核兵器が使えない、近未来世界
「うわぁー、えぐいなアレ」
俺は頭上で戦略級核兵器がバクサンするのを目撃して、そう呟く。
「でしょう、わたしもそう思っているのよ」
彼女はシャルロット、
俺がこの地上、精霊という存在が認知された、ちょっと未来の世界に来てから出会った、少女だ。
「あれって、どういう仕組みなんだ?」
「そうねぇ~」
考えるように首を傾げている。
少し間があったので、なんとなくとも、彼女を注視する形になる。
感想として浮かび上がるのは、
「こりゃ、とんでもねえ美少女だ」って感じの奴。
まずは目に飛び込んでくる、金髪碧眼である。
次にその、超絶的に超越的なナイスプロポーションだ。
さらに見れば、透き通るような宝石のアイスブルーに引き込まれる、深みのある魅力的な瞳。
さらにさらに見れば、全体を統合して溢れる、形容不可能な彼女の圧倒的にこちらを呑み込まんとするカリスマ性。
「話すと長くなるわよ?」
「いいから頼む、俺はアレの説明をもとむ、是非とも納得がしたい」
変な口調にもなる、素なら、たぶん、こんなヘンテコな電波ちゃんみたいな語り口調にはならんはずだ。
「そうよね、知りたいわよね、確かに、わたしだって初見であの光景を見れば、ビックリするでしょうし」
上空では、さらに幾つも爆発が起こり、花火のよう。
「あれは精霊が止めているの、
この国では、許可なく、ああいう爆発が起これば、止まるようになっているのよ、
特に、ああいう広範囲に影響するタイプの爆発は、大規模に精霊が干渉できて、止められる、
逆に、狭い範囲での爆発」
シャルロットは銃を取り出し、虚空に向ける、そして発砲。
「このように、大規模に精霊が干渉できず、さらに広範囲に影響しないタイプの爆発は、止められないのよ」
「うーん、言っている事は、なんとなく理解できるのだが」
納得ができない、そもそも精霊のアレコレについても、俺の中でリアリティーが薄いのだから。