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あの子の誕生日
〜あの子の誕生日〜
「誕生日、悠の家でお祝いするのいつぶりだっけ?」
「んー、前は小学生ときだから5年ぶりくらいじゃない?」
悠と呼ばれた男は、ホールケーキを7等分するのに奮闘している。
そんな男を横目に見ながら足をぷらぷらさせているのは、男の幼馴染の女の子。
彼女は今日で17歳になる。
「…7等分は難しいな、麻美のは無しにしとくか、あいつどうせダイエット中だし」
「だめだよ、ケーキは別腹なんだから」
「…まあ、いいや。俺のなしで」
会話が止まって、静かになる。
家には悠と私だけ。
しばらくして、会話を切り出したのは私のほうだった。
「ねえ」
「ん、なに?」
「すき」
「…」
「……」
「…言ってくれないと思ってた」
そういうと、彼は少し笑った。
「で、応えは?」
「そんなの…
まあ、
世界で1番幸せにするから、
覚悟しといて」
言っておいて照れるんだから、
愛しくてたまらない。




