二十三話 最強剣士、殴り込む
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「……どうやら、レシア様のお仲間方がこちらに向かっていらっしゃるようです」
「……むぐっ?」
ベッドの上で、芋虫を頬張っていたレシアは、アリアの言葉に首を傾げた。
レシアの仲間というと、間違いなくオルト達のことだろう。やはり、オルトが助けに来てくれたと、レシアは内心で歓喜する。
それと同時に、不安にもなる。
「……お仲間の方々は、ご主人様の四天王――魔人の方々がおもてなししているそうです」
「……そうですか」
レシアは芋虫を飲み込むと、徐に立ち上がった。
オルト達が来たのなら、レシアもこのタイミングで動くのがベストだろう。
それを察したのか、アリアが瞳を伏せる。
「お出掛けになられるので?」
「止めないのですか?」
「……ご主人様が見ていらっしゃいますから」
レシアが部屋の隅を一瞥すると、ムカデがカサカサと壁をよじ登っているのが見えた。
『そう、簡単には行かせないとも。我が花嫁』
「もうここの生活は満喫しましたから、そろそろお暇させていただきます。アリアさん、玄関まで案内してくれますか?」
「かしこまりました」
『…………』
アリアに続いて部屋を出たレシアに、蝿の王は何も言わない。
玄関まで移動したレシアは、口を開いた。
「ここまでありがとうございます。アリアさん」
「いえ、これが私の仕事ですから……」
「短い間でしたが、楽しかったです」
「そうですね……私も、少しだけ楽しかったです」
レシアはそれを聞くと、微笑み……玄関の扉に手をかける。すると、屋敷内に深淵から響くような声が轟いた。
「行かせないとも。ああ、行かせないとも。我が花嫁。ああ、我が花嫁!」
「来ましたか……蝿の王」
レシアが振り返ると、全身蟲に覆われた魔人が立っていた。レシアは神器を呼び起こし、体に桃色のオーラを纏う。
「さあ、アリアさんは下がっていてください……あ、そうだ」
「……?」
レシアは思い出し、アリアに向かって一言。
「アリアさん。最後に……人間の私が言えることではないと思いますが、あなたは半端者なんかじゃないと思います。だから、自信を持ってください」
「…………レシア様」
レシアの言葉に、アリアは虚を突かれた表情で固まる。
レシアはアリアから視線を切ると、蝿の王を見据えた。
「待たせましたね」
「…………ああ、我が花嫁よ。少しだけまた、眠ってもらうとしよう」
蝿の王は言いながら、その体から蟲を放つ。
生きた蟲の大群は、蝿の王に従ってレシアに襲いかかる。レシアは右手に槍を顕現させて身構えた。
蟲の大群が今にもレシアを飲み込もうと――その寸前で、屋敷の玄関が吹き飛ばされると同時に斬撃が飛び、蟲の大群を風圧で飛ばした。
「なに……?」
これに驚いた蝿の王が目を剥く。
レシアは咄嗟に振り返り、目の前に現れた人物を見て、目尻に涙を貯める。
「……おい。人の彼女に手え出してくれんじゃねえよ!」
「オルト……!」
現れたのは、刀を携えたオルトだった。
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やる気……出ます!




