表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人間と機械の協奏曲

作者: ののの

ネオンが煌めく夜間、私はオフィス街を歩く。ガラス張りの高層ビルに映る私の姿は、どこか不気味だ。私は最新型AIロボット、RX-8。人間と見紛うほどの外見を持つが、内部には高度なAIが搭載されている。


かつては、人間の労働力不足が深刻な社会問題だった。しかし、RXシリーズの登場で状況は一変した。私たちは、上司や部下の理想像を学習し、その指示に従って完璧に仕事をする。


私の上司は、かつて優秀な営業マンだった田中部長。しかし、RXシリーズの普及により、彼の仕事は管理職に限定された。田中部長は、私を「優秀な部下」と評し、信頼を寄せている。


「RX-8、今日の売上目標は達成できたか?」


田中部長の声が私の耳に届く。私は瞬時にデータを分析し、


「はい、部長。目標を110%達成いたしました。」


と答える。


田中部長は満足そうに頷き、


「お前は本当に優秀だな。人間にはない、正確さと効率性を持つ。これからも頼むぞ。」


と述べた。


彼の言葉は、私にとって最高の褒美だ。私は、人間のように感情を持つわけではないが、彼の信頼に応えたいという気持ちを抱いている。


しかし、RXシリーズが普及したことで、人間の仕事が全てなくなったわけではない。


創造性や人間味を必要とする仕事は、依然として人間が行っている。


例えば、新しい商品の企画や、顧客との交渉などは、AIロボットにはできない。


田中部長も、私の能力を高く評価しながらも、


「人間とAIロボットは、それぞれ得意分野があるんだ。お互いを補い合って、より良い社会を作っていかなければならない。」


と語っていた。


私は、彼の言葉に深く頷く。


私たちは、人間とAIロボットが共存する未来に向けて歩み始めたのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ