Episode 37
日が開いてしまってすみません!!!
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「やぁ〜っと、終わった。」
ベッドにダイブする。ベッドのバネの弾力は私を跳ね返させる。ふかふかで、気持ちいい〜。今日の疲れがどっと私を襲う。
「本当に婚約破棄したんだ。」
まだ実感は湧かないけど、嬉しくもあり、少しさみしくも感じる。なにせ、8年間もフランヴァート王子殿下の婚約者だったんだから。思い返すと、悪い印象しかないな、フランヴァート王子殿下。思わず、足をバタバタさせる。
「はぁ、考えるのやめよ。」
幸い、この部屋には私しかいないから行儀を気にしなくていいから、ありがたい。今はそんなことを気にする暇なんてないし。いろいろな気持ちがごちゃまぜになって、頭で考えられなくて、悶えてしまってるし。
体を回転させて、仰向けになる。この匂い、なんだろう。さっきまでしなかったのに。甘いいい匂い...マリが置いてくれたのかな。いつの間に。どんどん意識が遠のいていく。寝ちゃいそう...
◇ ◇ ◇
"ピッピッピッ"
誰か入ってきた?!頭の中で私の部屋に張っている結界を通過した人がいることを伝える警戒音が鳴る。間違いなく、間者!だって、この屋敷の人は全員通過できるように仕組んだもの。
体を勢いよく、起こす。さっきの匂いはもう消えていた。まだ、すこしだけ頭がほわほわしてるけど、そんな場合じゃない。私の警戒心はマックスだ。うっ、足に力が入らない...?!早く逃げないと行けないのに。
周りを見渡す。真っ暗で何も見えない...結界魔法しか使えないの、こういうときに不便ね。私の視界に入ってきたのは、あるはずもないぼんやりとした人影だ。その人影がだんだんコツ、コツと私の方へ着実に近づいている。誰?!姿が見えない状況で結界を張るのは悪手だ。せめて、輪郭が見えれば...
少しずつ人影が輪郭を描いていく。顔がはっきりと分かるまで、本当に本人なのかどうかもわからず、そこにいる人を疑った。思いも寄らない人物だったせいで、私は結界を張る反応に遅れた。
「フランヴァー...っ?!」
叫ぼうとしたときに、口を塞がれてしまう。そして、慣れた手つきで私の口を縄で縛る。これじゃ、喋るどころか、魔法すら使えないじゃない!ここからどうにかして出ようとするけれど、フランヴァート王子殿下が腕を押さえつけてくる。力で対抗しようとするけど、男と女では力の差は歴然だ。敵うはずもない。
暗いせいで、フランヴァート王子殿下の表情がわからない。何をしようとしてるの?!フランヴァート王子殿下は口を開かないし、話を聞こうとしても
「んーー、ん゙ー」
というふうに、縄が口にあるせいで喋ることも叶わない。
どうにかして、外の人に伝えなきゃ。無詠唱で使える結界魔法なんてない。何かないの?!
「そんなに抵抗しなくて、いいよ。ラファエラ。今日は僕たちの大切な記念日になるんだから」
その時にうっすらと見えてたフランヴァート殿下がいつもと違う恍惚とした不気味な笑みだった。
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