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『水の底から』  作者: 赤虎鉄馬
1/3

『水が‥。』



冒頭


  引っ越してきたのは、築30年の木造アパートだった。


家賃は安いし、駅も近い。 唯一の難点は、水まわりが古いということくらいだ。


「まあ、慣れればなんとかなるか……」


古びた洗面台の蛇口をひねると、しばらくしてゴボゴボと音を立てながら水が流れ出した。 透明だけど、少し――鉄のような匂いがする。


(さすがに、水道管が古いか)


その夜、眠っていると、風呂場のほうから音がした。


――ポタ……ポタ……


水滴が落ちるような、小さな音。 気にせず眠ろうとしたが、音は止まらない。 それどころか、音の間隔がどんどん短くなっていく。


――ポタ、ポタ、ポタポタポタ……


「……え?」


恐る恐る風呂場のドアを開けた。 だがそこには――何もない。


……ただ、床がびっしょりと濡れていた。


蛇口は閉じられていた。 でも、音は……まだどこかから聞こえてくる。


――部屋の中で、“水音”が増えていく。




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