四話 最強剣士、情けなく縋る
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それから翌日のこと。
二日酔いで眠りこけているレシア以外の二人……エレシュリーゼとラッセルを叩き起こし、モニカも交えて集まってもらった。
「うう……気も悪いですわ……」
「ふわあ…………で、なんなのだオルト? まだ眠いのだが……」
向かいの椅子で、二人とも眠そうにしている。
俺はテーブルに肘を置き、深刻な表情で口を開いた。
「すう……実は、みんなに大事な話があるんだ」
「……なにか、深刻なことのようですわね……?」
「ふむ……?」
事情を知らない二人は前のめりになり、俺の話に耳を傾ける。ちなみに、事情を知っているモニカは苦笑いしていた。
俺はいくらか間を置いた後、思い切って口を開く。
「……もうすぐでレシアの誕生日なのだが、プレゼントが全く思いつかない! 助けてくれ!」
「…………」
「…………」
絶句。
絶句だった。
エレシュリーゼは口をポカンと開け、あの優しいモニカでさえも呆れた様子でため息を吐いている。
ラッセルに至っては「おやすみー」と言って、テーブルに突っ伏して眠り始める始末。
「おい! 俺は真面目に悩んでるんだ! 寝るんじゃねえ!」
「いや、貴様……レシア殿のプレゼントを俺達に頼るというのは、どうかと思うのだが」
「そうですわよ……」
「普通は、自分で考えるものだと思うの」
ぐっ……!? モニカまで!?
だ、だが……こればっかりは譲れない。
レシアの誕生日プレゼントは、二ヶ月前からずっと考えていたのだ。アクセサリーといっても色々ある。服だって同じだ。
そもそも、街で売られているもので満足のいく商品があるかどうか……。俺は何事も妥協を許せない男――惚れた女の誕生日を最高にするために、まずは最高のプレゼント。そして、最高のサプライズパーティーは必須なのだ。多分。
「サプライズパーティーは……わたくしも、まあ協力いたしますわ」
「うん。私も、いいと思う! レシアさんが喜んでくれるパーティーにしようね……!」
三人とも、そこは同意してくれた。しかし、プレゼントに関しては、やはり苦言を呈す。
「惚れた女のプレゼントくらい自分で用意したらどうだ?」
というラッセルの意見に、女性陣も頷いている。味方がいない。
「市販の物が満足できないのは……まあ、オルトくんの感性って独特だからね……」
「芸術方面の才能があるというのは、面倒臭いですわね」
「はいそこうるさい」
「しかし……それならば、ご自分で納得のいくものを作ればよろしいのでは?」
エレシュリーゼがそう言うと、モニカが盲点だとばかりに手を打った。
「それだよ! オルトくん! オルトくんならレシアさんの好みとか詳しいだろうし――」
「知らない」
「え?」
モニカが首を傾げた。
俺は頬を掻きながら、
「……知らないんだよ。レシアの好きなものとか、そういうの」
「…………」
「…………」
絶句。
絶句だった。
エレシュリーゼは口をポカンと開け、あの優しいモニカでさえも呆れた様子でため息を吐いている。
ラッセルに至っては「おやすみー」と言って、テーブルに突っ伏して眠り始める始末。
おい、この流れ二回目だぞ。
「し、仕方ねえだろ!? 二人っきりだと、なに話していいか分からなくて、仕事の話になっちまって……な?」
「なーにが、な? ですの!? ば、バカですの? オルトさんは大バカですの!?」
「泣いた」
あまりの批難に、半ば涙目になる。
いや、情けないのが自分だというのは重々理解している。そうだ、悪いのは俺だ。
「だ、大体……ほら! 手作りだと重くねえか?」
「……今更ではないか? 八年間片想いしていた挙句、諦めきれずに最下層から登ってきた貴様は、すでに重いぞ? 相当」
そうだった……。
「はあ……お二人ともお付き合いを始めて半年経つというのに……これだけ進展がないとは思いませんでしたわ。手を繋いだり、キスくらいは済ませているのでしょう?」
「してない」
「え?」
エレシュリーゼが首を傾げた。
俺は頬を掻きながら、
「……してない。この半年、恋人らしいことは、特に……」
「…………」
「…………」
絶句。
絶句だった。
エレシュリーゼは口をポカンと開け、あの優しいモニカでさえも呆れた様子でため息を吐いている。
ラッセルに至っては「おやすみー」と言って、テーブルに突っ伏して眠り始める始末。
おい、この流れ三回目なんだが。
「と、とにかく! 頼む! もう俺一人じゃなにも思いつかないんだ!」
「「はあ……」」
三人とも、呆れたため息を吐いた。
いや、もう本当に……なんかごめん。
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やる気……出ます!




