表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この壊れた世界でナニヲオモフ  作者: 政吉
第二章 “痕に残る者”
92/209

ボウソウ

まるで一人ぼっちの映画館。


上映されているのは菅野と戦う俺の視点。俺は菅野の攻撃をアクロバティックに避け続けている。俺は今までこんな動きをしたことはない。


只、ボーッと眺める事しか出来ない。


「ナツキ!!おい、聞こえてるか??」


菅野は俺に向かって声をかけるが、いくら返事をしても菅野にそれが届くことは無かった。


自分が怖くなる。このまま俺の意識は掻き消されてしまうのではないかと不安が積もる。


「おい本田、手伝え!止めるぞ!」


菅野が本田に向かって声を荒げる。


「ふむ。これは異常事態だな。仕方があるまい。」


本田は警棒を構えると、俺に向かって走り始めた。


しかし、二人になっても事態は変わらなかった。俺は二人の攻撃を避け続ける事が出来た。囲まれても一瞬で距離を取って再び避け始める。


「はぁ…はぁ…くそっ!まるっきり呑まれてやがる。こりゃあ失敗だ…。俺たちで何とか出来るか…?」


菅野は息を切らせながら本田に声をかける。まるで100メートルを全力疾走した後のような息遣いだ。


「ふぅ…。すまないが私では小鳥ちゃんの動きを捉える事は出来そうにないのだよ。」


普段の本田ではあり得ない発言だ。いつもなら自信満々に振る舞いをしそうなものだが…?


「…そういえばお前、つくしの動きが苦手だったな。組み手ではいつもボコボコにされてたっけか。」


「あの小鳥ちゃんの動きはいつも私の予想の上を行くのだよ。決して勝てない訳では無いがな。」


「わかったわかった。じゃあその勢いで耐えててくれよ。」


菅野は溜め息を吐きながらそう言った。すると本田はまたもや珍しい反応を見せる。


「ま、待て!私一人では…いやっ!ちょっ!!」


かなり焦った様子の本田を横目に菅野は部屋の隅へと走り出した。


俺は本田へと走り出すと、短く折れた右手の竹刀を降り始める。


本田はやっとの思いでそれを受け流し続ける。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ