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番外編 2

ラファエラの元婚約者であるフランヴァートの幼少期のお話です。次の話もフランヴァートの話が続きます。

 あの忌々しいラファエラを追い出してこの可憐で美しい素晴らしい女性、アグネスと結ばれる____


 それが、、、


どうしてこんなことに?!


ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー


 勉強は嫌いだ。いつも二つ下のアレスタと比べられてきた。


家庭教師たちが口を開けば、


 「フランヴァート様。今日中にこれをできるようにしてください。二つ下のアレスタ様ができたんですから。」


 「アレスタ様は、一日でできるようになったのに、どうしてフランヴァート様は、」


 国の重鎮たちの間では、頭の良いアレスタが王座につくべきでは、という声も上がった。


 この国で何より重視されるのは、属性と魔力量だというのに?!頭の良さなんて誰も求めていちゃいないだろうが!!


 そんな億劫とした日々の中で、属性判定の日を迎えた。この国の子どもは10歳になる年に神殿で属性判定を受ける。が、俺は頭が悪くても第一王子だから一足早く、7歳のときに受けさせられた。周りではいつもと変わらず、「無能王子だ」とひそひそと話しているのが聞こえた。悔しかった。あいつらを見返してやりたかった。


なんとしてでも、周りの大人を黙らせたい!強い力が欲しい!指輪の所持者になってやる!


そんな思いで、目の前の水晶に触る。すると、水晶は強い白い光を発した。


 神官たちは強い白い光に目がくらんでいた。まさか、水晶が強い光を出すとは思っていなかったのだろう。


 「_っ、フランヴァート様の属性は光です!」


 周りの神官たちは目を大きく見開きあんぐりとしていた。これで、俺は、、、


 属性判定の日から俺の人生は大きく変わった。


 今までは俺に目もくれなかった父上が俺の魔法の教師となった。あの忙しい父上が俺のために時間を割いてくれたのだ。


 国王としての素質は十分だった。


 父上は無用な争いを避けるために早急に俺を王太子にした。


 今まで散々頭が悪いと馬鹿にしていた大人たちは俺に強い態度で出ることができなくなっていた。


 ははっ!爽快だ!あんなにも見下していた奴らが悔しそうな目で見ている!


 あの日から俺は布団の中で笑いをこらえていた。


ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー


 だが、俺が10歳になって周りが属性判定をする頃に、王国で二人の指輪の所持者が誕生した。しかも、そのうちの一人がアレスタだと?!あいつは俺の行く先々で俺を超えていく。また、俺は期待ハズレだと言われると思った。


 指輪の所持者の属性判定まで夜も眠れなかった。


 しかし、そんな心配は杞憂だった。


 父上はアレスタの属性が何であろうと俺を王太子からは降ろさないと宣言してくれた。そして、もう一人の指輪の所持者である、ラファエラ・トスカーナ侯爵令嬢と婚約することが決まった。その時俺に異論はなかった。指輪の所持者が俺の婚約者になったら、アレスタを国王にという馬鹿はいなくなるとわかっていたからだ。


 ラファエラが上位属性、いや普通属性でもよかったものを、あいつは無属性だった。一方のアレスタは雷属性だった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

ちなみに、指輪の所持者は最初の神殿の水晶では反応しないため、後日神殿の総本山に行き、指輪の保管されている場所に行きます。そして、本人が近づくと指輪がキラキラ光り、属性が判明します。

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