分か分からない静寂が二人を包む。
そして俺もそれに釣られ緊張して何も話せなくなってしまう
そしてノエルが口を開いた時、予想してなかった言葉が飛び出た。
「わっわたし!悠斗さんの事が好きになってしまいました。でっですのでわたしを妻として……私と結婚して夫として私を貰ってください!」
それは突然の愛の告白だった。
……………えっ
当分はこっちの方をメインで投稿していきます。
2019/2/13 内容を訂正
2020/2/03 内容の大幅訂正