ハヤオキハ
ぼんやりと視界に光が射し込む。
どうやら電気をつけたまま寝てしまったらしい。寝る前に点けたテレビは騒々しく俺の脳に刺激を送り続ける。
「…シャワー浴びてないな。ってか今何時だ?」
独り言を呟きながらポケットに入った携帯を取り出した。
4時42分
思っていたよりも早い。そういえば目覚ましをかけ忘れていた。不幸中の幸いだ。
俺は体を強引に起こすと、そのまま服を脱ぎ捨ててシャワー室に向かった。
少しベタついた汗を洗い流し、その後髭を剃る。温かいシャワーがいつもよりも気持ちいい。そのまま普段は入らない湯船に浸かり、一息ついた。
しばらくすると、点けたままのテレビは5時から始まる情報番組の音楽を流し始める。
ぼんやりと浴室の天井を見上げる。そこには小さな換気扇。回してないので止まっているのだが、そのファンの隙間から白い紙のようなものが見える。
「なんだ…あれ?」
再びの独り言。俺は精一杯手を伸ばすが、予想以上に高かったその天井には届かない。
まぁ、別にいいだろう。只のゴミだろうし、そんなに気にする必要もない。今度思い出した時に椅子でも足場にして取ればいい。
それよりも、今日はせっかく早起きをしたのだから自主トレでもやろう。
第三小隊では合同で基礎トレーニングは行わないらしい。その代わり、午後から実技演習とミーティングを行うとの事だ。
つまり、午前中はまるまる暇と言う訳だ。
…竜胆と月島の朝食を持っていかなければの話だが…。
浴室から出て早速着替え始める。
今日は何のトレーニングをしようか。本当は風間が死んで以降、行っていない組み手をやりたいが…。相手が居ない。
仕方ない、トレーニングルームで走る事にしよう。それしかない。
俺は着替え終えると、部屋の鍵と携帯をポケットに入れ部屋を出た。




