表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この壊れた世界でナニヲオモフ  作者: 政吉
第二章 “痕に残る者”
176/209

オリジナル

「なんじゃ最近えらい疲れとるのぉ?皆に隠れてなにやっとるんじゃ?」


昼食を取っている時だった。向かいに座る藤代はナポリタンスパゲッティを食べながら俺に声をかけた。そんなに疲れたような振る舞いはしてない筈なのだが…?


「別に隠している訳じゃないっす。最近ちょっと早起きしてトレーニングしてるんすよ。でもそんなに疲れてるような顔してたっすか?」


「しとるしとる!学園祭前のハルカみたいな顔しとるぞ?」


「なんすかそれ?」


藤代はそう言って俺の顔を指差しながら笑った。俺は頬杖をつきながら苦笑する。俺の知らない姉さんの話を聞くのは悔しいが嫌いじゃない。


「ハルカは学園祭の実行委員長を3年連続務めたんじゃ。いつも学祭前になるとガッツリ仕事任されてのぉー。その時期になると毎年憂鬱な顔しとったわ。」


「えっ?でも姉さんてそういうのやってたイメージ無いっすね。」


「そりゃそうじゃ!あいつは学級委員も生徒会も全部断っとったからのー。でも学園祭実行委員だけは逃げ切れんかった。東慶学園の歴史ある学祭実行委員長は毎年勝手に推薦で決められてしまうからのー。」


藤代はヘラヘラと笑いながら話を続けた。


「ま、憂鬱な顔しとってもあいつの仕事は完璧じゃった。あいつが務めた3年間は今でも語り継がれる伝説の学祭になっとる。君の姉さんはホンマに凄い人じゃった…。」


俺はそれまで笑顔で話を聞いていのたが、話ながら段々と表情が暗くなる藤代を見て俺の表情も段々と暗くなってしまった。


「…すまん、思い出すとダメじゃな。」


藤代は涙目を隠すように俺から目を逸らした。


「それよりナツキ君に確認しておきたい事があったんじゃ、ええか?」


藤代はグッと目に力を入れて涙をこらえると、そのまま話を変えた。俺は目を伏せながらもゆっくりと頷いた。


「以前の試合の時に見た君の動きのことなんじゃが、君は人の動きを真似る事が出来るんか?あの時確かに君は花澤さんの動きをしていたね?」


「あっ…ええ、そうっす。俺は一度見た人の動きを自分のものとして使うことが出来るんですよ。」


俺は唐突な質問に焦りながらも、目線を上げてから素直に藤代の質問に答えた。もうこの能力を隠す必要もない訳で…。それに俺の味方である藤代にはむしろ伝えておいた方がいい。すると藤代は顎を押さえながら小さく頷いた。


「ほぉー便利な能力じゃな!なら君はハルカの動きも真似できるんか?」


「えっ…?姉さんの…動き?」


「そうじゃ。君は誰よりも近くでハルカを見てきたんじゃろ?なら出来る筈じゃ。」


藤代は細い目を見開いてから真っ直ぐ俺を見た。俺はその目から逃げるように目を泳がせる。姉さんの動きなんて知らない。姉さんは俺と同じ能力を持っていただけだろ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ