Episode 11
諸事情によりこの先2週間ほど、短い話数が続きます。すみません。
大広間の天幕に行くと料理の準備がされていた。その中にはさっき声をかけた女性騎士もいた。
「先程は、大丈夫でしたか?」
「えっ、あっ、ラファエラ様!はいっ、大丈夫です!」
小動物を見ているみたいでかわいいなぁ。顔も少し幼いけど、身長は私よりも高い。高いところで髪を結っていて、とても彼女に似合っている。
「ミシェル、何かあったの?」
とクイラーテがやってきた。
「いえ、クイラーテ上官。私がころんだときに、ラファエラ様が助けてくださったのです。」
クイラーテはこの子の上官なのか。クイラーテがミシェルに慕われているのがはたから見てもわかる。
「そう。またやってしまったのね。」
また、とは前にも似たようなことがあったのかしら、、、
「ラファエラ様、ありがとうございます。」
とクイラーテは丁重に頭を下げた。私になんかに頭を下げるなんて、、、
「いえ、私は当然のことをしたまでです。私が話しかけたことで転んでしまったのですし。」
「そうですか。本当に優しいのですね。」
そう言うとクイラーテはいつもの無表情とは違う穏やかな顔を浮かべた。
「えっ。」
どういうことだろう。
「あの、、、」
「それよりラファエラ様。ここに来てから魔法を使いましたか?」
「あっ。勝手に使っては駄目だったでしょうか、、、。」
「やはり。少し師団長とお話してきます。」
と言って、去っていった。
えっ、クイラーテ私達をおいていくの、、、取り残された私達はどうすればいいんだろう、、、。
「あの〜。ラファエラ様。本当に先程はありがとうございました。私はミシェルと申します。」
「いえ、私が話しかけたばかりに。私の方こそ、すみませんでした。」
「ラファエラ様が謝ることはありません!私、周りの人からドジっ子って言われるほど、ドジばっかり踏むんですよ、、、」
とミシェルは左上を見た。そしてこう続けた。
「ラファエラ様に話しかけられなくとも、絶対その後で転んでましたし。」
とミシェルは手で頭をかきながら、照れてそういった。
すると、どこからか。ぐぅーーっと音がした。
「ふふっ。ミシェル、よね。ご飯を食べましょう。ごめんなさいね。話が長引いてしまって。じゃあ、私はこれで失礼するわ。」
「ラファエラ様!あの、その、、」
「なに?」
「差し支えなければ、一緒にご飯を食べませんか?!」
「いいの?」
「私には一緒に食べる相手なんかいませんから、、、」
と言ってミシェルは少し俯いた。なんとも言えない悲しい表情を浮かべながら。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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