Episode 22
「どう?ルーク。そっち側は解読できそう?」
私とルークは原因と思われる魔法陣を解読していた。私もルークも学園で習ったから、魔人の魔術式に関して精通している。(まぁ、普通はそんな存在を知らない・覚えていないという人が多いから、私たちだけで解読しているんだけど。)騎士たちはここで野営ができるように天幕を立ててくれている。
「おおかた解読し終わったが、やっぱりこれは魔人の使っていた魔術だね。それで解読したほうが違和感がない。人が使っているものも、古代魔法陣の魔術式とも一致しないからな。ラファ、そっちの方は解読できそう?」
「こっちは解読し終わったのだけど、どこからか魔物をここに転移できるようにするっていう術式が組み込まれているようよ。そっちに座標が書いてあったりしない?」
「書いてはあるが___ラファ、ちょっとここを見てくれ。」
とルークは眉をひそめた。
「?」
ルークの方に移動して、ルークが指でなぞった魔術式を見てみる。と、全く意味のわからないことが書いてあった。誰かが私の顔を見ていたら、見るに耐えない、大きく口を開けてアホ面をしていたと思う。
「座標が”-1,5,4”?って、え。座標って2つだけだよね?」
「あぁ。あとここだけがわからないんだ。どこからあれだけの魔物が送られてきているのかがわからない。少なくとも今わかるのは、あの魔物の異常発生はこの魔法陣でほかから送られてきたってこどだ。他の魔術式は特に差し障りのない魔術の基本構造のことしか書いていなかった。」
なるほど。もともと魔素が溜まって魔物が発生していたのに対して、今回は強制的に強い魔物をここに送られてきたってこどか。それはいいとして、、、
「でも、魔人はもう殲滅されたはずでしょ。誰がこんな魔法陣を....」
「とりあえず、今はこの魔法陣を無効化しなければならない。」
「できるの?」
魔人の魔法陣を習ったことがあるとはいえ、本物を初めてみたというのに、もうそこまで魔人の魔術式を理解したというのか。学園で習ったのも初歩中の初歩の内容だったはずよね。やっぱりルークは天才肌なんだわ。
「たぶんな。この座標の部分を無効化できれば、魔物が送られてくることはなくなるはずだ。」
「さすが、学園首席ね。」
「そういうラファも次席だろ。」
「あははっ、そうね」
前々から思ってたけど、ルークといるときは飾らないありのままの自分でいられる気がする。そして、この雰囲気が私にとってすごく心地がいい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。何気にラファの疑問に答えないルークが私からするととても面白いです。
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