表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この壊れた世界でナニヲオモフ  作者: 政吉
第一章 “仮初めの平和“
22/209

リユウ

自分の部屋に戻るとあの香りがする。俺は壁に寄りかかり、背中を引きずりながら座り込んだ。最後に貰った風間の言葉が俺の頭の中にこだまする。


俺は真実を知ってどうしたいのだろうか。


復讐がしたいのか?それとも姉の意志を継ぎたいのか?それを知ったら俺はここに居る意味はあるのだろうか。頭が破裂しそうだ。自分の弱さに腹が立つ。俺は何のために全てを捨ててここに来たのだろうか。俺は踞り、膝を抱える。


そのまま何分経っただろうか。いきなり部屋の扉にノック音が響く。


「ナツキ、る?」


「………。」


正直迷ったが、こんな精神状態で人に会いたくない。俺は黙ったまま動かない。


「居らんかあ…。じゃあ独り言、言うわ。」


花澤は扉越しに勝手に話始める。


「…今は焦らんと、しっかり鍛練を積むんや。時が来ればナツキならきっとわかるわ。ハルカちゃんがなんでここに来て戦おうと思ったのか。……きっと、わかると思うわ…。それまでうちがナツキを守るわ。だから……。」


花澤はそう言葉を残して、その場を離れた。風間に何かしら吹き込まれたのだろうか。再び静寂が襲う。ああは言っていたがあの小さな体で俺を守れるとは到底思えない。むしろ俺が花澤を守ることになりそうだ。…しかし今度は花澤の言葉が胸にひっかかる。何故姉が戦おうと思ったのか?


俺とは違い、確かに姉はここに来る理由が無かったはずだ。じゃあ何で姉はここで戦うことを決意したんだ?国のため?お金のため?…いや、姉の事だ。そんなものの為にここに来る程馬鹿じゃない。では何故だ?


…残念ながらいくら考えてもそんなこと俺にはわからない。だって俺は鳥海ハルカではないのだから。



しかし花澤の言葉のおかげで、俺が何をすべきかわかった気がする。答えは至ってシンプルだ。俺は死ねない。このまま真実を知らないうちに死ぬわけにはいかないのだ。今、俺が戦う理由はそれでいい。生き残って生き残って、絶対に知ってやる。その為に、俺は強くならなくてはいけない。


「あざっす、先輩。」


俺は一人で呟いた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ