Episode 52
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「「えっ?」」
私とルークの声は見事に揃った。ルークと目が合ったけど、ルークはすぐに目を横に逸らしてしまった。
「ルーク、どういうこと?」
今の私はたぶん、困惑の表情を隠せていないと思う。必死に頭の回転を早くして理由を考えている上、頭が混乱してるんだから。なんなら、勢いのあまり立ち上がっちゃったし。
ルークのことだからちゃんとわけを話してくれる。すぐに答えが得られるだろうと思ったけれど、ルークは目をそらしたまま黙っている。しかも、なんだか様子がいつもと違う。
「ねぇ、ルーク、今日おかしいよ。」
そういったところで、ソファに再び腰を下ろす。ルーク、どうしたんだろう。目をろくに合わせてくれないし、理由を話さないところも変だ。今朝、変なものでも食べたのかってくらいおかしい。ルークみたいに何を考えているのかわからない。
「ラファ、言っても笑わない?」
やっと口を開いたかと思えば、ルークはそっぽを向いたまま愚問が飛んでくる。しゅんとした表情で瞳をうるうるとさせてこちらを見据えてきたが、それですらキラキラしていたので眩しさのあまり思わず目をそらしてしまいそうだった。
「笑うわけ無いでしょ。」
と言ったはものの、思った以上にルークが考えていたことがかわいすぎて、無意識にも笑ってしまうのは致し方ないと思う。そのルークが考えていたこととはこれだ。
「いや、俺達が付き合ったのはほんの数日前でさ。付き合ってから長いわけでもないし、俺は今から帝国に帰らないといけないから...いきなり遠距離恋愛になるってことでしょ。もしかしたら、ラファは申し訳なさから俺と付き合ってるかもしれないし。ラファが俺のこと見限ってもおかしくないわけで...珍しくラファが真剣な顔をしてるから...別れようとか言い出すのかなって思って...って結局、笑ってるじゃん!」
ルークの声に元気はなさそうで、まるでいたずらしたのがバレて理由を話している子供みたい。いや、後ろになんだか犬の尻尾みたいなのが見えるから、犬、かな。
「ごめんごめん。ルークの割に考えてることが可愛かったから、つい。」
かわいいなぁ。かわいくてずっとキュンキュンしてる。いつもは涼しげな顔でいろんなことをやってのけるから、ルークのこと神かなにかだと思ってたけど、そういうところだけじゃない一面も見れて嬉しくなる。
「だって、ラファから告白してもらえたはいいものの、それから今日まで一回も会えなかったし、本当は俺のこと好きじゃないのかな〜って思ったんだもん!」
めっちゃかわいい。拗ねてる子供みたい。普段のルークからは全然想像できない。
「私がルークと別れるわけ無いでしょ。だって、私はルークのことがす、す...」
ダメだ。”好き”って言おうと思っても、言葉が詰まってしまう。いざルークを目の前にして言うのは恥ずかしすぎる。心の中にむず痒いなにかがある。
「へぇ、俺のことが何?」
さっきまでのあれは何だったのかというほど、ルークは意地の悪い笑みを浮かべていた。前に座っていたはずなのに、気づけばすぐ横にいた。キラキラしすぎてて、緊張と恥ずかしさと嬉しさと、自分が何の感情を抱えているのかもわからなくて、心臓がはち切れそう。
「ほら、言ってみてよ。」
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