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この壊れた世界でナニヲオモフ  作者: 政吉
第一章 “仮初めの平和“
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アラタナ

数分後、俺は菅野と共に食堂で夕食を食べていた。今日も食べるのはあのツブツブ。普段であれば俺はいつも同じ席に座るのだが…。今日は違う席。いつもの席には花澤と藤代。


あまり見ないようにしよう。意識し過ぎても良くないし…。


ふと思ったのだが、先程俺が里穂に蹴られたのは懲罰の対象にはならないのだろうか?


俺は向かいに座る菅野に聞いてみる。菅野はサラダを頬張りながら眉をあげた。


「いや、あれはどちらかと言えば教育みたいなものだろ?あの時のナツキ、すげー不満気な顔してたからな。やられても仕方ないだろ。」


ふむ。納得は出来ないが理解は出来る。確かに俺にも思う所もあった。


「それにしても…何で俺が第三小隊なんすかね?俺、いまいち団長の考えがわかんないんすけど…?」


改めて俺の心につっかえている疑問を菅野にぶつけてみた。


「…あの人の事だから何も考えが無い訳じゃないと思うよ。それに君は……。」


菅野は言葉を途中で切ってからそのまま黙ってしまった。難しい表情のまま口を押さえている。俺が一体なんだと言うんだ?


「俺がなんなんすか?」


そのまま声に出てしまった。


「…いや、何でもない。」


菅野は真っ直ぐ前を向いたまま、視線を全く動かさない。


「いや、教えてくださいよ!!半端に言われると逆に気になるっすよ。」


すると菅野は口を隠したまま俺の目をジッと見つめてくる。そしてまるで知られてはいけないかのように小さな声で答えた。


「…それは君が“鳥海”だからだ。」


俺は目を見開くが、あまり大きなリアクションをしないようにツブツブを口に運んだ。


それはタブーに触れる発言。菅野は姉の事を知っているのだ。


「菅野さん、後で部屋に遊びに行ってもいいっすか?」


「いいぜ。俺も話したい事があるしな。」


上手く行けば菅野を俺の味方に出来るかもしれない。俺は淡い期待を描きながら無表情で夕食を食べ続ける。


「ま、忘れてそうだから言っておくけど、その前に月島と竜胆に夕飯持ってってやんなよ。俺は先に部屋に戻ってるからさ。」


菅野の言葉に俺の表情はドヨンと暗くなる。確かにその通りだ。すっかり忘れていた。


「そうでしたね…。そしたら後で行くっす。部屋番号教えといてください。」


「おう。俺の部屋番号は303号室だ。来る前に内線を入れてくれ。」


「了解っす。」


俺は夕飯を胃にかっ込むと、席を立った。



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