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この壊れた世界でナニヲオモフ  作者: 政吉
第一章 “仮初めの平和“
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シズケサ

夕飯は意外と胃にすんなり入っていった。俺は自分の図太さに少し驚いた。もうすぐ殺し合いが始まるとは思えない。それはどうやら花澤も同じようで、全く意に介さず食事を楽しんでいる。


いや、花澤の場合もう慣れていると言っても過言ではなかろう。彼女にとって次の戦闘は何回目の殺し合いになるのだろうか。



実感が無かった。始まらないと、無くさないと、俺は気付かない人間なのだろう。俺はそうやって大切な人を失った。姉はこんな時どうしていただろうか。


夕飯終わりのミーティング。第二小隊会議室には俺と花澤と月島の三人のみ。風間はどうやら遅れているらしい。


30分程経ってから風間が現れる。その表情からは酷く疲れた様子が見て取れる。


「それじゃあ当日の確認を始めよう。まずは自分達が必要な武器の申請をするから、必要なものを必要なだけここに書いてくれ。」


風間はそう言って俺たちに紙を渡す。そこには国連で使用が認められている武器の一覧表があった。花澤と月島は手際よくそれにチェックを入れていく。


「出来たあ!」


花澤は一番に書き終え、風間に紙を渡した。


その数秒後、月島は無言のまま続けて風間にそれを渡す。


俺は…どうする?数を持っていけばいいという訳ではない。重すぎて機動力が落ちるのは避けたいからだ。


ではどうする。俺が一番使いやすい武器は何だろうか。風間と組手をしている時に一番使っていたのは日本刀の脇差しだ。長過ぎず、短過ぎず、一番しっくりきたのを覚えている。


まず一つは決まり。


あとはナイフを3本持っていくことにした。だがどうしようか。刃渡りで細かく分類されており、どれを選べばいいのか正直わからない。


「ナイフは腰に差すんやろ?だったら20センチもあればええわ。そうしとき。」


横からの急な声に俺は驚いた。花澤は覗き込むように俺の一覧表を後ろから見ていたようだ。


俺はすぐに20センチのナイフにチェックを入れ、そのまま風間の元へ向かった。


「これで全員だね。よし、それじゃあ次は当日の隊列を発表する。気になることがあればすぐに俺に言ってくれ。」


俺たちは黙って頷く。


「まず先頭はつくし、前方の索敵と陽動を行ってくれ。その10メートル後ろに俺とナツキだ。ナツキは左側の警戒を、私は右側の警戒を行う。最後に美咲。美咲は自分の判断に任せる。自由に動いてくれ。」


「つくし先輩が先頭なんすか?あと、月島先輩が自由って…どういうことっすか?」


「言葉の通りだ。つくしは索敵能力に長けてるし体も小さい。先頭を任せるには一番の適任なんだ。美咲に関しては、隊列を決めない方が動きが良い。それだけだ。」


「せや。これがいつも通りやから別に変なことではあらへんよ?」


「…そ、そうなんですか。先輩方が納得してるなら別に良いんですが…。」


花澤を心配して言ったのにこんな返しをされるとは思わなかった。少しモヤモヤする。


「あとは細かい連携の確認をして今日は解散にする。それじゃあ始めるよ。」


ミーティングは深夜まで続いた。解散という餌をぶら下げておいて、こんなに遅くまで続けるとは…。風間、恐るべし。




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