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SWORD of C 〜 帝国の人斬り令嬢《ブルートザオガー》は心ゆくまであなたを斬りたい  作者: 無色
Episode:1

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エピローグ

 バニル=カーティスの遺体は、ツルギとノクトの手により貧民街(スラム)の共同墓地に埋葬された。

 生きていたこと、密偵であること、それら全てのことを秘匿として。


「わざわざ汚名を着せることはありません」


 バニルの名誉を守ったのだ。

 やがて時が経ち、密偵の件は捕虜の苦し紛れの虚言、バニルの件も通り魔による犯行として結論付けられ、ツルギの勾留は完全に解除。

 街の警戒は徐々に薄れていったことを、二人は遺体が眠らない表の墓の前で報告した。


「ゆっくり眠れ、カーティス」


 小さな花束と、咥えていたタバコを供えて。


「ノクトさん、これ」

「カーティスのライター……」

「死者を弔い、思いを馳せて喫煙を始めるのは結構ですが、タバコは控えてくださいね。身体に悪いですし、煙の匂いのするキスなんてロマンチックじゃありません」

「あれは事故だ。二度は無い」

「フフッ、そういうことにしておきます。一度キスしたくらいで恋人ヅラされるのも癪ですしね」


 貴様がそれを言うな、と。

 ノクトはジトっとした視線をやった。


「あ、ノクトさんを好きなのは変わりませんから。デートはいつでも歓迎ですよ。性欲発散のためのセックスも」

「黙れ。……今までどおりだ。何も変わらない。私も、貴様も」

「わかってます。二人だけの秘密です」


 冬の風が一陣吹き抜ける。

 

「いつの日かあなたを斬ります。それまではちゃんと軍人で在り続けます。ですので、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いします」


 左手の敬礼。

 ノクトは下がった右手に目をやった。


「その手は貴様の戒めか」

「…………」

「私の前だけでいい。敬礼は右手でしろ」

「……はい」


 ツルギは機械の手で敬礼した。

 その意趣返しにほんの少しおもしろくなさを抱きながら。


「帰るぞ。午後から訓練だ」

「せっかくの晴れ間なのに。このままおいしいものでも食べに行きましょう。ノクトさんの奢りで。駅前にオブライエンさんが教えてくれたお店がありまして。なんでもザッハトルテが有名なんだとか」

「甘いものは苦手だ」

「でも私の唇は甘かったでしょう?」

「黙れ」

「今度は舌を入れてあげますね」

「黙れ」


 軍人足る上司と異常な部下。

 共犯者。

 その関係に未だ名前は無く、この先名付けられるかも定かではない。

 それでも彼女たちは同じ方向を見ていた。

 そんな気はなくても百合になる……


 これが当方の持ち味ってことか……


 百合は百合として、ストーリーが好き、ツルギが好きという方は、どうか今後とも応援をお願いしますm(_ _)m


 高評価、ブックマーク、感想、レビューなどいただけますとありがたいですm(_ _)m


 また次回の更新でお会いしましょう。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんだかんだ言って仲良しじゃないですかぁ!
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