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この壊れた世界でナニヲオモフ  作者: 政吉
第二章 “痕に残る者”
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ヘンリン

折れた竹刀の先は俺の右斜め前を飛んでいる。この先を読もうとするが、いくら考察を重ねても答えは“負け”しかなかった。


菅野は両手のトンファーを回転させながら俺の懐に振り始める。


考えるよりも先に俺の体は動いていた。


俺は空中に漂う折れた竹刀を右手で捕らえ、両手で菅野の攻撃を受け止める。


すさまじい衝撃だ。両手が衝撃でビリビリと痺れる。この衝撃は中国戦で雪に受けた攻撃を思い出させる。


この人は本気で俺に攻撃をしている。これは教育なのか?それとも何か恨みでもあるのだろうか?そんなことさえ覚える程の衝撃だった。


攻撃を防いだ俺を見て菅野は驚いた表情を見せた。だがすぐに唇をギュッと噛んで気を引き締めると、再び攻撃体制を取る。


痺れた手で次の攻撃を受け止めるのは無理だ。


俺の両手には半分に折れた竹刀。額から汗が流れるのがわかる。時間がゆっくりと流れている。研ぎ澄まされた感覚。指一本一本の感覚がわかる。


選択肢は一つしかない。



菅野は右手のトンファーを俺の鳩尾みぞおちに向かって振りだした。菅野と目が合う。


ガキッ


しかし、菅野のトンファーが捉えたのは俺の体では無かった。


「っ!?」


菅野は目を見開いて驚く。


俺の体は宙に浮いている。右手の竹刀でトンファーの攻撃を弾いた俺は、その力を反動に側宙している。


世界が反転する。まるでこの空間だけが無重力空間になったのだろうか。頭の理解が追い付かないが、段々と俺の意識が薄れているせいでそれ以上考える事が出来ない。


そして着地した俺は素早く菅野との距離を取った。


「…インストールが終わったのか?その動きは…」


菅野はこちらを見ながらブツブツと何かを呟いている。


なんだろう。


…よくわからん。今はこの感覚に身を任せるしか出来んからなぁ…


既に俺の体は自分自身でのコントロールは出来なかった。



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