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葵君と愉快な友人達  作者: ミサ
早すぎる追憶編
4/5

葵くんの悩み

「そう言えばお前、最近部活どうなんだ?」

あれからクラスメイトの事で散々葵と悩んだあと、俺はふと気になったことを口にした。


葵は現在、部活に入って活動している。家の都合で週三回は、早く部活動を切り上げて帰る事になっているらしい。

こうして今二人で帰っているのも、週三回の家の都合ではやく切り上げたからだ。


「あはは‥部活か‥」

俺の言葉に葵は何かを思い出したのか微妙な顔をした。


「ん?何かあったのか?」

出会って一ヶ月の付き合いだか、葵がそんな顔をするのほ珍しい。

水川 葵と言う人物は常に笑っていて楽天的な考えを持つ。たまに意味分からないことを言ったり、聞いたことの無い歌を話しの途中でいきなり歌いだしたり、つねにポジティブな人間だ。何かに悩んだり落ち込んだりする所は珍しい、とゆうか絶対に無い。


「ははは・・・何かってゆうか・・最近、部活の皆が冷たくてさ‥」

「冷たい?どんな感じで?」

「なんて言うかさ‥」

そうして葵の口から語られたのは今から一時間前のことだった。


ーーーーーーー

一時間前


「ねえねえ、みっなちゃん〜」

「‥‥ふ〜ん‥‥」

「‥‥」

無視。


「なーなーちゃ〜ん」

「うせろ」

「‥‥」

追い出される。


「ゆっゆかちゃーん‥‥」

「水川さん、黙ってて」

「うわーん‼」

とうとう僕は泣いた。


ーーーーーーー


「皆んなさ、話し掛けても冷たくてさ‥」

「お前嫌われてないか」

なんだ、その部活!?

俺が、マジかこいつてきな目で見ていたのに気づいた葵は、はっとしていきよい良く首を横に振りだした。


「ええー‼そんな事ないよ!。嫌われてたらもっとひどいし‥」

「どんな?」

俺の問い掛けに、葵は少し戸惑うそぶりを見せた。

だが、しばらくして口を開いた。


「えっとね、力ずくで部活から追い出そうとするんだ‥」

「怖いな!」

もう一度言う、なんだその部活!?


「お前の入っている部活なんなの?」

一体、葵の入っている部活はなんなのだろうか。気に入らない部員を追い出せるということは、力関係のある体育系の部活なのだろうか。


「ええと、げっ芸術部なんだ」

訂正、全く関係無かった。思いっきり文化系だった。

もう三度言おう。なんだその部活。


「お前‥その、大変だな‥」

俺はなんとも言えない顔で葵を見る。

そんな俺の様子を見た葵は、肩を落として苦笑する。


「いやそうでも無いよ、皆んなと部活動するの好きだし、楽しいよ‥‥」

葵はふいに夕陽が落ちてオレンジ色に染まった空を眺めて言った。その顔は僅かに目を細めていて、何かを思い出しているようだ。


沈黙がしばらく続いた。

ただ二人分の足音が聞こえた。

一分、それ以上の長い時間が経ったように感じた。

葵が口を開く。


「でもまぁ、文化祭の期限が迫っていて皆んな必死に作品を作っているのに、遊んでいた僕も悪いのかもしれないね‥‥」

「やっぱ訂正、お前が悪いわ」

俺の妙な感動を返せ。


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