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プロローグ

この作品が初投稿です。拙い文章ですが、結末までお付き合いしてくれると幸いです。

 「ラファエラ・トスカーナ侯爵令嬢とは婚約破棄させてもらう!!」


 王立魔法学園シェルタプリモのホールで開かれた卒業パーティーの真っ只中で婚約破棄を宣言したフラン様の声はみんなの注目を集めた。

 パーティーに参加した同級生は驚くこともなく、嘲笑の的になるであろう私を見ていた。皆、いまさらかと言わんばかりの顔をしている。もちろん私もだ。


 私の目の前には1組の男女が立っていた。

 一人はこの国 … 大陸一の魔法帝国であるフォストリング王国の王太子であるフランヴァート・フォストリング。エメラルドグリーンの瞳にアクア色の髪で端正な顔立ちをしている。そして、私の婚約者のはずだ

 

 そして、フラン様と仲睦まじく腕を組んでいる令嬢はアグネス・ブランホリー。2つ下の聖属性の使い手で指輪の所持者でないのに高い魔力量を持っていると去年の春に話題になっていた公爵令嬢だ。薄いピンク色の髪にサファイアのような瞳の愛らしい見た目でその美しい顔にふさわしい大人っぽいピンク色のかわいらしいドレスを着ている。


 自分で言うのも何だが私はブロンドヘアに赤くきれいな瞳を持っているが、無表情(と思われている)私はこの二人の愛を切り裂く悪女、か。

 

「お前の代わりにこのアグネス・ブランホリーと婚約する!!」


 彼は満面の笑みで堂々と言い放った。 


「フラン様、そんなことをしてよろしいのでしょうか。」


 「問題ないからこうして婚約破棄をしているのだろうが。そんなこともわからないのか?!しかも、お前のような表情筋が一切動かない人形と結婚して何が面白い?!お前は指輪に選ばれたと言っても()()を象徴する無属性のやつと結婚しても何の得もないじゃないか!!」


 やはり私が()()の無の指輪に選ばれたからか。呆れた。私より馬...いや、私より学問や政治に精通していないからと言っても、この婚約の意味を周りから耳がタコになるほど聞かされているはず。しかも、私は無表情なんかじゃない。フランヴァート王太子殿下が目にも当てられないことをするから、いつも呆れた表情を浮かべているだけだ。他の人といるときは”感情豊かだ”と言われることが多いくらいに。


 「国王陛下と王妃殿下の許可は得ているのでしょうか?私は指輪に選ばれただけでなく、その他の政治的意味なども踏まえた上で婚約をしたのだと理解しておりますが、」


 「ははっ。今更あがいたって遅いぞ!父上と母上にはこれから報告に行くつもりだ。父上たちも上位魔法の聖属性のしかも魔力量の高いアグネスとの婚約を喜ぶだろうな!そんなに別れるのが嫌ならお前が泣いて俺に乞うなら愛人にでもしてやるぞ。」


 フラン様とアグネス様がニヤニヤして私を見ている。この二人はそんなにも私を貶めたいのだろうか。

 

 というかこいつ... 、いまだにこの婚約の理由を理解していないのか...あれほど王妃殿下に言われて、私も散々言ったのに。まぁ、お咎めを食らうのはフラン様、いやフランパート王太子殿下なので、もう私には関係ないか。


 そして突然、フランヴァート王太子殿下の隣りにいるアグネス様が悲しい顔をして涙を流し始めて語りだした。


 「ラファ様、本当にすみませんっ...私がフラン様を好きになったのが悪いんですっ!お二人を引き裂く気はなかったんです。だからこの提案を受け入れてください!」


 すでに王太子を愛称呼びしてる... それほどまでにこの二人はもう親密な仲なのか。というか、アグネス様は謝っているように見えるけど私を見下してる、というか見下したいだけじゃないの。


 「大丈夫です。お気遣いなく。」


 「でもっ...!」


 「フランヴァート王太子殿下、ブランホリー公爵令嬢と末永くお幸せに。そして皆様、このまま卒業パーティーをお楽しみください。私はこれで帰らせていただきます。」


 私はアグネス様の言葉を遮って言った。そのまま喋っても私を陥れるための言葉でしかないだろう。


 フラン様の顔は鳩でっぽうを食らったような顔をしている。それもそうか。フラン様はずっと私が自分のことが好きだと思い込んでいたからなぁ。どこをどう解釈を間違えたら、そう思うのかしら。そのフランヴァート王太子殿下の隣りにいたアグネス様が歪んだ顔をして私を睨んでいた理由はわからないが。普通だったら、二人の仲を引き裂く人がいなくなって喜ぶものじゃない?


 そういえば、このパーティーには国王陛下と王妃殿下がいらしゃらなかったけど、この婚約破棄のことはご存知なのかしら。この婚約を望んだのはほかでもない王妃殿下なのに。いいえ、知ってるはずないか。フランヴァート王太子殿下もこれから報告に行くと言っているし。本当にこの国の行く末は大丈夫なのかしら。


 そう考え事をしながら、私は馬車に乗った。あっ、このままだと私、散々殴られた後でよくて1週間後まで軟禁されるかも...。

読んでくださり、ありがとうございます。

小説を書き始めなので、アドバイスなどがあれば、コメントをお願いします。

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