Episode 15
もうっ。昨日あんなことされて、ルークにどんな顔して会えばいいのかしら。
「ラーファ。おはよう。入らないの?」
うわっ。びっくりした、、、っていうか、なんでルークはそんなに普通なの?!私なんて昨日の夜全然寝れなかったのに!!
「お、はよう」
とルークと少し距離を取る。今日から森の調査に入るのに、こんなんで大丈夫かな。まぁ、悪いのはルークだし。私はしょうがないよね。たぶん、、、
なぜかルークは上機嫌だし。
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「今日からクワヨギシンの森の最深部まで行く。そこにいる魔物たちも当然強い。気を抜かないように」
インフィルビが団員たちの前でそう語る。インフィルビは師団長だ。これまで何度も魔物に殺された人達を見てきたのだろう。険しい顔つきで指示をしたからか、騎士たちの口元はきゅっと引き締まり、緊張感が漂っている。
「では、これから森の中へ入っていく。」
とルークがいうと共に私が
「解除」
と張っていた結界を解除する。それと同時にもともとあった周りの魔素に当てられる。私は何回も魔素中毒になりかけたせいで、魔素に対する抵抗力が上がっている。体調の変化は何一つない。
ただ、視界が遮られるから、周りの人たちをよく見てついていかないといけない。体力を鍛えておいてよかった。
歩き始めてすぐに、魔物の群れがいた。しかも見た目からしてランクはAだ。そのレベルの魔物はそうそういないはず。やはり、私の結界に異常が?
「一同、戦闘態勢!」
とインフィルビの掛け声により、魔法が使えるひとたちは詠唱を始める。そして前衛の騎士たちは剣を抜く。一斉に魔物に、斬りかかる。
私も加勢に!
「お前は無能、なんだから、余計なことはするな!!」
フラン様。
「あなたは無能なのよ。トロイアを見習って愛想よくしなさいよ!」
お義母さま。
「自分で愛する母を殺すなんて、ひどいわよね〜」
トロイア、わかってるわよ。私がお母さまを殺してしまったんだ。私は無能なんだから。
お母さま、本当にごめんなさい。
「王太子に認められるよにもって頑張りなさい」
お父さま。期待に答えられなくて、ごめんなさい。
そうよ。私は指輪の所持者って言っても無能なのよ。私には何もできない、、、
あれ、息ってどうやって吸うんだっけ。 呼吸がどんどん、浅くなる。胸が、苦しい。
誰かが遠くから私を呼んでいる。 でも、視界がどんどん暗くなっていく。
頭の中がぐるぐる回って、足が震える。 倒れるっ____
そう思った時、誰かに肩を支えられている感覚がした。
「ラファ!大丈夫!?」
「ルー、ク?」
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