実は逆張り司馬史観
司馬遼太郎氏の小説にある織田信長像は世間の人たちを驚かせるための
サプライズであり「逆張りだった」
日本の歴史ファンに大きな影響を与えた司馬遼太郎氏。
彼の作った織田信長像が日本人の持っている織田信長のイメージに大きな影響を与えました。
しかし、
彼が作った織田信長像は意図的に作られた偽の信長像でした。
司馬氏は敢えて、歴史的史料価値の極めて低い明智軍記を基にして
国盗り物語を書きました。
元々、裏切者の逆賊というイメージの強かった明智光秀を善人、誠実と描く
「逆張り」によって読者に驚きを与えるとともに、
世間によくある「先祖礼賛もの」の後年に作られた明智軍記を
資料として用いることにより、あたかも、小説に書いている事が
歴史的資料の裏打ちがあるかのように知識のない一般読者に誤解を与える
技法を使いました。
このやり方は実際に歴史の研究をやっている多数の歴史学者から避難を受けましたが、
むしろ、当時の風潮として「大人気作家様に逆らうとは何事か」と本当の事を言って
事実を指摘した歴史学者の人々のほうが世間の糾弾を受けることとなってしまいました。
かくして、まったく事実ではない事柄があたかも事実であるかのように
世間に流布されることとなります。
司馬遼太郎氏批判の書籍としては
歴史小説の罠 単行本 – 2013/12/18
福井雄三 (著)
が有名です。
このような本が出るまで、平成の世になり10年の月日を要しました。
司馬氏が歴史的事実を歪曲した目的は、
読者を驚かせるための「逆張り」を狙い
明智光秀を善人として描いたこと。
そして、もう一つが、彼が産経新聞社社員であったことに起因します。
司馬氏は、アメリカ的グローバリズム、合理主義、などアメリカ礼賛の
アメリカイムズの信奉者として織田信長を描きました。
合理主義者で実力主義者、能力のないものは平気で切り捨てる。
日本的義理人情は時代遅れで無意味。
当時、アメリカにあこがれ礼賛していた産経新聞の社風の中、
産経新聞を読んでいる読者が気に入るよう、実在の織田信長から
アメリカイムズの思想を持った織田信長に織田信長を改造すべき
必然性が商業主義的にあったわけです。
これは、新自由主義、グローバリズムを国民に啓蒙したい
堺屋太一にも同じ意図がありました。
そして、堺屋氏原作の小説がNHK大河ドラマに採用されることにより、
織田信長のイメージがいよいよアメリカ合理主義に塗り替えられ、
現代人の頭に刷り込まれたのです。
戦前の日本人は織田信長を勤皇家とみており、
現代人の歴史ファンたちは「そんなイメージは古い、時代遅れた」と言って
否定しましたが、実は、戦前の人たちがもっていた織田信長のイメージのほうが
実は実在の織田信長に近いものだったのです。
歴史的史料価値の低い「明智軍記」を利用し、
明智光秀は小説の中で善人に書き換えられ、
織田信長は産経新聞社のアメリカ礼賛の社風の中で
「アメリカ合理主義者」に書き換えらえました。
実際の織田信長の実像は、
戦前の日本人がもっていた織田信長のイメージが近いものだった。




