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14 魔物領中層


 頭部を破壊してしまった巨大怪鳥を木に逆さ吊りにして血を抜きながら、血の匂いに惹かれてやって来た魔物をガルと共に狩る。

 赤毛の巨大剣牙虎、巨躯牛頭の魔獣人、燃え盛る鱗の巨大蜥蜴。

 我とガルが連携すればどうにかなる程度はあるが、どの魔物も大きく手強い。

 先程の巨大怪鳥も同じだが、明らかに魔物領とはいえど浅層に気軽に出て来るランクの相手では無かった。


 そして本来魔物領の浅層、外周部に巣食って居るであろう下級種の姿は今の所全く見掛けて居ないのだ。

 つまりより上位の魔物が中央より押し出され、居場所を失った下位の魔物は既に中立地域に流れ出たのだろう。

 北部からやって来た我等とすれ違わなかった事を考えたなら、予想通り人間領へと向かったと考えられる。

 付近の人間領は、未だ表立って敵対してないとは言え、何時ぶつかり合うかわからぬ相手だ。

 暴走した魔物等には精々頑張って貰いたい。


 血が抜けたようなので羽を毟り、切り分けて肉となった巨大怪鳥に、岩塩を削って振りかけた。

 先程の戦闘の際に圧し折れ倒れた木から、幻想魔術で水を抜き、風で切っては薪に変える。

 ついでに作った串に肉を刺し、魔術で付けた火で炙り、焼けた傍から口に運ぶ。


 適当に叩き潰したが故に血抜きが上手く行ったとは言えないし、そもそもが巨大な魔物の怪鳥の肉だ。

 然して味に期待はして居なかったが、……思ったよりも悪くは無い。否、寧ろ美味いと言えよう。

 ガルは火を通さぬ方が好きらしく、生の肉をガツガツと狼の姿のまま喰らっているが、その表情は非常に満足気である。


 そう言えば、魔物に関して学んだ時に、ランクの高い魔物の肉は美味いと聞いた覚えがあった。

 倒した他の魔物をチラと見るが、持って帰るのは無理だろう。

 収納に関しての魔具は、行商人のワケットなら持っていただろうから借りるべきであったと、今になって悔やむ。

 味は気になるが、他の魔物は打ち捨てるより他は無かった。

 無論魔物領でなら、他の魔物の餌となるだろうからその肉が無駄になる事は無い筈だが、……とても惜しい。

 魔王にあるまじき未練がましい思考を、頭を振って追い払おうとしたその時、遠く、遥か遠くでズンッと重い地響きが鳴る。




 急ぎ高めの木に登り、視力を強化して眺めると、遥か遠くに巨大な身体が森を流れるのが見えた。

 其れは我がこの世界に来て初めて見る、圧倒的存在の姿。

 森の木々を打倒しながら進む、グランワームの威容。


―グゥォォォォォォォォォッ―


 遥か遠い場所からなのに、ビリビリとした空気の震えが咆哮と共に此処まで伝わって来る。

 怒りと苦痛に満ちた、絶叫の様な咆哮。


 其れを耳にした瞬間、どうしようもない、我はそう思ってしまった。

 茫然と見守っていると、その壮大な巨体はやがてより深い森の奥へと消えて行く。

 存在の格が違い過ぎだ。此処で魔物を狩り、多少レベルを上げた所で、あんなものを相手に出来よう筈が無いではないか。


 最初から決めていた事でもある。

 グランワームが起きていた場合は、手に負えぬ事が明白なので切り上げて帰還を行う。 

 ……そう、此れは仕方のない事だ。

 魔王たる我には民が居る。彼女達を預かる自分が、無駄死にする訳にはいかなかった。


 でも、でも、だからこそだ。

 我は彼女達を、気圧された己が退く為の理由に使ってはならない。

 其れは誇りを地に捨てる行為である。己を折り、矜持を踏み躙り、立ち直れなくする行為である。

 己が守るべき物を、己が恐怖から身を守る為の言い訳に使う等、許されよう筈が無いではないか。


 深い、深い、溜息が漏れた。

 未だ何の情報も掴んで居ない。事態の厄介さがわかっただけだ。

 此処ではっきりとした成果を得るか、或いは己の限界まで粘った後で無ければ、退く事は出来ない。

 そうで無ければ、二度と彼女等に安心せよと、魔王たる我が守る等とは口に出来ないのだから。


「ガル、すまんが調査は続行だ。明日はもう少し深部へ潜る。魔物を狩りながら地力を上げ、異変を探るぞ」

 傍らのガルに声を掛ければ、此奴はまるでそれが当たり前だろうとでも言うかの様に、一声吠えた。





 魔物領を深部に進めば進む程、魔物の手強さは増し、けれども出現数は減少して行く。

 実力に欠ける個体程、浅層へと移動しているのだろう。

 故に深層に残る魔物はどれもこれもが強力な力を持つ個体で、時には我とガルで連携しても危うい強敵ばかり……、の筈だったのだが、何故かそこには思いもよらぬ例外があった。


 深部に進めば進む程、何故か浅層では姿を確認出来なかった植物系の魔物が増えて行くのだ。

 決して弱い下級種ばかりではないのだが、それでも深部に残った魔物等に比べれば取るに足りない弱き存在。

 不審に思い、暫く隠れて観察して見れば、奴等は根を足として動かしながら、遅々とした歩みで深層を目指している。

 植物型の魔物と言えど、意思はあるのだ。今の魔物領の深部域が危険である事位は理解している筈……。

 ならば何故、此奴等は死地とも言える深層を目指すのか。


 考えられる可能性は一つだった。

 深層には植物型の魔物達を呼び寄せる事の出来る存在、具体的には彼等の王たる上位種が居るのだろう。

 だからこそ奴等は身の丈に合わぬ領域に侵入する愚を冒してでも、その前にはせ参じようとしているのだ。


 多くの魔物が浅層へ、そして元より浅層に居た魔物は魔物領の外にまで逃げ出した。

 そんな状況でまるで流れに逆らうかの様に深層を目指す植物型の魔物と、その要因であろう上位種。

 明らかに魔物領で起きている異変に、その植物型魔物の王たる上位種が関わっている事は容易に想像が付く。

 何となくだが異変の全容が見えて来た気がする。

 其れはとてもとても厄介で、対処し辛い物である事は間違いなかった。




名称 アシール

種族 魔王

年齢 0(?)

髪色 黒 瞳 黒


レベル 9 → 10 → 16

生命力 140 → 150+50 → 290

魔力  230 → 250+50 → 480


STR 75  →  80+50 → 178

INT   121 → 128+50 → 238

DEX   93  →  99+50 → 203

VIT  80  →  85+50 → 183

MND  103 → 109+50 → 213


戦闘技能

武器類取扱(低)→(中)

魔術技能

魔力操作(高) 強化魔術(高) 幻想魔術(中) 治癒魔術(中)

他技能

感知(中)

ギフト

『貯金』魔王銀行を何時でも何処でもご利用になれます

現在貯金額(大)G

魔力貯金額(中)P


所持品

黒鉄の重メイス

魔王の服(防御力小、清潔、自動修復付与)


*

10レベルボーナス!

全能力値+50、レベルアップ時の成長率が上昇



名称 ガル

種族 黒狼人

レベル 1→8


生命力 210→350

魔力 110→145


STR 120→162

INT   40→68

DEX   140→224

VIT  100→149

MND  50→71


戦闘技能

格闘(低)→(中)

魔術技能

咆哮(低) 加速(低)→(中)

他技能

感知(低) 隠密(低)→(中) 統率(低)


所持品

無し




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