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一本目 湖と酒の街、シュロにある武器屋


 割と新しいめ建物の窓に日が差し込む、

拙く青白い光だか、太陽の力強さも感じられる。


「今日、来るかな、お客さん…」


寝ボケながらもムクリと体を起こす。

彼の名は "ライク・コークス"

この街に3つある武器屋の1つである

"コークス武装工房"の店主だ。


「ギルドは紹介してくれるって言ってたのになぁ…

今日で3日目になるけど、こんなものか…」


彼の言う"ギルド"とは"冒険者ギルド"のことである。

しかし、冒険者ギルドと言っても冒険者の為だけの機関という訳ではない。

その実態は、役所のような、酒屋のような…

冒険者が依頼を受ける他に、その街の案内所的な役割もあり、割と幅広い。実際、街で商いを行うためにはギルドに報告し、承認を得る必要がある。

ついこの間この承認を得たライクのように、冒険者がメインターゲットである商人にとっては都合の良いシステムなのだが、彼の元には、まだ客が来ていないらしい…


軽い愚痴をこぼしつつも、彼は頭の中では理解していた。


・コークス武装工房はオープンしたばかりで、大きな宣伝もしなかったため、すぐに客が来るはずがないこと


・この店は街に3つある武器屋のうちの1つに過ぎず、人気も知名度も他店と比べ、これっぽっちもないこと


「そして一番は、他店の方がギルドに近いことだ。

土地が安かったからといえ、こんな街の端っこじゃな…

うちの魅了は既存品の安さと、お客さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドなのにこれじゃ何も始まらないよ…」



ここは、湖と酒の街"シュロ"

湖の湧水が、大地を育て、森を育て、人を育てた。

湧水のお陰でこの街では農業が発達し、それらの作物と湧水で作った酒は、この街の名物と言って間違いない。

酒が人を呼び、人がさらなる発展を呼ぶ。

この酒を求めて荒くれ者たちが集まってできたのが、冒険者ギルドだという説もある。地元民の間での勝手な話だと言われているが…



「はぁ、これだからシュロの酔っ払いギルドはあてにできないんだ。」

店の正面にあるカンターに設けてある椅子に腰を下ろす。

本来ここには来店した客が座り、理想の武器(モノ)を聴き出すべくして設置したライクのこだわりだ。椅子も寂しそうだか、それ以上に寂しく感じてるのは…


ーーーチリン♪

「こ、こんにちわー」

思ってもない来店だった、


この来店には多くの意味があった。


まず、コークス武装工房の真の初まり。

次に、装飾品の様に黙っていた武器たちの商品としての目覚め


「い、いらっしゃいませ!どのような"武器(モノ)"をお求めでしょうか!!」


そして、なんと言っても、()()だけに()()用ではなく、

ちょっと器用な武器屋の店主の誕生である。



〜〜〜〜

「…と言いますと、つまりシンプルで扱いやすい剣が良いって事ですか?」


客の名は "レイ・スタンス" といった。

まだ若い青年のようだ。


「別に剣じゃなくてもいいんですけど、安くて扱いやすければって感じですね。"レッドスチル"にも行ったんですけど、冒険者を始めるにはちょっと高くて…」


冒険者というのは主にギルドで依頼を受け、依頼を達成すると報酬を受け取れる職業だ。依頼はその街の住人や特定の団体がお願いし、それをギルトが契約を用いて仲介する形だ。

結構昔から副業として人気で、何よりカッコよく、金も稼げる。これに憧れない男はいない。


「"レッドスチル"ですか。一応あそこでも安い商品は十分揃っていると思うのですが…」


ここでの"レッドスチル"というのは武器販売の大手である

"レッドスチル武器販売"のことである。

この街に3つある武器屋のうちの1つはこれにあたる。


「そりゃそうですけど…あそこの安い商品なんてナイフか短剣くらいですよ。リーチが長い物ほど高いんですから。本当は両手剣がほしかったんですが…」


「でしたらうちの商品はピッタリですよ!」


ー両手剣ー

基本は両手で扱う

片手でも扱えないことはないが、両手の構えと比べ、鈍くなり正確性に欠ける

両手で扱う分には扱いやすく、剣技を育てる剣とも言われる。


「うちの剣は特別装飾とかも無く、ダサいかもしれませんが、その分安くて、頑丈ですよ。ここには自信があります。」


確かに、この剣はレッドスチルの剣と比べのっぺりしている。唯一の装飾と言えばブレード根元に小さく刻印されたコークス武装を表す三角形。一頂点ごとに「安定」「頑丈」「成長」を表している。

これまでつまらない灰色にしか見えなかった鉄が、質素であるからこそ、鈍くも青白い光を放っている。

木製のグリップは滑り止め程度の溝と、川の流れのようにうねる木目が見える。


レイにとってその剣を腰に据えている自身の姿を想い描くことは容易だった。


「これ、この剣を一本、頂けますか。」


ーーーチリン、チリン


店を出るその背中には期待と不安、確かにそれ以外の"モノ"を背負っていた、気がした。

それをどう"カタチ"にするかは彼とあの剣次第…


人生初の接客は思いの他上手くいった。記念すべきお客様第一号の剣に、別れたあとだったが愛称をつけたかった。


「レイ君の剣でいっか、」


また、暇に戻ってしまったライクは店裏の工房に戻り、たった1本売れた分のストック埋めるべく剣を作る。

ただ、前と違うのは鉄を打つ金槌の重さに"充実感"が加わりより力強く鉄を鍛えられる事だ。


彼の工房が寒くなることはもう滅多にないだろう。


読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字の確認も軽くしかしていないので、もしありましたらご指摘お願いしまりす。

武器、装備たちの値段設定は追々考える予定なのでアドバイス等がありましたら、是非参考にさせて下さい。

ライク君がもっと鉄を触れられるよう努力してまいります。

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