Episode 21
魔術部隊の中に聖属性の使い手がいたみたいで、重症者たちに回復魔法をかけていっていた。しかし、さすが王国の精鋭の騎士たちだ。何人もの人が死んでもおかしくないあの戦況で、誰一人として欠けることがなかった。
だけど、まだ任務が終わったわけじゃない。むしろ、
「ルーク様、ラファエラ様。これから、このような自体になった原因調査を行いますので、ご同行をお願いできますでしょうか?」
「「はい。」」
ここからが本番だ。
魔物がいた範囲が思った以上に広かったみたいで、かなり歩いた。あたりは一面荒れていて、木も草もなく、ただただ砂地が広がっているだけだった。そして、結界の中心と思われる場所に原因と思わしきものを見つけた。
「これは、、、」
「なぜここに、魔法陣が、、、」
騎士たちの間に混乱が生まれる。それもそうだ。私も最初は目を疑った。だって、あるはずもない魔法陣がでかでかと敷いてあったからだ。しかし、魔法陣に近づくに連れ、それが本物だと思わざるを得なかった。
人一人分ほどの大きさの魔法陣。パっと見では何の魔法陣かはわからない。ここは、学園首席だったルークに解析を任せたほうがいいだろう。私の思いを汲み取ったのか、ルークは周辺に異常がないことを確認して、魔法陣に触れようとする。と、
「グァァァァ!」
羽のついた人型の魔物がルークに襲いかかる。魔物は腕に噛みつく___
「っ____光剣!」
ルークが即座に魔法を展開した。そして、腕に刺さった魔物の牙を抜く。
「うっ___」
「大丈夫?!」
ルークの方へ寄る。血が出ている!すぐに止血しないと!魔法の方がいいのかな...魔術部隊を呼ぶ?
「ラファ。そんなあたふたしなくていいよ。そんなに痛くないし、ポーションを飲んだら治るから。」
うっ。そんなにあたふたしているように見えたの?!なんか、いっつもしかめっ面のインフィルビも笑いをこらえてるし!!もうっ、恥ずかしい!
そんなことを思っている間に、ルークはポーションを飲み、腕を治す。そして、
「それにしても、どういう仕組だ?これの魔法陣は一般に使われている魔法陣ではない。それよりも、これは」
「魔人が使うものよね。」
「あぁ。」
人が使う魔法陣と魔人が使う魔法陣は少し異なる。彼らの使う魔法陣のほうが複雑で、この魔法陣を人が使おうとすると、膨大な魔力を要求されるため、魔力枯渇で死んでしまう。
この世界で生まれた人たちは幼い頃から魔人と指輪の所持者の話を耳にたこができるほど聞いている。
かつて、魔王とその部下である魔人たちは大陸全土を恐怖で支配していた。そして、奴らは人知を超えた魔法を使っていた。しかし、女神の加護を受けた9人の指輪の始祖たちが魔王と魔人たちを殲滅した、と。
それなのに、、、絶滅した魔人たちの魔法陣がなぜここに。
「やはり、せ………できて……………か。」
「ルーク。ごめん。なんて言ったのか聞こえなかった。」
「いや、関係ないことだ。」
ルークは小声で話すことの内容をいつも教えてくれない。うーん。いつも上手くはぐらされている気がする。それらむ全部知りたいと思うのは私のわがままかしら。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
少しでも気に入っていただければいいねと評価欄から評価とブックマークをお願いします。




