Episode 34
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「ル____お久しぶりです。ルーク皇太子殿下。」
ついこの間まで、というか一昨日まで一緒にいたのにひどく懐かしく感じる。ルークの服装が正装なのもあるかもしれない。
「あぁ、久しぶりだな。それと、タメ口でいいよ。俺が許可する。」
「あ、ありがとう。」
よかった。このまま、公式の場の言葉使ってたら、絶対にボロが出てた...
なんか、ルークがいつもより輝いて見える。目を逸らせられない。
「なんか、俺についてる?」
ヤバい、じっと見すぎた。頬が熱くなっているのがわかる。絶対顔真っ赤だ___
「ふふっ、かわいいね。」
ルークの言葉で私の脳内は沸騰中だ。今まで異性、というか、周りの人にそんなことを言われたことがあまりに少ない。その言葉も、異性に言われることも慣れていない。わかってて、言っていたら、たちが悪すぎる...
「そういえば、なんでラファがここにいるの?」
やっとまともな質問が来た。よかった。
「フランヴァート王子___王太子殿下との婚約についての話があったのよ。」
危ない。仮にもルークは隣国、しかも大陸一の帝国の皇太子だ。むやみに、この国の情報を漏らしてはいけない。正式に国王陛下からのお言葉があるまでは。
「やっと、婚約破棄したんだね。」
笑みをこらえているのか、口角が上がりそうになって、引きつっている。学園では、氷のルークって呼ばれてた人がこんな顔を見られるなんて貴重すぎる!ちょっと可愛いかもしれない...
「そうなの。もともと国王両陛下と話していたんだけど、、、」
「邪魔が入った?」
察しが良すぎる。もはや、エスパーでしかない。前にも、こんなことあったなぁ。多分、私の思ったことがルークに伝わったのだろう。怪訝な目でこちらをじっと見てくるから、私はその目からそらしてしまった。
「そうそう、フランヴァート王太子殿下とアグネス嬢が途中から入ってきてねぇ〜。」
「うわっ、絶対面倒くさかったでしょ。というか、俺、アグネス嬢が苦手なんだよね。なんか、やたらと俺にしつこく構ってくるし、胸は押し付けてくるし、香水の匂いはきついし、声は頭に響く高い声だし、なんかわざとらしく俺にぶつかってきたり...ほんと、なんでフランはアグネス嬢に惚れたんだろう。アグネス嬢の良さ、俺一つもわからないんだよね。」
ど、毒舌すぎる...少しアグネス嬢に同情するわ。でも、そんなことがわからないくらい普通に接してたなぁ、ルーク。そこまで苦手とは正直思わなかった。確かに、学園の時でもアグネス嬢のことが好きな男子と嫌いな男子で二分されてたし。本当にあんな令嬢に私は負けたのか、と思うとちょっと、いやだいぶ悔しいし、腹が立つ。
「まぁ、でもその様子だとあいつらの思惑も失敗したようだね。」
「思惑って?」
まだ、何か企んでいたの!あの人達...失敗したようなら良かったけど。
「あれ。手紙、来てなかったの?」
もしかして、あのポエムのような気持ち悪い手紙のこと?!もう思い出したくもないくらいの出来の悪さの。
「いや、手紙は来てたよ。すごく長ったらしいポエムが綴られた手紙が...」
私のそのときの表情はこの世の終わりのような顔をしていただろう。ルークの表情もそうなっていたのだから。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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