表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この壊れた世界でナニヲオモフ  作者: 政吉
第二章 “痕に残る者”
84/209

ヨソウガイ

体から太陽の匂いがする。ポカポカに暖まった体はいつもよりも動きが軽快な気がする。菅野の部屋は確か303号室。菅野は先ほど俺の部屋に来たときはまだ寝起きの顔だったが…大丈夫だろうか?


「やあ!ナツキ君じゃないか。はっはっは!おはよう!今日は珍しく一人なのかい?」


突然俺に向けてかけられた言葉に目線を上げると、そこには本田の姿があった。


この馬鹿……いや、誇り高き先輩はいつ会ってもこんな調子だ。基本的には一人の時はあまり相手にしない。


「あ…、一人っすね。じゃあ俺、行くとこあるんで失礼しますね。」


誇り高き先輩に対してこの素っ気ない対応。普通の先輩ならブチギレても可笑しくないが、この人は問題ない。なに、見ていればわかる。


「はっはっはっ!!そうかそうか、一人なんだな。どうだい?これからこの私と一緒に射撃トレーニングでもいかがかな?」


本田は眉をクイっと上げて得意気な表情をする。


「あ、大丈夫っす。これから菅野さんと対人格闘のトレーニングなんで。」


更に続けて冷たくあしらうが、本田には全く効果が見られない。


俺は今までこの人程話が通じない人間を見たことがない。…まあ、悪い人ではないんだけど。


「はっはっはっ!ならばこの私もそのトレーニングに手を貸してやろう!」


予想外の発展だった。いつもならここで話は終わる筈なのに。


「えっ!?いいっすよ、菅野さんが居れば大丈夫っすから。」


「はっはっはっ!なに、遠慮することはない。この私が直々に手を貸すと言っているのだ。君が気を病む事ではないさ。」


そういう訳ではないんだ。…どうやらこの人に空気を読むという機能はついていないらしい。


俺は大きくため息をついた。多分これ以上何を言っても無駄だろう。何を言っても本田は俺についてくるに違いない。


本田は満足そうな表情で菅野の部屋に歩き始めていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ