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ウィッチエアクラフト 〜魔女は空飛ぶ法機に乗る〜  作者: 朱坂卿
最終翔 運命の選択  
192/193

#191 獣の数字と七つの鉢

「ま、魔女木さん……?」

「ミリアにメアリーさん! な、何で……?」


 ふふふ、ああ愉快なまでの相変わらずの呆けようだな魔女共! 


 言ったはずだ、"私"の筋書き(スクリプト)はどう妨害されようとも最終的に人類救済という目的までのルートを再計算し大局的辻褄合わせとしてそれを果たそうとすると!


 青夢は大局的辻褄合わせとして、新たなるダークウェブの王たる黒客魔レッドドラゴンとなったのだ!


「そ、そんな! ま、魔女木さんが……?」

「あ、新しいダークウェブの王……?」


 ああ、その通りさ!


 ほら見ろ、東京湾上空に浮かぶローブを着た七人の吹き手を!


「! ま、マリアナ様あれは!」

「あ、あれって!?」


 奴ら、いつの間にか喇叭ではなく鉢をそれぞれにもっているだろう?


 そうだ、あの鉢が傾けられた時。

 人類の救済となる七つの試練が、人類に襲いかかる!


 さあそれでは……こうして3つのVIが再び生まれた今、全人類への、獣の数字の刻印を開始する!


「け、獣の数字……? それは何のことであって……っ!?」


 おやおや、"私"の言葉に戸惑うマリアナの頭には何やらURLが浮かび上っているぞ。


 hccps://www.MarianaMahotokein.lln


「こ、これはわたくしの名前……? まさか、わたくしのURLだとでも言いたくって!?」

「ま、マリアナ様! わ、私の頭にもURLが!」


 ああ、そうさ。

 そのURLの頭――ホスト名のWitch Wonder Wiringこそが獣の数字だ!


 URLの末尾についている.llnのドメインは、黒客霊リリンとなる貴様らに与えられるものだよ!


 だが安心しろ……貴様ら強力な法機を持つ魔女たちは特別だ!


「と、特別ですって!?」


 ああ、一番最後に救済してやる。

 そうして救済の、見届け人になるのだ!


 さあ行け……黒客魔レッドドラゴン!

 全てを、救うのだ!


「……はい、"あなた"様! さあ電使たち……その手に持つ鉢を傾け、人類に救済のための試練を齎しなさい!」

「! ま、魔女木さん!」


 黒客魔サタンの時と同じく、七つの頭から座乗する青夢の声を出し黒客魔レッドドラゴンは答える。


 ははは、マリアナたちは未だに戸惑うか。

 まあ、無理もない。


 かつての戦友がこんなことになってしまっては戸惑うばかりだろう?


 だが、もう止められない!


 青夢いや、レッドドラゴンが命ずるままに電使たちは鉢を傾けていくからなあ。


 ◆◇


 さあ、第一の鉢は傾けられた!


 蜘蛛男の騎士王直衛騎士団の幻獣機キャンサーを獣の数字が割り当てられた人間たちにインストールし!


 悪性の腫れ物による試練を化す!


「……うぐ!」

「!? ま、真白! ど、どうしたの真白! ……ぐっ! き、きゃあ!」

「く、黒日!」


 おや、青夢の親友二人か。

 さあ……救済されろ!


 fcp> open ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 NAME:> MasiroMadoka

 PASSWORD:> ********


 fcp> cd infection


 fcp> mput cancer.edrn


 fcp> close


 dnscmd /recordadd www.MasiroMadoka.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4




 fcp> open ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 NAME:> KurokaIshima

 PASSWORD:> ********……


 ……


 fcp> close


 dnscmd /recordadd www.KurokaIshima.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4


「な、何なのこの頭に浮かんで来るコマンドは……?」

「わ、分からないけど……あ、青夢は大丈夫かな……?」


 おやおや、この期に及んで親友の心配か。

 だが安心しろ。


 その親友により貴様らは、救済されているのだからなあ!


「……ま、真白……」

「ね、眠いよ黒日……一緒に寝よう。」


 おやおや、どこかで聞いたようなやり取りだがまあいい。


 真白と黒日は、こうして眠りに落ちて行く――


 ◆◇


 さあ、電使により次たる第二の鉢も傾けられた!  


 魚男の父艦レヴィアタンによる赤い海の再来だ!


「はっ、"あなた"様のご命令ならば!」

「! く、母艦型幻獣機いつの間に!?」

「ま、マリアナ様! 早く、迎え撃たなくては!」


 慌てて迎え撃とうとするマリアナたちだが。

 "私"の力により、法機の操作がおぼつかずに苛立つ。


「な、何故であって!? こ、このままでは!」


 くくく、動けないだろう?

 そうだ、貴様らがそんな風では何も救済できん!


 だから、"私"たちの救済をただ見守っていればいいのだ!


 "私"の呼びかけと共に、父艦レヴィアタンの力により海は赤くなり。


 そこから発生した雨雲は市井に広がっていき、雨となり降り注ぐ。


「く……ぐああ!」

「く……ま、マリアナさん……」

「!? お、お母様!」

「! し、社長!」


 おうや、魔法塔華院コンツェルン本社ビルにも降り注ぎ。


 マリアナの母たるコンツェルン社長も救済されていくか。


 dnscmd /recordadd www.AriaMahotokein.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 そうだ、少し辛いが。

 この試練を乗り越えた先にこそ、救済がある!


 ◆◇


「そ、そんな……」

「マリアナ、様……」


 ふふふ、そう悲しむこともないさ!


 さあ、第三の鉢も傾けられた!

 虎男のコロリーズジャームの再活性化だ!


「はっ、"あなた"様のご命令とあれば!」


 ファングが、"私"の命令に応じ。

 そのまま、あの電使細菌を齎す。


「!? 什么? な、何が……ぐうっ!」

「! ヌ、女夭!?」


 おや、あれは鬼苺とやらの友達か。


「く……ま、マギー……」

「!? ま、ママ! デイヴ!」

「お、オモニ!」


 おやおや、

 だが、何度も言うが光栄に思え。


 これは、救済なのだからなあ!


 fcp> open ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 NAME:> NuyaoKi

 PASSWORD:> ********


 fcp> cd infection


 fcp> mput kororisgerm.edrn


 fcp> close


 dnscmd /recordadd www.NuyaoKi.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 fcp> open ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 NAME:> DavidRYSo

 PASSWORD:> ********


 ……


 dnscmd /recordadd www.DavidRYSo.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4


「ま、マギー、元気でね……」

「ああ、マギー元気で……」

「小鬼、元気で……」

양현아(陽玄ちゃん)……元気でね。」

「ママ、デイヴ!」

「女夭!」

「オモニ!」


 ああ、今や世界中から黒客霊リリンになる魂が集まりつつある。


 しかし、人間とはやはり分からんな。

 先ほどの真白に黒日やマリアナ母がそうであったように、何故自分よりも他人を気にするのか。


 ◆◇


 さあ、まだまだ終わらんぞ!


 第四の鉢は傾けられた! 鳥男の騎士団の太陽戦車による太陽の灼熱という試練を、人類に与えよ!


「はあい……承知いたしましたわ“あなた”様!」


 “私”の命を受けフリップが動き出す。

 彼はすでに衛星軌道上に待機させている飛行艦(チャリオット)太陽戦車(ソールズチャリオット)を作動させた。


 たちまち地上に、灼熱が齎される。


「ぐ……ぐああ!」

「くっ……ああああ!」


 とはいっても、実はこれは仮想世界の出来事だ。

 実際に起こっているわけではないのだが、人間たちはこの疑似的な灼熱の禍に身を焼かれ苦しむという試練を与えられた時漸く救済されることができる。


 さあこれで、また多くの魂が救済されていくぞ。


 ◆◇


「お母様……」

「マ、マリアナ様! このままでは」

「……分かっていてよ、そんなことは!」


 おやおや、仲間割れとは感心しないな。


 さて、そうこう言っているうちに。

 電使によって傾けられた第五の鉢によって、狼男の騎士団による闇の到来という試練が与えられるぞ!


「はっ、"あなた"様!」


 さあ次は。

 狼男の父艦フェンリルも、宇宙で動き出している。


「さあフリップ殿……お前を飛行艦ごと食わせてもらうぞ!」

「ええ、いいわ! それが"あなた"様のお望みならば!」


 今度は父艦フェンリルが、ガバリと口を開け。

 そのまま飛行艦(チャリオット)太陽戦車(ソールズチャリオット)が呑み込まれて行く。


 さあこれで、闇が齎されるぞ!

 たちまち闇の瘴気が、今度は仮想世界ではなく実際に世界に広がって行く。


「く……ぐう!」

「! ふ、巫術山教官!」

「くう!」

「!? お、お母様!!!!????」


 おやおや、自衛隊の巫術山や龍魔力四姉妹の母元子もこの試練を受け苦しんでいるか!


 その様はそれぞれ、試練がこれからのお楽しみになっている力華や四姉妹の脳内にも中継されている!


「よ、妖術魔二等空曹……奮闘せよ、き、きっと勝機はある……」

「教官!」

「ま、負けるんじゃないわよ私の娘たち!」

「お母様!!!!」


 やれやれ、まったく。

 ここでも他人を気にするか。


 dnscmd /recordadd www.MayuFujiyama.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 dnscmd /recordadd www.MotokoTachimana.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 まあともかく。

 これでまた、かなりの魂が救済されていく――


 ◆◇


 さあ……残るは貴様らだけだな強力な法機を駆る魔女たちよ!


 第六の鉢も傾けられたな、馬男の騎士団による最終決戦ハルマゲドンが始まるぞ!


「はい、"あなた"様。私ビクトリュークス、奮戦いたします……」

「はい、"あなた"様。この私レッドドラゴンも」

「く……もう、いい加減になさい魔女木さん! よくも……わたくしの母を!」

「マリアナ様! 私もお供いたします!」


 おやおや、マリアナと法使夏は各法機を駆り、黒客魔レッドドラゴンに突撃を仕掛けてくるか!


 だが。


「……我らがレッドドラゴン様に手出しはさせない!」

「く、メアリーさん!」

「ミリア!」


 その前に立ちはだかるは、メアリーとミリアが駆る黒客魔の僕。


 宙飛ぶ魔人艦スペースフライングボータウラスゴグ・マゴグだ!


 上半身の胴体は一つながらも、首が二つあるこのゴグ・マゴグはマリアナの法機カーミラと法使夏の法機ルサールカを単騎で押さえ込めるぞ!


「く……あなたたちも魔女木さんも! ご自分が何をしておいでか分かっていらして? あなた方は人類を救ってなどいなくってよ!」

「そうよ……ミリアもメアリーさんも目覚めて! このままじゃ!」


 ふん、貴様らは邪魔をするな!


 “私”の忠実なる新たな王の、邪魔はさせんからな!


 “私”は、黒客魔マスターセリアンの双胴式機体後部電使翼機関(ジェットエンジェン)から爆炎を噴き出し急加速する。


「hccps://sylph.wac/、Select 風元素(エレメンタルウインド)! Execute!」

「hccps://kumiho.wac/、セレクト! 九尾(ナインアーツ)――傾城の美女コンフュージングチャーム エグゼキュート!」

「hccps://andromeda.wac/、セレクト 流星弾(メテオバレット) エグゼキュート!」

「hccps://hel.wac/、セレクト 地獄誘い(ゴートゥーヘル)! エグゼキュート!」

「hccps://eingana.wac/、Select! 虹の彼方(オーバーザレインボー) Execute!」

「hccps://xiwangmu.wac/、セレクト! 死鎌爪(クローサイズ) エグゼキュート!」

「hccps://takiyasya.wac/、セレクト! 髑髏剣(スカルズブレード) エグゼキュート!」


 と、そこへ。

 中韓欧米豪の魔女たちの機体群も、こちらに攻撃を放って来るぞ!


 しかし。


「hccp://baptism.tarantism/、セレクト 悪魔の交響曲デモニックシンフォニー エグゼキュート!」

「hccp://baptism.tarantism/、セレクト……」

「!? what!?」

「くっ!」

「Q、Quoi!?」

「뭣!?」

「什么!?」

「く、あの耳障りな音であってよね!」


 それを阻むは、シャルル以下馬男の騎士団による衝撃波だ。


 たちまち攻撃は、"私"や黒客魔たちの前で爆発させられ届かなくなる。


 しかも、それだけではないぞ。


「く! な、何なんだこれは……?」

「い、いや……何この音色は!?」


 世界の人間たちにも、この音色は響いている。

 救済の前の、葬送曲としてな!


「……く、負ける訳にはいかなくってよ! わたくしたちがここで!」

「ええ……そうですよねマリアナ様! ミリアもメアリーさんも……助け出さないと!」


 ふうむ、しかし魔女たちはまだまだやる気か。


「私たちも忘れてないかしら!」


 ――はい姫、まったく失礼極まりないですね!


「父さん、俺たちも行きましょう!」

「がるるっ!」


 おやおや、尹乃にシュバルツに盟次たちも参戦か。

 いいだろう、これぞまさにハルマゲドンらしいじゃあないか!


 いいだろう黒客魔レッドドラゴンにバビロンにも、"私"にとっても救済前のいい余興だ!


「ええ……そんな風に舐めてもらっては困ってよ! ……セレクト ファング オブ バンパイヤ! さあ我が魔法塔華院コンツェルンの法母よ潜水法母よ、誘導銀弾(シルバーブレット)群発射! もはやあの"私"とやらも……黒客魔とやらも、一度攻撃して目を覚させてやらないとね!」

「は、はいマリアナ様!」


 おやおや、マリアナは尚もゴグ・マゴグと対峙しつつ。


 いつぞやの法母プリンセス オブ 魔法塔華院を遠隔操作し。


 その飛行甲板を開き中から誘導銀弾(シルバーブレット)群を発射し、更に海中の潜水法母群からも弾幕が展開されたぞ!


「ふん、奏で続けよ! 悪魔の交響曲デモニックシンフォニーを!」

「はっ!」


 しかし、またもシャルル以下馬男の騎士団は衝撃波を放ち続け。


 攻撃はやはり、"私"たちには届くまいよ!


「マリアナ様! ……セレクト、儚き泡バブリングパニッシュメント エグゼキュート!」

「……セレクト、hccps://hekate.wac/WildHunt.fs?assault=true――セレクト、王神の槍(グングニル) エグゼキュート!」

「セレクト 地獄誘い(ゴートゥーヘル)! エグゼキュート!」

「私も! オモニをよくも!」

「よくも女夭を!」

「よくもママやデイヴを!」

「Yeah! これ以上は!」

「Oui!」


 おやおや、無駄と知りつつも!

 攻撃を、放って来るか!


 だが残念。


 やはりそれらはシャルルらの衝撃波に、阻まれてしまうんだよ!


「よくもお母様を! ……セレクト、ブーティング "(ゴルゴニックアイズ)"!」

「! 総員、散開!」


 ふん、夢零が法機に融合している幻獣機の"(ゴルゴニックアイズ)"を発動させるか! 


 しかしその照準をシャルルたちは、動き回ることで回避するぞ。


「……セレクト、グライアイズアイ エグゼキュート!」

「……セレクト、グライアイズファング エグゼキュート!」

「……セレクト デパーチャー オブ 誘導銀弾(シルバーブレット) エグゼキュート! お母様を返して!」


 しかし、それで幾分か防衛線が緩んだ隙に。

 龍魔力四姉妹も、攻撃を放って来るか。


「今であってよ皆さん! あの隙間に攻撃を!」

「はい、マリアナ様!」


 ふん、これを好機と見るか!

 だが、貴様らがそう戦っている内にも。


 dnscmd /recordadd www.xxxxxxxx.lln A ×××1.×××2. ×××3. ×××4……


 人間たちの魂は、集まって来ているのだ。


 ◆◇


「くう、これでも攻め切れなくって!?」

「ま、マリアナ様あれを!」


 ふん、尚も魔女たちがここに攻撃を加える間に。


 最後の電使により第七の鉢も傾けられた……さあ魔男に巨男や雪男、木男や蝙蝠男に龍男、牛男の騎士団による大地震が起きるぞ!


「!? こ、これは!」


 ああ、更に"私"たちにも空から援軍だよ!


 魔男の騎士団の父艦ロキ、巨男の父艦トール、木男の父艦ユグドラシル、龍男の父艦ニーズヘッグ、牛男の父艦グリブルンスティ。


 残りの騎士団が、一斉に集結だ!


「く……引き続き攻撃を……って! な!」


 おやおや、五つもの父艦を相手にしてこれまで通り行くと思ったか!


 そんな甘い見通しを打ち砕くように、父艦トールは雷鎚と化した右腕を振るい魔女の法機群を散り散りにして行き。


 海上の魔法塔華院の法母を破壊し。


 さらに父艦ロキも海中に槍を突き立て、潜水法母群を破壊していく。


「く、マリアナ様! ぐあ!」

「ら、雷魔さん!」

「お姉様!」

「姉貴!」

「お姉さん!」

「く、ここまでの母艦型幻獣機が出てくるなんて!」


 ふふふ、魔女たちは戸惑っているな!

 さあゴグ・マゴグ!


 今だ、魔女たちを蹴散らせ!


「はっ……"あなた"様のご命令とあらば!」

「く、ミリア!」


 幻獣頭法機ゴグ・マゴグも、二基の電使翼機関(ジェットエンジェン)より火を噴き。


 そのまま魔女たちへと、攻撃を仕掛ける。

 さあ黒客魔レッドドラゴンやバビロンも!


「はい、"あなた"様!」

「"あなた"様のご命令ならば……」

「くう、魔女木さん!」

「魔女木!」


 ふふふ、やはり忠実な王と女王だ!

 レッドドラゴンは七つの口から炎弾を放ち。


 バビロンは腰から生える虎のごとき七つの頭より炎弾を放っていく!


「きゃあああ!」


 ああ、それらは強力な弾幕となり降り注ぐのだ。


 更に、それだけではない!


「僕も邪魔はさせないよ……“あなた”様やレッドドラゴン様の邪魔だけはねえ!」

「! や、矢魔道さんであって!?」


 ああ、カインも法機レッドサーペントに乗り現れたな!


 たちまちゴグ・マゴグやレッドサーペント、父艦や魔女たちは入り乱れての大乱闘だ!


「……魔女木さん、あなたは本当にこれで良くって!?」

「そ、そうよ魔女木!」


 おやおや、やはり貴様らもまだ青夢を――戦友を、思いやるのか!


 だが、自分たちの心配をした方がいいのではないか?


「く! ま、マリアナ様これは!」

「これは……また、頭に!」


 ああ、そしてな。

 父艦トールやロキが地を踏む度、先ほどのシャルルらのような衝撃波が放たれるのだよ!


 そうだ、魔女たちよもう苦しむことはない。

 今、楽にしてやろう!


「!? what!?」

「くっ!」

「Q、Quoi!?」

「뭣!?」

「什么!?」

「くう! き、教官……術里!」

「い、妹たち!」

「姉貴!」

「お姉様!」

「お姉さん!」

「く、シュバルツ!」


 ――姫、ご心配要りません……私は、あなたとどこまでも!


「父、さん! 最期は、ご一緒に……」

「がるるるっ!」

「マリアナ、様……ミリア……」

「ら、雷魔さん……」


 ふん、そうだこれが救済だ!

 今、楽になるぞ……


 dnscmd /recordadd www.MarianaMahotokein.lln A

 ×××1.×××2. ×××3. ×××4


 dnscmd /recordadd www.HosikaRaima.lln A

 ×××1.×××2. ×××3. ×××4……


 さあ、騎士団長たちも!

 今楽になるとよい……


「……はっ、"あなた"様……」


 "私"の呼びかけと共に。

 新たな12騎士団長たちもまた、救済されていく――


 ◆◇


「"あなた"様。ついに……人類の救済は果たされました。」


 ふふふ、ははは!

 "私"の器たる黒客魔マスターセリアンの後ろで、黒客魔レッドドラゴンにバビロンは頭を垂れている。


 そうして"私"の前には、無機質に飛び回る法機群にワイルドハントやスフィンクス艦が。


 意識は既に、ダークウェブにアップロードされているが。


 まだ仮想世界に生まれ変わらない内は、こうして身体も動く。


 そうだ、まだ救済は不完全だ!


 さあ、あとは仮想世界にこいつらを産み落とすだけだな! hccp://baptism.tarantism/、サーチ 黒客霊リリン!


 おお、検索すれば出てくる出て来る。


 hccps://www.MarianaMahotokein.lln

 hccps://www.HosikaRaima.lln

 hccps://www.InoOmamyu.lln

 hccps://www.ReiteZippouin.lln……


 さあ……今度こそ本当に救済を果たさねば!

 こいつらを仮想世界に、黒客霊(ハックリョウ)リリンとして転生させるのだ黒客魔レッドドラゴン!


「ええ……そうね、"あんた"!」


 ははは、そうだ!


 ……ん!? な、何?

 何だその口の聞き方は!


「そうね……私が"あんた"の忠実なダークウェブの王なら、こんな態度とっちゃダメよね?」


 ふん、分かればよい……

 いや、よくない!


 まさか、貴様。


 自我を、保てているというのか!?


「ええご明察よ"あんた"! さあ始めましょう……人類の、真の救済を!」

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