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web小説も業が深いと今知った

楽しんで貰えると報われるよ。

例えば


キリスト教では世界は神が7日で創り上げたのだと言った。


ギリシャ神話ではカオス(混沌)が初めに生まれ、そこからあらゆるものが生まれたと言った。


バートランド・ラッセルは世界は五分前に作られたのではないかと言った。


ある日胡蝶がヒラヒラと舞う夢を見た荘子はあれは私が胡蝶になった夢だったのか、それとも私自身が胡蝶の見ている夢なのではないか言った。


こんな風に存在というものの成り立ちはあやふやだ。何もかもを疑って行くと自分の意識というやつ以外は証明出来ないとデカルトは結論を出したらしい。


何故こんな話をしたかって?それは俺が左手に持っている薄いゲームの説明書みたいなものにこんな話よりもさらに信じられないことが書かれていたからだ。


『貴方は私が書くWeb小説の主人公です。


あっ、私神様なんですけど最近地球のWeb小説にハマりまして、書いてみたくなってしまったのです!


ですが、文才が無いことに今更気付いてしまって…。


なので書けないのなら創ってしまえばどうだろうか?ということで創ってみました!


そもそも人間とか創ったのって私ですから、その中でうまれたドラマを意図的に状況さえ揃えれば創れるのでは?っと思った次第です!


ということで、地球にいる一人の平々凡々な男子高校生の設定とか記憶をコピって新しく創った世界に送ってみたのです!


この平々凡々な男子高校生って貴方のことですよー。


ってことで実際に起きたことを書いていくので頑張ってください!


私が飽きると世界が滅びるので10年に一度は面白いこと起こしてくださいねー。


細かい説明は次のページをチェケラ!☆ミ』


一言で言うならマジか…、である。出来れば信じたくないのが実情だ。そして、ありえないなんてのは通じないのが世の常識なんだよなぁ。俺は正直何処でもドアが何時かは出来ると思ってる。


ざっと説明書に目を通して分かった情報は


・この世界はフォルテムと呼ばれる世界


・森の少し深いところなんかに行くと、出会ってしまうくらいの頻度で魔物が生息している。


巻物(スクロール)という概念を創ってみたらしい。巻物は開いたものに特定の力を与えるものらしい(新要素だ!と勢い込んで書かれていた。)


・巻物の出現方法は三種類【通常出現】【討伐出現】【特別出現】簡単に言うとランダムと魔物からのドロップ、条件を満たして取得だ。


・ファンタジー世界らしく魔法が使える(スクロールから与えられる)


・俺は菜矢馳(ナヤバセ) (ミツル)からコピった存在


・神様は書いた小説を逐一小説サイトに送るらしい


・神様の伝えたことは他言無用。


以上だ。


何度読んでも文面は変わらないし、現実だって変わらない。最初の頃は実は夢だったなんてオチを数パーセント程信じていたのだが、こうも何日も続く夢なんて物理的に無理だろう。


とりあえずはこの説明書みたいな不幸の手紙に書いてあることを信じねばなるまいて。


初めの頃こそなんとも言えぬ喪失感だとか理不尽な現実への怒りとかそんなのもあったけど、空腹を感じてそんな薄い感情も失せた。そんなこんなで、目覚めた場所の付近にあった道沿いを適当に歩き着いたのがここアラヤ村だ。


現在はバッグ(よく外出の時などに使っていたバッグも一緒に召喚されていた)に入っていたハンドタオルがそこそこの値段で売れたので村の宿泊施設に止まっている。村とは言っても物流の通り道になっているため人通りは多く、多少栄えている。


ハンドタオルを売った理由は近くに何かの布生地を販売している店があったからという身も蓋もないような理由だ。


ハンドタオルの値段は金貨一枚と大銀貨二枚、この宿泊施設の一日の宿泊料が大銅貨3枚。わかりやすく貨幣価値を説明すると


 大金貨50万、金貨10万円、大銀貨5万、大銀貨1万、銀貨5000円、大銅貨1000円、銅貨100円、といったところだ。


これはあくまで俺の主観から見た基準であり、地球と鉱石の保有量とか採掘量とかが違っているのでざっと見た感じで、正格な物ではない。


大金貨なんて触れてもいないので存在からの推測でしかなく、実際はもっと高いかもしれない。


つまり、俺の所持金は全部で12万円。宿泊料の3000円で割ると40日分だ。これに食事代もプラスすると半分強の25日程度の額しかない。


ある程度は売れる物があると言っても何時かは限界がくる。自暴自棄になっていっそ…なんて頭の片隅に浮かんだが俺が死んだらこの世界は滅びるのではないか?とか思い始めて止めることにした。


実際は神様が今度は別人をコピーして連れてくるかもしれないし、そうではないかもしれない。


とりあえずはどうなるにしても幸福を目指すのが人間としての性である、と結論付けて思考を停止した。


藁の上に粗末なシーツを敷いただけの粗末な寝床の上で寝返りをうち、今後どうするべきか考える。


窓から入る光が鬱陶しいのだが、防ぐ手だてもない。時刻は既に昼過ぎ、太陽が2つあるこの世界でも影は地球にいた頃と同じようについている。神様のご都合主義もここまで来ると尊敬できるのかもしれない。


先ずやるべきは金を定期的に得るための食い扶持探しと、この圧倒的に目立つ姿を変えてしまうことだろう。


ハンドタオル程度なら近くの商人から買ったがいらなくなったので売るとかいう理由付けは出来たのだが、こんな服だとか、リュックだとかを何度も売ってしまえば怪しい人物を越えて襲って情報を吐かせてしまいたい人物にランクアップすること間違いなしだ。


本当に大切な物以外は一度に売ってしまい、近くの遺跡にあったが使い方も分からないから売るという理由でもつけて一ヶ所に売ってしまうのがいいだろう。その金を今後の軍資金にすべきだ。


そして食い扶持探しだ、住所不確定無職の働ける場所とは?と聞かれれば命懸けのお仕事ですね把握しておりますとも。と答えるしかない程に明確。


ざっと村の中で情報収集した結果、不審な目で見られた…のは置いといて、住所もねぇ奴の大半は冒険者になる、という神様のファンタジー小説への熱中度が丸っと分かる答えが返ってきた。


他には奴隷に落ちたり運よく拾われたりするのだということだ。「神は言った『転生者よ、冒険者になって成り上がれ』と」てな感じである。


食い扶持を見つける為には、奴隷になるのを防ぐには、怪しさ満点のこの身を守るには、強くなれという返答が一つしかないQ&Aみたいなもんだ。


御誂え向きにこの世界には手っ取り早く強くなる方法がある。拾える才能であり、買える才能であり、与えられる才能である【巻物】というものが。


巻物は重複することによって多少効果がアップすると、神様の説明書じみた手紙には書かれていた。そうであるならば手はあるかもしれない。未来に光が差しているなら目を瞑る必要はないだろう。眠るにはちょっとばかし早いってことだ。


窓から差す日差しは鬱陶しげだが、地球と変わらず安心感を放っている。不安で寝不足だった体にウトウトと睡魔が遅れてすまないと平謝りをしながらやって来たようだ。この暖かさの中で少し眠るとしよう。



あり得ないなんて言えないから現実って怖いものだね。


さて、これを読んでいる君がコピーの対象に選ばれなかったのは幸運かな?それとも不運かな?


今後の後書きは行間に呟いた菜矢橋君のメタ発言を載せていくね!


今回のメタ言!


あれ?web小説の大体ってエタルよな…

                      以上!

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