Episode 33
すみません。あまり言葉が上手くまとまってないかもです。
その後、フランヴァート王子殿下は私に
「覚えてろよ!」
とだけ言葉を残して、アグネス嬢と一緒に大広間を走って、去っていった。私は聞こえていないふりをしたけれども。どうせ、二人はろくなことしか考えていない。彼らの言動を考えるだけ無駄だ。面前にいるお二方とその側近は呆れてものが言えなくなっていた。
その行為に、国王両陛下は再び私に頭を下げていた。王子殿下が私にあんな態度を取ったのだから、あの子は全く学習しませんね、と終始ずっと申し訳なさそうだった。で私は無事フランヴァート元王太子殿下と婚約破棄をすることができた。
百聞は一見にしかず。国王両陛下はフランヴァート王子殿下の側近たちから話を聞いたらしい。だけど、実際にその現場を目撃することは違うのだろう。
思った以上にあっさり婚約破棄ができた。このときばかりは、フランヴァート王子殿下とアグネス嬢に感謝したものだ。そして、初めてフランヴァート王子殿下の馬...考えていない行動にありがたみを感じた。
しかし、婚約破棄の手続きが難しいらしく(フランヴァート王子殿下がもともと王太子だったことで。)今は昼前だが、終わるのは夕刻前らしい。最後に私とフランヴァート王子殿下の署名が必要らしい。そこまで、王宮にいる必要があった。
国王両陛下のご厚意で私は王宮で昼食を取ることになった。しかも、王宮の庭園で昼食を取るという豪華なことになってしまった。最初は断ったけど、お二方の強引さと、一度帰るのは面倒か、と思った私の考えが、私をここにとどまらせた。
◇ ◇ ◇
大広間前で待ってくれていたマリが厨房から昼食を取ってきてくれている。さっきは嫌な気持ちになったけど、このために来たとなったらそれはそれで良かったかも。
私は先に庭園に行くことにした。王宮には色とりどりのたくさんのきれいな花がある。チューリップやスイセン、ムスカリなどが咲いている。目を閉じれば、花の蜜のいい匂いがする。甘いけれど、自然な匂い。冬の雪が溶けて、春の訪れを花の開花が知らせてくれる、気がする。ここで昼食を取れるなんて贅沢ね。これからはこんな機会ないだろうし、とことん満喫しよう!
「ラファ?!」
後ろから私を呼ぶ低く優しい声。ルークだ!きゅんと感じたけど、びっくりしただけよね?ルークがなんでここに___
ってここにいるのは当たり前か。ルークは留学でここに来てたんだった。寮生活が終わった今、貴賓として王宮に泊まっているし、ここにいてもおかしくない。
「ル____お久しぶりです。ルーク皇太子殿下。」
危ない、危ない。周りに人がいないとはいえ、ここは王宮だ。任務の時とかみたいにタメ口じゃダメなんだった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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